対戦終了
「……よし…ミユキは俺が倒す…十郎…お前は梅岡を…」
「…了解」
そして、俺はミユキと梅岡がいるであろう方角へ銃を構えながら、後ろの十郎を守り進んだ。
「スモークとフラッシュだ!!」
「…梅岡さんのガジェットは…スモークグレネードとフラッシュバン…」
ガジェットは、リスポーンすれば再度使えるようになる。投げナイフは三回、カオスは2回、それ以外は一回しか使えない。という事で、梅岡のガジェットはスモークとフラッシュだと断定したわけだ。
「予想通り!」
俺はアサルトライフルで、フラッシュバンと、スモークグレネードを撃ち抜いた。二つは空中で爆発したので、俺達は食らわなかった。
「…そこですね!」
「ナイスだ十郎!!」
「かかった…!」
十郎が魔法陣を発動し、ミユキと梅岡のダメージ音と足音が聞こえた。その音を聞くと、どうやら梅岡とミユキを離す事ができたようだ。
「二つのダメージ音が離れた…よし…二人を引き離せたぞ!」
「しかし…梅岡さんは恐らく透明になっています…遠くにいたら足音も聞こえないので分かりませんよ…」
「へッ…見とけ十郎!」
俺は上の方の空間を撃ち抜いた、すると梅岡が姿を現して倒れた。
「へへ…やったぜ…」
「は!?…嘘だろ!?」
「俺はこの【コールオブザデーモン】シリーズを…初期からずっとやり込んできたんだ……透明化なんて通用しねぇよ…!」
すると十郎が、俺に尋ねてきた。
「…一体……どうやって…」
「プレイヤーが通った場所には小さな砂埃が発生する…リアルに見せる演出だな……それを見て…俺はあそこに梅岡がいると確信したんだ…!」
「……なるほど…しかし……あの距離の砂埃に気付くなんて…そんな技術持ってるの…プロゲーマーにもいませんよ…」
「全くだぜ…バケモノだ………」
そしてリロードして、十郎と物陰に隠れた。
「へへ……よし…最後はミユキだ!……二人で倒すぞ!!」
「それは…ちょっとできないかなぁ…!」
「…ッ!!」
俺が物音を聞いて振り返ると、ミユキがハサミで十郎を斬っていた。
「……すみません…ナオトさん……やられました……」
「…全く気付かなかったぜ……お前…腕を上げたな…!」
そうして俺とミユキの、一騎討ちとなった。俺は全速力で、一旦離れた。
「うぉらぁ!!」
そして俺はソルジャーのスキルを発動して、ミユキへ弾丸の嵐を食らわせた、ミユキは弾丸をガードしている。
「俺のスキルの方が発動時間が1秒長い!……そのハサミの時間が無くなれば終わりだぜ?」
「そうだね」
その瞬間、物陰に隠れたかと思えばナイフが飛んできた。俺は避けたが、それを予想していたかのようにして俺の避けた方へナイフが飛んできた。
「クッソ!!」
「フフ…」
そのナイフも、俺は間一髪避けたが、既に背後へハサミを持ったミユキが、回り込んでいた。
「既に…背後へ来てるよ?」
「……ここまで…か……俺も…」
「うふふ…初めてだ……ゲームの中とはいえ…父さんを殺せるのはッ!!」
「…なぁんて……なッ!」
俺は前方へローリングして、ミユキのハサミを避けた。
「あれ……何でそんな速く…あ…」
「…この場所には……十郎の発動したスキルがまだ残っている……十郎のキャラのスキルは?」
「……持続ダメージを与えて…敵の移動速度を下げる…ッ!」
「そう…移動速度が遅ければ攻撃も遅くなる……そして俺にはその効果が無い…だからお前より速く動ける俺は避けられた…」
そして物陰に隠れた、ミユキも俺もスキルの効果が切れた。
「…スキル発動ゾーンに…誘導してたわけね……父さんの攻撃が激しくて気付かなかった…」
「……これでお互いに対等だな…!」
お互い、物陰でタイミングを見計らっている。その状態が数秒続き、先に動いたのは。
「…ッ!!」
先に動いたのは俺だった、俺はミユキの隠れている場所へ走っていった。そこには、誰もいなかった。
「後ろだよん!」
そして、背後から物音が聞こえてきた。
「と見せかけて…右ッ!」
「左にいるのは知ってる」
俺は左側にいるミユキを、マシンガンで撃ち抜いた。
「あれ?」
「…お前の考えてる事なんて……裏の裏までお見通しや…!」
「……あー…また負けちゃったぁ………父さんの先読みヤバすぎ……」
「まぁ…実際の戦いじゃあ先読みできないんだけどな」
俺はミユキとの勝負に勝った、やったぜ。
「4人とも凄かったけど…やっぱりナオトさんのプレイは飛び抜けてるな…」
「いや〜…でも……楽しかったね…!」
「ああ…あのナオトさんと戦えて光栄だ」
「僕も…あのナオトさんと組めて光栄でした」
そうして、【コールオブザデーモン】の戦いは、幕を下ろした。
「だけど…何でいきなりゲームしようなんて言ってきたの…?」
「…まぁ…暇つぶしだ……戦い続きで疲れたからな…」
「あ〜…」




