コールオブザデーモン
「……またフードの男か…」
「何者なんだろうな…」
「まぁ…SdSの敵…カイト側である事は間違いないでしょ…!」
「…だな……」
そして会合が終わり、俺達は人間の王達と握手をした。
「またお会いましょう……」
「それじゃあね!…ストレンジャー諸君!……今度は喧嘩しようね!!」
「ああ!!…細切れにしてやる!!」
「はは!…楽しみにしてるよ…!」
そうして、俺達はPhoeniXに乗り込み、捜索をしているストレンジャー達の元へ帰っていった。
「カイト討伐メンバーよりも…ストレンジャーの方がいいな…」
「だな!」
「ところで宇川……ミユキの話…」
「ああ…気付かねぇ程…馬鹿じゃねぇよ…!」
俺と宇川が、フードの男について話していると、七海と乖理が尋ねてきた。
「ああ…多分な…」
「……誰なんだ…フードの男は…」
「………恐らく…」
……
「癖のある王だな…」
俺と宇川は、今までの事をストレンジャー達へと話した。
「そっちはどうだ?…黒の王達の居場所を見つける事ができたのか?」
「……どうだと思う?」
「見つける事ができなかった!!」
すると川畑が衛星写真を取り出し、赤い丸印をしている部分を指差した。
「見つけたぞ」
「スゴ…」
「川畑さんと…新メンバーの方々が1時間程で特定しました」
「…とりあえず……居場所は特定できた…あとは…どうやって黒の王達を捕獲するかだ……まぁ…それについて考えるのは明日にしよう…みんな…疲れてると思うしな…」
そして、ひとまず俺達は解散になった。解散した後に、川畑は俺と宇川の方へ歩いてきた。
「フードの男の正体…その推測……本当だとすれば…厄介だな…」
「ああ…だけどまだ…決まった訳ではない」
少し話した後に、大部屋にいるミユキへ俺は言った。
「ミユキ!…俺とゲームしないか?」
「…ゲーム?」
「ああ……久々に…【コールオブザデーモン】で対戦しようぜ!!」
「うん!…いいよ!」
俺はスマホを、大部屋にあるテレビへ繋げた。
「それにしても…この世界にも…【コールオブザデーモン】があるって聞いて…驚いたぜ…」
「まぁ…悪魔と天使と業人がいるだけで…その他は僕達の世界とあまり変わらないからね…!」
それを見ていたみんなは、テレビの前に集まってきた。
「ミユキさんとナオトさんの対決か!!」
「見てみたいですね…」
「…十郎と梅岡……いま思い出したが…お前らはe-Sportsの大会で優勝してたな……」
俺は、十郎と梅岡へ手招きして言った。
「2対2にしようぜ!…チームは…俺と十郎……ミユキと梅岡でいいだろ!」
「いいねぇ…!」
「マ…マジかよ…」
そしてスマホを持ち、梅岡はミユキの隣へ、十郎は俺の隣へ座った。
「…死なないようにしよう……ミユキさんの足引っ張ったら殺されるかもしれないからな…」
「僕はそんな事しないよ…!」
「よろしくな…十郎!」
「はい!」
【コールオブザデーモン】を起動し、対戦画面へ移動すると、俺達は準備を始めた。
「テレビ画面には俺達全員の画面が表示されている!……見たら反則負けだぜ!」
「分かってるよ…!」
「あと…デスマッチな!」
デスマッチとは、一度やられると二度と復活できないモードだ。そして準備が終わり、俺達は準備完了の文字をタップした。
「楽しませてくれよ…ミユキ…!」
「もちのろん!」
「梅岡さん…手は抜きませんよ…?」
「……ああ…!……分かってるよ…!」
そして、ゲームがスタートした。
……
「…父さんは……やっぱりソルジャーか…!」
「ああ…俺は不利な相手だろうとソルジャーを選ぶ…ッ!」
俺はミユキの攻撃を避けながら、十郎へ指示を出していた。ミユキと梅岡も、何か作戦を考えているようだ。
プレイヤーは、最初にキャラクターを選ぶ。キャラクターは、それぞれスキルという固有の技を持っており、そのスキルと武器を使って戦っていく。
ソルジャー
9秒間、仲間と自分の攻撃力を上昇させ、弾数が無限になり、リロード不要になる。
キャット
8秒間、銃弾の防御と即死攻撃が可能なハサミを扱える。
シャーマン
20秒間、広範囲に敵の移動速度を下げて、持続ダメージを与える魔法陣を展開する。
スネーク
10秒間、透明になり、スキル以外の攻撃を無効化する。
「よし…十郎…いくぞ!」
「はい!」
タイミングを合わせて、俺と十郎は左右から回り込み、二人の所へ走っていった。
「おっと…ミユキさん!」
「分かってる…よッ!」
俺と十郎がkillを取ろうとしたその瞬間、スモークグレネードで視界が真っ白になった。
「…チッ……スモークか…十郎!」
「応急処置システムですよね!」
応急処置システム、それはスモークグレネードやフラッシュバンによる視界の変化を一瞬で治すガジェットだ。
「うおっと!!」
「ナオトさん!」
俺の横へ投げナイフが飛んできた、俺はミユキのキャラクターがナイフを投げる素振りをするのを見ていたので、躱す事ができたが、正直危なかった。投げナイフは、即死なんだ。
「父さんだけだろうね…僕のナイフを避けられるのは…」
「…危ねぇ……」




