祟りが降る
「…は…?……まだ…2分くらいしか経ってないよな…?」
「へへッ!…さすが……【鬼】と呼ばれるだけはあるな!」
「ナオトさんの家系…どうなってんだ……」
茂樹も加わり、手掛かりを探していると、茂樹が宇川達へ言った。
「おい…ちょっと来てくれ……」
「なんだ?…何か見つけたのか?」
「……ボイスレコーダーだ…まだ使える…」
……
「…よし……これより…各研究所の捜査を開始する……」
「……これで手掛かりを掴めればいいのだが…」
それぞれグループに分かれ、ストレンジャーと抵士官はPhoeniXへと乗り込んだ。
[ポイントωに向け…発進致します]
「…良かった……今回のメンバーからして…俺が戦えない事を隠す必要は無さそうだ…」
「ッたく…いい加減戦えるようになれ……」
「しょうがないだろ…俺は乖理と違って平凡な一般人なんだから…」
川畑達、ωグループを乗せたPhoeniXは、日本から少し離れた島へ着地した。
「…研究所はここから先にある……健闘を祈る」
「よし…行くよ」
「…ああ」
PhoeniXから降りて、ωグループは目の前にある漆黒の森を見つめた。
「何か…嫌な雰囲気……」
「確かここは……禁足地として知られていた島だ…」
「禁足地……」
「ああ…数百年くらい前から……この島に来た者は…祟りにあうとか何とかで知られていたんだ…」
すると森の奥から、冷たい風が吹いてきた。勇兎が乖理へ、しがみつく。
「……な…なんか……霊的な何かを感じる…」
「怖がりだな…勇兎は……」
勇兎がしがみついている乖理へ、川畑が尋ねた。
「幽霊とか…怖くないのか?」
「生憎…俺は霊を信じていないんだ」
「…そんな事言ってると…幽霊が出たりして……」
「……今まで散々…悪魔やら天使やら…非現実的なものを見てきたんだ……今更…幽霊が出たくらいで怖がらないよ」
正美がそう言うと、乖理はポーカーフェイスのまま、そう答えた。
「心強いな…乖理君…」
「…凄いよ…乖離は…」
「さぁ……行くぞ」
ωグループは、森の奥へと足を踏み入れていった。
「……何も出ませんように…」
「フン…安心しろ……幽霊が出たら儂が八つ裂きにしてやる…」
「頼もしい限り…ッ」
森の中は薄暗く、異常に冷たい風が吹いている。
「…………」
その時、乖理が飛んできた黒い欠片をキャッチした。
「…祟りか……フン…」
すると森のあらゆる方向から、業人が姿を現した。
「……コイツらが祟りの正体かな…?」
「まぁ…とりあえず倒そう」
正美が業人へ蹴りを食らわせた、それを見て乖理やアザミ、川畑も戦う。
『クソ…俺は何もできないのか……』
「…よし……片付いたな…」
業人を全員倒し、ωグループは先へと進んだ。
「……これが研究所っぽいな」
[引き返せ…]
「ん?」
[…さもなくば…貴様らは血反吐を吐きながら……生き絶えるであろう……]
脳内に無機質な声が響き、ωグループは足を止めた。
「……何だ?」
「…悪魔かもな……」
「廃研究所に悪魔が?…何の為に…」
「…手掛かり探しのついでに…さっきの声の正体も調べてみよう」
そして乖理を先頭に、ωグループは研究所の中へと足を踏み入れた。
[愚か者共が…貴様らに祟りが降るだろう…]
「祟りか……じゃあ…この声の主が……ここを禁足地と呼ばれる場所にしたのかもな…」
研究所の中を進んでいくと、地下へ続く階段があった。
「…行ってみるか」
地下へ続く階段を降りると、開けた場所へ出た。そこには、様々な研究道具がある。
「よし…ここを調べてみよう」
「貴様ら」
ωグループが声のした方へ向くと、そこには神々しい翼と肉体の天使がいた。
「何だお前は…さっきの声の主か…?」
「いかにも…」
そして天使は、ωグループを見ながら言った。
「私はアラスローン・コワルンドス……我が眠りを妨げた貴様らを…屠る…ッ!」
「……凄く神々しくて…強キャラ感出してるけど……お前…弱いだろ」
「なッ…!?……貴様…」
「よし……アタシがコイツの相手やるから…アンタ達はそこら辺で手掛かり探してな」
「OK」
それを聞いて、アラスローンは怒り、眉間にシワを寄せる。
「ぐぬぬ……身の程を知らない小娘め…」
「…来いよ……アラス(ry…」
「アラスローン・コワルンドスだッ!!…何が以下略だ……粉微塵にしてくれる…ッ!!」
アラス(ry が突っ込んできた瞬間、正美は美しく躱して、思い切り後頭部を蹴った。
「おごォ!?」
「……ほら…弱いじゃん…」
そしてアラスが地面に倒れると、頭を踏みつけた。
「…強そうな雰囲気出してる割に……めっちゃ弱いね…」
「いッ……す…すみ゛ません……強がってました…ッ…!!」
正美は頭を少しだけ強く、踏みつけながら言った。
「…そういえば…お前…アタシの事を小娘とか言ってたな……」
「……はい…」
「お前…何歳?」
「…30です……」
「アタシより年下じゃねぇか……アタシの実年齢は66歳だ」
「え゛…す……すんません…」




