Long time no see
「……お前ら…いたのか…」
「お前もここに出たのかよ!!」
「…ああ……ミユキの特定した場所に木や葉で隠されたトンネルがあってな…そこを進んだら…ここに出たわけだ…」
なるほど、それじゃあ3人の王は全員ここにいるわけだな。
「だが…数が多すぎる……一度…戻った方が良さそうだな…」
「ああ…それに地下で下手に暴れたら…上の地面が陥没して生き埋めになる可能性もある……この地下都市で戦う作戦も考える必要がある…」
俺達は一旦、吸血鬼にバレないようにして戻る事にした。
……
「…さて……どうするか…」
俺達は、あの地下都市をどう攻めるか考えていた。
「……あの地下都市を探査して把握しておく必要があるな…」
「…確かに……そうだな」
その時だった、本部へアラームが鳴り始めた。
「何だ!?」
「襲撃だ…ッ!!」
俺達は急いで外へ出た、すると、外には赤目でツノの生えた青年が立っていた。
「………小鳥遊…!?」
「…小鳥遊…って……ギルドの…!?」
小鳥遊って確か、テオロンにあるギルドのリーダーだった男だよな。
「あの姿は…悪魔…」
「…クソ……色々と聞きたいが…一度倒さないと駄目っぽいな…」
呻き声を上げている小鳥遊を見て、ミノルがレジアルを構える。
「……小鳥遊…確か知り合い…だったな…」
「ああ…」
「…知り合いだからといって……気を抜くなよ…」
「その心配は無い…アイツは一度…子供を殺そうとしたクソ野郎だからな……」
「それならいい…」
そして、ミノルと第1位達は小鳥遊へと向かっていった。
「だが殺すなよ!!…コイツには聞きたいことが山ほどある…ッ!!」
「…ああ!!」
「コイツは俺と第1位が倒す!…お前らは本部がぶっ壊れねぇように守っていてくれ!」
そんな中、俺達ヤタガラスは小鳥遊よりも、視線のする方を見ていた。
「……父さん…気付いたよね…」
「…ああ……小鳥遊はアイツらに任せよう……俺達は視線の正体を確かめに行くぞ」
俺達ヤタガラスはミノル達が戦っている中、人々を避けて視線の正体を確かめに向かった。
「…足引っ張らねぇようにしないと……」
「……………」
そんな時、俺は走りながら、焦りの表情を浮かべる樹一郎へ言った。
「あれ?…何で樹一郎来てんの?」
「いや…ヤタガラスの一員だから…」
「え?…いつそんな事言ったっけ?」
そう言うと、樹一郎は困惑の表情を浮かべている。
「いや…ヤタガラスの戦い方見せるって言った時に…ヤタガラスの為に戦ってくれって言っただろ」
“決定だな!!…早速ブチ殺しに行くぜ!!…樹一郎!お前も来い!”
“え…?”
“お前…自分以外の人の為に戦う事にしたんだろ?……だったらよぉ……俺達の為に戦ってくれって事だ!”
“ッ!…ああ!”
「…つまり認めたって事じゃねぇのか?」
「俺達の為に戦ってくれって言っただけで…『お前もヤタガラスだ』とは一言も言ってないだろ…というか…それ言ったの宇川だし…」
「……確かに…」
「おいおい!…嘘だよ!…冗談だ!!……お前がヤタガラスだってのは…みんな認めてるよ」
「なんだよ…」
俺は、呆れた表情を浮かべる樹一郎へ言った。
「…気が楽になったか?……そんな感じでゆる〜く戦えばいいんだよ…!」
「……俺の気を楽にさせる為に冗談を言ったってわけか…?」
「まぁな!……樹一郎…足を引っ張らないようにしないといけないとか…そんな考えはするな……」
走りながら、俺は樹一郎へ叫んだ。
「考えるな!…感じろ!!」
「……それ言いたかっただけだよね…」
「ん!?…なんだねミユキ君!!」
そうして、そうこうしているうちに視線の感じたビルへ辿り着いた。
「…逃げられる前に上へ行かないとな」
「ここから登れるよ!」
俺達はビルのパイプや、梯子を使って屋上へと登った。屋上には、見覚えのある奴が立っていた。
「……エレベーターで登ってくればいいのに…僕は別に逃げないからさ…」
「じゃあエレベーター使えば良かった…」
「…まぁ…ともかく……久々だね…ナオト…」
「ああ…そうだな……カイト…!」
するとカイトは振り返った、まさかここで会う事になるとはな。
「……あれ?…君達どうして力を抑えてるの?……あっ!…そうか!……君達が本来の力を解放したら…勢い余って世界を壊してしまうからか!」
「そうだよ!」
「…カイト……お前はワーガナとエラトマ兄弟達に封印を解いてもらったと聞いているが………そいつらは囮で…黒幕がいる事が分かった」
「うん」
「……お前を封印から解いた…黒幕の目的は何だ…?」
カイトは空を見ながら、俺達へ話した。
「うーん…それは……今言ったらつまらないと思うから言わない!」
「言えよ!」
「その代わり…僕の目的を話すよ」
するとカイトは、俺達をジッと見て言った。
「君達ヤタガラスを倒す事さ…ッ!!」
「倒すんならよぉ!…全力の俺達を倒そうとしろや!!…ビビってんのかコラァ!!」
「うん!!…めちゃくちゃビビってる!!」
「クッソはっきり言うじゃねぇか!!」




