業キラー
「マイケル…!」
「…花は俺が消した……もう爆発する事は無い…」
「……凄いね…マイケル…」
「…フン」
すると、七海のスマホへ電話がかかってきた。七海が出ると、それは天だった。
「………そうか…」
「どした?」
「…業に対して…有効なレジアルが開発できたようだ……」
「はッ!…業キラーの武器ってわけか!」
「リコも救えたし…一旦戻るか」
電話を切り、ストレンジャー達と抵士官達は本部へ戻った。
「……おっ…来たか…」
「…業に有効なレジアルとやらは?」
「……これだ」
獄が、漆黒のレジアルを机の上に置いた。
「通常のレジアルと違い…対業に特化したレジアルだ……悪魔や天使にはあまり通じないが……業人に対しては有効だ…業に取り憑かれた奴の…業のみを破壊する事も可能だしな」
「…ナオトの持ってた刀を調べて…コピーしてみた……まぁ…コピーできたのはオロチのおかげだ」
「フン」
「……ふむ…」
乖理が業キラーのレジアルのうち、一本を持って言った。
「これで…業人対策は完璧という訳だな」
「ああ…これ一本あればレベルⅩの業人も粉砕できるぞ」
その時、天がレーダーのようなものを取り出した。
「何だそれは」
「…業の濃度を探知するレーダー……ついでに作ったのだ……」
「ほぅ…」
獄が机の上に、黒い石を置いた。
「業に汚染された北海道で…拾ってきた石だ」
天が石にレーダーを近付けると、レーダーはアラームを出して、数値を表示した。
「1050…」
「基準は…普通の人間が10…業人は1500くらいだ…」
「梅岡と十郎は13……川畑は0…宇川も0で……ふむ…これは便利だな」
するとオロチが、九州のある方向へ向いた。
「……早速…ソレを試せそうだぞ…」
「なに…?」
その時、抵士官が研究室へ入ってきた。
「大変です!…九州の業人が……本州へ侵攻してきています!!」
「…なんだと……」
「よし!…試し斬りしようぜ!!」
抵士官と、ストレンジャーは急いで研究室を飛び出した。
「全く……ん?」
天は、机に置いてあるレーダーを見て、絶句した。
「…7851900だと…?」
「……これは…」
……
「おー…おー……いっぱい来てんな…!」
「…業キラーを試してみるか」
七海は、業キラーレジアルの一つ【斬業】を手に取った。
「……フ…ッ!」
斬業を振った瞬間、地平線に広がる業人達の身体が、真っ二つになった。
「これは凄いね」
「ああ…!」
「これも使ってみよう」
乖理が、ハンマー状の業キラーレジアル【業潰】を持った。
「…うぉぉ…」
業潰の先端が巨大化し、再び迫った業人を潰した。
「これはいいな…」
「業キラー…恐るべし……」
するとその時、天空へ漆黒のドラゴンが出現した。抵士官達は、思わず身構える。
「…コイツは……レベルⅩの龍業鬼…」
「……でけぇ…!」
龍業鬼の周りには、取り巻きの龍もいて、その龍は抵士官達へ突っ込んできた。
「フン…ッ!」
七海がその龍達を細切れにし、乖理が業潰を巨大化させ、龍業鬼のブレスをガードした。
「あと一つあったよな…」
「…これだな!」
斬仁が業キラーレジアルを手に持った、それを見てミユキと宇川も興奮する。
「うわぁ〜…!……カッコいい…!」
「電動ガンとして販売したらバチクソ売れんぞ!」
漆黒のスナイパーライフルを構え、斬仁は龍業鬼をロックオンした。
「こっちきた!」
「…脳天撃ち抜いてやるぜ…!」
抵士官達に向かってくる龍業鬼を、斬仁はスナイパーライフルで撃ち抜いた。スナイパーライフルの弾丸は、龍業鬼の眉間を穿った。
そして業龍鬼は、地面に重々しく落下し、消滅した。
「…【業穿】……とてもイカス武器だぜ…こりゃあ!」
「……大量生産しないとな…コレ…」
抵士官はそれぞれの、業キラーレジアルを見ながら言った。
「これで終わりか?…業キラーレジアルの前では…業人の大群も呆気ないものだな」
「…俺達の来た意味……まぁ…業キラーのレジアルを見れただけいいけどな」
梅岡が、業キラーレジアルを見ながら言った。
「よし…帰るか」
するとその時、本部から電話がかかってきた。
「何だ?……分かった…」
「どした?」
「……とりあえず戻ってきてくれと……本部へ戻るぞ」
「…行ったり来たり……忙しないやっちゃで…」
業人を殲滅した抵士官とストレンジャーは、本部へと蜻蛉返りした。
「…今度は何だ?」
「実は……楽織さんが…消えたんです…」
「なんだって?」
「楽織さんが…数時間前に消えたんです!」
それを聞いて、七海が抵士官尋ねた。
「……最後に目撃されたのは…?」
「近くで悪魔の討伐に向かって……それきり…連絡が…」
「……よし…とりあえずその消えた現場へ向かおう…マイケル…来い」
「…ああ」
そしてマイケルと七海は、現場へと急行していった。




