The Crazy Rock
「よぉ久しぶりZ-規制…お前が相手なら俺は死に物狂い…コイツのピリオドここでプスリ…前みたいには取らせねぇぜ勝利…正直お前は強い…だけど勝つぜ!…Zここで解体…しとけよ敗退…つまり今日は弔い…お前の葬式…ッ!」
「勝利?…葬式?…そんなライムなら俺の竹ボウキで大掃除…お前じゃ俺に勝つなんて無理…なのに本気で言ってるお前はマジで妄想癖…俺にピリオドプスリ?…ならそのピリオドポッキリ…折ってやるぜ…つまり俺に終わりはねぇ…勝利もお前なんかには渡さねぇ…!」
「相変わらず自分のスキルを…過信しすぎだぜZ-規制…だからお前のラップはいつまでも二流…まるで井の中の蛙…そんな風に俺を甘く見てっと…足元すくわれ即死亡…焚いてやるよすぐにお線香…お前を切り裂く伝家の宝刀…!」
「炊く線香…伝家の宝刀…俺はお前にライムで対抗…そして口頭でアンサー返して応答…抵抗するぜ…俺は過信してなんかねぇ…そんな事も分からんお前には押せねぇ太鼓判…スキルは俺の下位互換…狂わせてやる大混乱…!」
「大混乱しねぇで俺はお前を撃破…はい論破していくぜ…お前に送る菊の花…俺が相手でお前の優勝も水の泡…になっちまうぜZ-規制…お前と同様俺の道もエンドレス…俺とお前は陰と陽…まぁ…お前が陰で俺がみんな照らす陽だけど…!」
「確かにそうだなお前が陽…俺は童貞陰キャ…だけども韻…ライムを踏む韻キャでもあるんだぜ…昔は積んでた韻の経験値…今ではなったぜ音の戦闘員…そんな俺の鋼鉄のライムが貧弱なT-JACKを打ち砕く…!」
「どこが鋼鉄?…どこが戦闘員?…俺はそんなつまらんリリックには興味が無い…もっと死ぬ気でラップやれ…もっと燃えて熱くなれ…バトルは熱が大事…そんな冷めたラップじゃすぐに廃棄されちまうぞ…なぁ…もっと…熱くなろうぜZ-規制…!」
「燃えて燃えて燃えカスになってんじゃねぇか?…つまりはオーバーヒート…俺が巻き起こすバイオハザード…燃え尽きたお前に送るバッドエンド…熱くなる前にラップのスキルを磨きなT-JACK…そのままじゃ評価は△…会場の熱気はさながら大乱闘…!……俺は無敵のタイラント…」
「終了…ッ!……………それでは聞きます…先攻……T-JACKが良かった人!!」
「「ワァァァ!!」」
「……後攻…Z-規制が良かった人!!」
「「「ワァァァァアッ!!」」」
「………………第47回GMF…Grand MC Fight…優勝は……Z-規制ッ!!」
「「ワァァァ!!」」
……
「あ!…バトル終わったみたいだよ!」
「………分かってはいたが……Z-規制…強いな…」
「…勝者は……Z-規制…!」
ラップバトルは、Z-規制の勝利だった。ラップバトルで、アイツに勝てる奴はいないだろうな。
「良かった…」
Z-規制が、俺達のいる舞台裏に戻ってきた。
「…次に……どちらがより良い演奏をするかの勝負を始める…」
「おっ!…キたな!!」
ラクアが興奮しながら、マイクをZ-規制から受け取った。
「……いつも通り演奏ろうぜお前ら!」
「ああ…」
「言われなくても分かってる」
そして舞台へ、演奏の準備をしに行った。
「応援団として来たからな!…演奏の一つくらいしねぇと…!」
「……フン…だな…」
「つーことで!…これから演奏する曲は…応援歌として聞いてくれよ!」
「ああ…!」
その数分後に『The Crazy Rock』の準備と、Aのチームの準備が終わった。Aのチームはシャルロッテ、未来、デスタル、そして小柄な少年で構成されている。
「…レイ……」
「……名前か?」
「うん…僕の名前…」
「俺はラクア!…ギター持ってる奴がタイキで…ドラムがアンドウだ!」
「そうなんだ…よろしくね…」
そして演奏が始まった、まずはAのチームからだが、Aのチームはめちゃくちゃ凄かった。プロ顔負けだ。
「おいおい…!………Aのところの奴はスゲェな!」
「あのレイって子…歌唱力が凄いね……仮面してるのに…」
Aのチームの演奏が終わり、『The Crazy Rock』の番となった。
「おっ!…次はラクア達だ!」
「…さて………どんな感じか…」
『The Crazy Rock』が始まった瞬間、会場は静まり返った。
「……う…うぉおおお!!」
「…はは!…アイツら…!」
Aのチームは『The Crazy Rock』の演奏を聴いて、負けを悟ったかのように笑っていた。
「……ヤベェ…やっぱアイツらヤベェよ!」
「…うぉぉ!!」
演奏が終わる頃には、勝敗を付けなくとも良いくらいにまで、客が沸いていた。
「……どっちが良かったかは…フン……聞かなくても良さそうだな…………勝者は…『The Crazy Rock』……お前らの勝ちだ…」
「よっしゃあ!!…やったな!!」
「…ああ!」
「……フン…」




