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王達と対話




「王様にそんな口を利くなんて……異界の人間は無礼だなぁ…」

「ああ!?…何だテメーッ!」


声のする方には、神話に出てくる神様のような格好の青年が立っていた。


「王の一人である…アブサル様だ……」

「あのヒョロガリ野郎が?」

「…お前……王の事をそんな風に言ってたら護衛に殺されるぞ…」


それを聞いた宇川は、アブサルの方へ歩いていくと、ニヤニヤしながら言った。


「おいガリ野郎!…あんま舐めた口利いてっと…グッ!……ってシメちまうぞ?」

「威圧感が凄いね…まるで獣だ…」

「おい貴様…」


ガタイの良いゴツい護衛が、宇川を睨みつけていた。それを見て、宇川が嬉しそうに構える。


「おっしゃ!…喧嘩すっか!!」

「貴様…」

「待て」


アブサルが護衛を止めて、宇川へ言った。


「…宇川か……光士郎君から聞いてた通り…とても好戦的だね……喧嘩好きなの?」

「ああ!…三度の飯よりも喧嘩だ!!」

「奇遇だね……実は私も…」

「…アブサル様……ここでは…」

「ちょいと…お二方……今日は争いに来たわけではなかろう…?」


宇川とアブサルの間へ、老人が割り込んできた。見たところ、軽く100歳は超えてるな。


「何だジイさん!」

「とりあえず今は…矛を納めてくれますかな…?」

「まぁ…ジイさんの頼みなら仕方ねぇな!」


爺さんに言われて、アブサルと宇川が離れると、爺さんが続けて俺達へ言った。


「皆様…異界の人々と詰まる話もあるでしょう……一旦中へ移動しませんか?」

「おっ!…そうだな!」

「それもそうだね!」

「では…こちらへ」


俺達は爺さんと共に、神殿の中へと入っていった。


「中もスゲーッ!!」

「…金かかってんな……」

「とても神々しいね!」


そして一室へ案内された、そこには大きな机があり、とても神秘的な空気に包まれていた。


「ここで会合すんのか?」

「はい…ですが……まずは貴方方…異界の人々と話そうと思っておりまして」

「よっしゃ!…話すぜ!」


俺達は、王達と向かい合うように座った。


「なんか面接みたいだな」

「…それで?…何を話すの?」

「……貴方方の名は光士郎君から聞いていますが…貴方方は此方の事をご存知ないであろうと思うので…まずは自己紹介を…」


爺さんがそう言って、一番右にいる男を見た。すると、一番右にいるスーツの男から順に、俺達へ自己紹介をした。


「俺の名前はアルカン=バラック…影王と呼ばれている…」

「…そういえば…苗字は名乗っていなかったな……改めて……我の名は(みなもと) 光士郎…人々からは光王と呼ばれておる…」

「儂は…坂田 彭仙(ほうせん)…抵王と呼ばれています……この中では最年長の老いぼれです」

「………僕の名前はレクター=スローンズ…叡王と呼ばれています…」

「そして私は壊王と呼ばれるアブサル=クレス…よろしくね…!」


アルカンの雰囲気は、エリートサラリーマンのような感じだ。光士郎は相変わらず、ミユキにソックリ。サカタさんは絵に描いたような仙人で、とても優しそう。レクターは、とても知的な感じの青年だ。アブサルは、何か宇川と同じようなにおいがする。


「それでは…とりあえず何か質問は…」

「王って何だ?…世界の王としか聞いてないが……詳しく教えてくれないか?」

「…はい」


サカタさんが説明するに、王とはSdSの創設メンバーの子孫で、原理や何故使えるのかはよく分かってないらしいが、異能を持っているという。それにより、政治や国がらみの事には関わらないものの、一国の大統領や、首相のような凄い権力を持つという。主にSdSや国の防衛、抵士官への指揮などをしているらしい。


「……異能?」

「ああ…例えば……」


アブサルが手を挙げると、何も無い空間から数本の光の剣が現れた。


「私は…武器を召喚できる……最大…1000個くらいか…」

「…スゲ……アニメかよ…」

「アルカンさんは影の中を自由に動き回れて…レクター君は悪魔や天使の情報を読み取る事ができて…光士郎君は重さや大きさ関係なく…広範囲の物体を動かせる……サカタさんは…」

「儂は王と呼ばれているが…異能を持っておらん……敢えて言うならば…幸運かの…」


サカタさんのその言葉に、宇川は興味津々だ。


「え!?…幸運!?」

「はい…お恥ずかしながら…」

「ちなみに…サカタさんはこの王達の中で唯一存命している創設メンバーなんだよ!」

「…え?」


俺達は思わず耳を疑った…創設メンバーって言うが…SdSが創設されたのって……


「え?…SdSが創設されたのって……」

「SdSって組織が創設されたのは……今から270年以上前だね」

「……じゃあ…サカタさんの年齢って…」

「…284歳です」


それを聞いて、俺達は少し驚いた。


「…まさか280歳越えの人間がいるとはな!」

「神と交わりを持つ貴方方からすれば…若い方ですでしょう…?」

「まぁ!……平均年齢が1000万の神にとっては赤子だが……人間で280は凄いぜ!…トシ爺とかタケ爺でも120歳くらいだったよな!?」

「ああ……人間で280歳以上は凄い長寿だぜ…」


すると、宇川がサカタさんへ尋ねた。


「創設メンバーなら…創設の時の事を知ってるよな!?」

「…はい」

「教えてくれよ!…SdSを創設した時の話をよぉ!!」

「……いいでしょう…少し長話になりますが…」















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