表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
337/457

本当の実力




するとサラックは、部屋から出ようとするミユキへ言った。


「ジジイ共に…カイト討伐の為…この世界に来たお前らの事を聞いた……その時に思ったんだ…ミユキ…お前は()()()()の人間ではない」

「…どういう意味かな?」

「お前は…俺達と同じ匂いがする……俺達と同じ…悪魔の匂いがな…」


そして前のめりになりながら、続けて言った。


「お前はヤタガラスにいてはならない…お前はこっち側にいてこそ輝く…!」

「…スカウトは嬉しいけどね……だけど生憎…君達の仲間になりたいとは思わないんだ…」

「……ナオトとかいう奴に育てられたからか?…お前は腐り始めている……」


サラックは、天井を見ながらミユキへ言った。ナオトという言葉を聞いて、ミユキはサラックの方へ向いた。


「ナオト…戦ってみて思ったが……アイツには殺し合いで重要な…残虐性が無い……要するに甘ちゃんってわけだ!」

「……………」

「だが…この世界でアイツは…その心の隙を突かれて死ぬぜ…絶対にな…!…………全く…そんなゴミカスを慕うお前の気が知れねぇぜ……」


するとミユキは、サラックに詰め寄り、無機質な声で囁いた。


「………僕を悪く言うのはいいよ…………だけど……父さんの事を悪く言うのは許さないよ…絶対に……」


少しの沈黙の後に、サラックは笑いながら言った。


「冗談だよ!…俺はナオトをマジでリスペクトしてるからさ!…………………怒った?」

「怒ってないよ!」


ミユキも笑顔で答えた、そして扉へ向かうミユキは、椅子を蹴った。それを見たサラックは、少し落ち着いた様子で言った。


「……マジで冗談だよ…お前がどれだけナオトを慕っているか…確かめる為に少しからかっただけだ…」

「…そう……ならいいけど…気を付けた方がいいよ………僕…父さんの事を悪く言われたら自分でも何するか分からないからさ……冗談でも…次また悪く言われたら……君の事を殺しちゃうかも」

「……………肝に銘じておくよ」


そして、ミユキは部屋から退出した。



……



「……怒るなよミユキ…」

「だって!…父さんの事を!」


俺はミユキを宥めて、七海の方を見た。


「…計画…か……他の【黒の王達(ヴァンゲスト)】から…情報を聞き出すしかないな……」

「次は…【黒の王達(ヴァンゲスト)】の奴等をぶちのめしに行くのか?」

「………ああ……今のところ…カイトの手がかりを持つ者と考えられるのは…【黒の王達(ヴァンゲスト)】だけだからな…」


そう言うと七海は俯いた、何かを考えているようだ。


「もしかすると【黒の王達(ヴァンゲスト)】以外の悪魔や天使も…計画とやらに関わっているかもしれない…」

「そうなれば俺達はとてつもない数を相手にする事となる」

「だが…業人から本土を防衛したり…悪魔や天使から人々を守らなけらばならないから…あまり多くの抵士官を捕獲に連れて行くわけにはいかない…」


総特抵士官達は、頭を悩ませていた。


「要するに…人手が足りないんだね」

「ああ…」


確かに、【黒の王達(ヴァンゲスト)】の捜索と、捕獲を行ってる間も業人を本土に上陸させないようにして、悪魔や天使から人々を守らなければならない。そうなってくると、捜索したり捕獲したりする為の抵士官は少なくなる。


「少なくとも…現時点で動ける抵士官は全体の4割ほどだろう…他は業人からの防衛や…人々を守らなければならないからな…」

「……いくら俺達でも…()()()()()を解除しない限り…その数はキツいぞ」

「だけど…()()を解除しちゃうと…」

「この世界が『ボンッ!』だな!!」


すると梅岡が、俺に尋ねてきた。


「リミッターってなんスカ?」

「今の俺達は力を抑制…制御している……つまり本当の実力を出せないって事だ……」

「…この世界だと……解除できるのは最大でも6割程度だな…」

「え……そんなに強いのに…実際は6割程度の実力しか出してないんスカ…」


梅岡や、他のみんなは驚いている。まぁ、そうだろうな。


「…何でなんスカ…?……何で力を最大まで引き出せないんスカ…?」

「そりゃあ……俺達がリミッターを解除したら…世界が終わっちまうだろ…?」


宇川のその言葉を聞いて、みんなはゾッとしていた。何故なら宇川や川畑、ミユキから滲み出るプレッシャーが、ヤタガラスはヤベェと物語っていたからだ。いつも一緒にいる俺や樹一郎すらも、鳥肌が立ったぜ。


『まぁ…ヤタガラスはこのくらいの風格がないと困るがな…!』


すると、後ろから声が聞こえた。


「……あまり…人を怖がらせるな…」

「お!…ブラック!!……久しぶりだな!」

「一週間ほど会ってなかったよね…!」

「…忙しかったんだ」


ブラックは、俺達の間を割って入ると言った。


「…あー……この世界へ…新たなカイト討伐メンバーを送り込む事になった」

「……え?」






















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ