表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
417/457

炎の車輪




「……まぁ…ゲームとかでダメージ食らうと『痛い』って言ってしまう…アレだよ!」

「…そうか」


上を見上げながら、マイケルは言った。


「…ここから登るのは…地味に大変だな……登っている最中に…研究所そのものが崩れる可能性がある」

「じゃあ…こっちから行くしかないね」

「ああ…」


ミユキは目の前の廊下を見ながら、マイケルへ言った、そして2人はその廊下を、進んでいった。


「……ん?」


すると、ロッカールームと書かれた部屋があった。


「…さすがに裸よりかは…服を着ていた方がいい…」

「……だね」

「…服の一つや二つあるだろ……」


2人はロッカールームへと入り、ロッカーを開けていった。


「おっ!…あった!」

「…こっちもだ」


マイケルのロッカーには研究員の、ミユキのロッカーには病院患者の服が入っていた。


「……服ゲッチュ!」

「…よし……3人を探そう」


ミユキとマイケルは3人を探す為、ロッカールームから出た。


「…………それにしても暗いなぁ…」

「……ああ…」


そして少し歩いていると、半透明な黒い壁があった。


「なにこれ」


その黒い壁を擦り抜けて進むと、目の前には奇妙な商店街が並んでいた。


「…異空間?」

「……のようだな…」

「…恐らく業人の仕業だろうね……」


商店街を少し歩くと、目の前で妖怪が歩いていた。


「うわー!…妖怪だぁ!」

「…………」


その小さな妖怪は、ミユキとマイケルを見た途端に飛びかかってきた。


「わっ!」


ミユキは飛びかかってきた妖怪を、ぬいぐるみのように抱いた。


「…あ」


そしてそのまま、妖怪をぺしゃんこにした。ミユキに、妖怪の返り血が付着する。


「……力入れすぎた」

「…先へ進むぞ……こんなふざけた場所からさっさと出て…3人を見つけるぞ」


マイケルとミユキは、奇妙な商店街を早足で歩いていった。


「ブッフゥゥゥゥン……ッ!」

「……やれやれ…めんどくさそうなのが出てきたな…」


その時、目の前に牛のような鬼が降って道を塞いだ。


「…やるぞ」

「うん!」



……



「…なんだここは……」

「クソ……気味の悪い空気だぜ…」


梅岡達も、マイケル達と同じ異空間へと迷い込んでいた。


「あの半透明な壁が…この世界の入り口だったのかもな…」

「ひとまず…ここから出ないといけねぇな…」

「ミユキさん達も…ここにいるかもしれません……少し探索してみては…?」

「…ふむ……2人もここに迷い込んでいるかもしれないしな…」


ミユキ達を見つける為、梅岡達は異空間の探索を開始した。


「……うぉ…ッ…と!?」

「…火の玉が飛んできましたね…」


梅岡は目の前から飛んできた火の玉を、間一髪で躱した。


「何だよ!?」

「おい……あれは…」


すると目の前から、凄いスピードで火を纏った車輪が転がってきた。


「わ…輪入道!?」

「…妖怪……」

「業人なのかは分からんが……やるしかない」


そして梅岡は、全速力で走ると思い切り輪入道へ向かって、ハイキックをかました。


「オラァ!!」

「…グルォ…ッ!!」


輪入道は蹴りを食らうと爆炎を帯びて、梅岡の方へ転がった。


「ウォラァァ!!」

「梅岡さん!」

「梅岡!」


梅岡は、素手で輪入道を掴んで回転を止めた。身体には、炎が燃え移り、手にはかなり酷い火傷を負っている。


「グラァ!!」

「…ッラァ!!」


七海と十郎が、輪入道にすかさず斬りかかる。そして輪入道は2人の斬撃を食らうと、その場で倒れて消えた。


「……はぁッ…はぁッ…」

「大丈夫ですか!?…梅岡さん!?」

「だ…大丈夫……じゃ…ねぇかも…ッ…」


するとその時、もう2体程、輪入道が目の前から転がってきた。


「クソ……まだいたのか…ッ…」

「…梅岡さん…休んでいてください…」

「……梅岡を守りながら勝てるかどうか…」


2人が構えたその時、一体の輪入道へ赤黒いナイフが突き刺さり、一体の輪入道は倒れて消えた。


「やっぱ…殺意で生み出したナイフはいいねぇ…」

「ふむ…殺意の具現化か……興味深い…」

「あ…アンタら…!」

「ミユキさんと…マイケルさん!!」

「待たせたな」


屋根の上に、ミユキとマイケルが立っており、2人は下へ飛び降りた。


「…グ…グリォォ!!」

「よッ…と!」


ミユキは背を向けたまま、ナイフを輪入道へ投擲した。ナイフは命中し、残っていた輪入道も倒れて消えた。


「……君達よりも…熱い熱を持つ輪入道を…僕は知ってるよ…!」

「…梅岡…大丈夫か…?」


マイケルが、火傷を負っている梅岡へ尋ねた。


「……って…大丈夫なわけないか…」

「…ああ……マジで痛ぇ…」

「僕が治してあげるよ!」


ミユキが梅岡へ触れると、火傷はあっという間に完治した。


「…本当にお前の血は便利だな…」

「……梅岡君…身体の具合はどう?」

「問題無し!…ピンピンしてるぜ!」


梅岡は立ち上がって、拳を握りしめた。


「それは良かった…!」

「梅岡さんの火傷も治り…ミユキさんとマイケルさんとも合流できたので……あとはここから脱出して…手掛かりを見つけるだけですね…」

「よし…さっさとここから出て…手掛かりを持ち帰るぞ…」



















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ