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追跡者



悪神は自身に忠実な部下を作ろうとした、そして自身の魂と、血で半神半人を作った。悪神はその神の子を、15歳までは人間に育ててもらおうとした。


しかし、四人の王達はそれを見逃さなかった。急いで子供を保護し、悪神に見つからないように塔で育てた。その神の子、神子は桜郎(サクロ)と名付けられた。


王達がそこまで悪神に執着する理由、それは四人の王達のうち、二人は死した後、また二人は生活の最中、悪神によってこの世界へ連れてこられたらしい、理由は分からない。だが、身勝手で悪意を持っていたのは分かっていたからだ。


そしてある日、ホワイトという神から、ある事をお願いされ、四人は一致団結し、悪神探しに動き出した。


しかし、悪神は何かを企んでいる事が分かった。だから、ゴッドカンパニーではその“何か”を阻止する為に見つけ次第無力化してもらおうという意向となった。


……



「アンタ達も、ホワイトに悪神探しをお願いされてたのか……」

「……………ああ」

「数は多い方がいいと思って…」

「まぁ、神探しから神殺しに変わったがな」


レクスはホワイトを見ながら呟いた。それを見てホワイトは焦りながら言う。


「…ごめんって!……ちゃんと元の世界へ帰すからさ!」

「ならいいがな……」

「というか桜郎を俺たちに任せたのは神殺しに集中する為だったんだな…」

「それはすまないな…我等は悪神をどうしても殺したいのだ……桜郎護衛をお前たちに引き継いでもらえれば…神殺しだけに集中できるからな…」

「怖いな…」


そうして、俺たちは塔の中で雑談していた。そんな時に俺はハッとなった。


「そういえば!…俺たちギルドに行くんだった!……よし…桜郎…行くぞ!」

「……梅岡さん…外真っ暗ですよ」


十郎は窓を指差して言った、外は街灯が無いため、真っ暗闇だった。


「……どうしよ…松明ねぇよ」

「三階に寝床がある、そこで一夜過ごすといいだろう」

「マジで!?」


桜郎がそう言ったので、俺たちはこの塔で寝させてもらう事にした。そんな時、ホワイトは思い出したかのように辺りを見回してスカーレットに尋ねた。


「……今日は()()()()エミリアもいないんだね」

「ああ、珍しくな」



……



「神と人のパーティかぁ……」

「……エミリアはどうした?」

「エミリアはお休み中だよ」


伍城と少年は塔を近くの崖で眺めていた。そんな時、何かを察知したのか、少年は森の方を向いた。


「……気配は…魔族の兵士か……幹部もいるね………まだこの近くにいたんだ…!」

「……………行くのか」

「うん!……魔王の実験の詳しい事を知るチャンスだからね…!」


少年はスマコの倉庫からナイフを取り出して、森の奥へ進んでいった。森は真っ暗闇に包まれているが、少年は夜目を持っていたのでハッキリと見えていた。


「……さて…調査開始といこうか!」


そう言って少年はその場に屈むと、地面を注意深く見て、地面に残された僅かな痕跡を発見した。


『……足跡が多いね………レクスと戦った魔族はここから来たのかな…?』


地面には無数の足跡が残っていた、そして少年は、その足跡の近くにあったもう一つの足跡を発見した。


『…………足跡の間隔が長い……走って逃げたのかな……足跡の数も少ないから生き残りか…』


もう一つあった足跡はさっきよりも少ない人数が走った際に残した足跡だった。その足跡は森の奥へ続いていた。少年はその足跡を辿って、さらに奥へ進んでいった。


『あれれ…?……途切れてる…』


少し進むと足跡は途切れていた、まるでその場所で消えたかワープしたのかのように。


『………魔力の気配がする……気配を感じるって事は魔力を感じることのできない瞬間移動みたいな高位の魔法を使ってないって事だ…………だから瞬間移動…ではなさそうだね…』


そう考えた少年は魔力の気配が強い方角を向き、耳を澄ませた。その方角からは(かす)かに声が聞こえた。


『……そっちか!………多分…魔法を使って痕跡を残さないようにしたのだろうな……そんな事しても魔力が残留してるから無駄なのに…』


少年は声が聞こえた方角へ向かっていった、近付くにつれて声もハッキリと聞こえるようになってくる、そんな時、少年の目の前に二足歩行のトカゲ型モンスターが立ち塞がった。


「もう……めんどくさいなぁ……」


[リザード]


危険度C

トカゲ型のモンスターで、武器を扱う。ジメジメとした場所を好み、陸上でも水中でも行動できる。鱗はとても硬く、一般の騎士の斬撃や突きならば傷一つ付かない。


リザードは持っていたボロボロの剣を少年に振り下ろした、そして月明かりの下、血が噴水のように噴き出した。


「……はぁ…まったく……」


少年のナイフは的確にリザードの心臓を突き刺さしていた、リザードの剣は少年に掠ってすらいなかった。


「魔族に聞こえないように静かに倒したけど、聞こえてないかな」


少年はべったりと付着したリザードの返り血を軽く払って、魔族の声のする方へと進んでいった。


「魔王ちゃん…実験の事……幹部ちゃんに聞かせてもらうよ……!」















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