表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
373/457

ミユキの過去




「…クソ……ミユキ…大丈夫か?」

「ぁぁ…ぁ…」

「ミユキ!…俺を見ろ…!」


ナオトは膝をつき、ミユキの肩を揺らしながらジッと目を見て言った。


「…父さん……」

「しっかりしろ…ミユキ…」

「……怖い…怖いよぉ………」


そう呟きながら涙を流すミユキを、ナオトはそっと優しく抱きしめた。


「大丈夫だ…お前を怖がらせるアイツはもういない……」



……



「…という事があった………ミユキ…落ち着いたか…?」

「………………うん」


俺達ヤタガラスは、さっきまでの事を会議室でみんなへ話した。


「……やはりその…アスモとやらだったな…」

「ああ…」

「それで…そのアスモという男は何者なんだ?……人間…だよな…?」

「かなりの歴史を持つ…暗殺者の一族……その一族の今の長だ……」


アスモは最高の腕を持つ暗殺者だ、とある事があり俺が半殺しにした所、姿を消していたのだが、まさかここで出てくるとはな。


「…暗殺者……」

「ミユキとは…どういう関係なんだ…?」

「まぁ……血縁関係で言えば…ミユキの本当の父親だ……」

「なるほど…」


まさか、アスモと出会うことになるとはな。


「もしかしたら…カイトと手を組んでいるのかもな……そうじゃなかったとしても…俺達の敵の可能性は高い…」

「……厄介な敵が一人増えたわけだ……」

「…アスモがカイトと手を組んでいても…対応できるような作戦を考えないとな…」


そんな時、梅岡がミユキへと尋ねた。


「…………あの〜…ミユキさん…」

「…ん?」

「正直…聞かない方がいいかなと思ったけど……その首を縫ってある糸も……アスモと関係があるのか…?」


するとミユキは、少しの沈黙の後に言った。


「…関係はあるね」

「えっ……」

「実は僕の過去に関係してるんだけど…聞きたい人いる?」


ミユキが尋ねると、会議室のほぼ全員が興味ありげに手を挙げた。


「多いね……」

「まぁな……やっぱり気になるし…」

「…じゃあ話そうか……」


そして、ミユキは過去についてを俺達へ話し始めた。


「……僕が父さん…ナオトと出会うもっと前の過去の話……」



……



「うわぁ!…美味しそう!」

「…すまねぇな……こんな貧相なもんしか食わせられねぇで…」

「いやいや!…僕にとってはご馳走だよ!」


とある街の路地裏にあるとある店、その奥の部屋に物心ついた時からその店にいる少年がいた。少年は、名も知らないお兄さんと、仲良く暮らしていた。


「……絶対に部屋から出るなよ…」

「分かってるよ!」


その少年は、店の奥にある部屋から出る事を、許されなかった。しかし、いつも決まった時間に戻ってくる、優しいお兄さんがいたので寂しくはなかった。


「…ん?」


少年が5歳になり、いつものように部屋で遊んでいると、外から声が聞こえてきた。


「……金は必ず用意します…だから…!」

「無理だと言っているだろう?……もう買い手がついたんだ」


そしてその次の日、部屋へ知らない人達が四人、入ってきた。


「…だ……誰…ッ?」

「……連れていけ」


知らない人達は、少年を無理やり部屋から出すと、手錠などで拘束し始めた。


「な…なに!?」

「なにボサッとしてんだ!…さっさとしろ!」

「助け…助けて!…お兄さん!」


少年が「お兄さん」と何度も叫んでも、お兄さんの反応は無く、それどころか姿も見えなかった。そして、少年は大きな箱の中へと入れられた。


「……どうして…お兄さん……僕のこと…嫌いになったの…?」


暗い箱の中へ入れられて数時間後、箱が開かれて光が見えた。


「…う…ッ……」

「これは……想像以上に良いではないか…!」

「こ…こは…」


そこには、知らないおじさんがいた。


「ここどこ!?…僕……自分の部屋にいて…それで…」

「あぁ…生まれた時からあそこにいた君は知らないのか…」


するとおじさんは、僕を見ながら言った。


「君がいたあの場所はね……君みたいに小さな子供を…私のようなおじさんが買う場所なんだ…!」

「………え?」


僕の生まれ育ったあの場所は、人身売買組織が捨てられた赤子や、さらってきた赤子を育て、売買する店だったのだ。そんな現実を、僕は叩きつけられた。


「…そん……な……」

「さて…それじゃあ早速…使ってみようか……君は50万ドルの価値があるかな…?」


5歳の僕でも、これから何が起こるのかは予想できた。


「嫌だ!…嫌だ嫌だ嫌だ!!」

「こら!…大人しくしなさい!」


それから、おじさんは本能のままに僕へ、歪んだ愛を押し付けた、それから1年後。


「……ふふ…今日はどうしてあげようか……かぅ…ッ!?」

「………?」

「ほぅ…()()は大丈夫そうだな……」


おじさんを倒して、マスクをした男の人が僕の方へ歩いてきた。


「狂った様子も無い……良い精神力だな…だが……何より良いのは…ゴッデスヒューマンだという事か…」

「……だ…れ…?」

「私はアスモ…私と一緒に来い」



















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ