表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
313/457

バラバラになる烏




「な…なに…ッ…!?」

「おいおいおい!?」

「あ…あぁあああぁぁぁああああぁああ!!」


ミユキはその場で泣き崩れた、部屋にはナオトの屍があったからだ。


「馬鹿な!?」

「どうなってんだよ!?」

「うぅ…嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ」

「宇川!…ミユキを頼む!」

「ああ!…クソ……」


宇川はミユキを引きずって、ロビーへ戻った。樹一郎と川畑は、ナオトの死体を確認していた。


「……首が折れてるな…即死だ……」

「…クソ……作戦失敗だ…」

「いや…まだだ…」


川畑と樹一郎は、ロビーに戻った。ロビーでは宇川と、何かを呟くミユキがいた。


「……ミユキ…また()()()に戻っちまった…」

「…無理もない……自分の全て…だったナオトが……死んだのだからな…」

「…………」


少しの沈黙の後、川畑はそれを破ってヤタガラスメンバーへ言った。


「…ナオトは死亡したが…『悪魔を探して全員でゴリ押す作戦』は変更せず…このまま続ける!…ナオトもそれを望んでる…」

「……だな…」


その時、ミユキが顔を上げて川畑を睨んだ。


「………ミユキ…?」

「作戦を続ける…?……それよりも先に…父さんを蘇生しないとダメでしょ…?」

「……ミユキ…ナオトは……」

「死んだ…とでも言うつもり…?」

「…………………」


するとミユキは、川畑へ掴みかかった。


「死んでねぇ!…父さんは…父さんは死んでねぇよ!!」

「現実を見ろミユキ!…本当は……分かってるのだろう…?」

「……死んでない…父さんは……」


そう言い残し、ミユキは半狂乱的になり、館の奥へと消えていった。


「………ミユキは俺に任せろ…お前らは悪魔を探せ…」

「…分かった」


宇川はミユキの元へ、川畑達は悪魔を探しに行った。


「…【狂う悪夢(ネン)】……必ず見つけ出して殺してやる…」

「……ああ…」


ヤタガラスは二手に分かれ、館の奥へと進んだ。


「…クソ!……何処だよ!!…出てこい!!」

「樹一郎…なるべく平静を保て……相手は悪魔だ…感情を表に出し過ぎると…付け入られて心を壊されるぞ…」

「……分かってる…」


焦りや、怒りが込み上げながらも平静を保つ川畑と、怒りが込み上げる樹一郎は館で悪魔を探していた。


「…ナオトは殴り殺されていた……恐らく…悪魔に不意をつかれたのだろう…」

「……この館の何処かに隠れて…俺達も不意をついて殺す気だな…」

「恐らくな……だからいつ襲われてもいい覚悟を持て…」


その時だった、下の方からそこそこ大きな、物音が響いた。


「…何だ…!?」

「……宇川さんの方からだ!」


宇川の向かった上の階から物音が聞こえたので、川畑と樹一郎は走っていった。


「…宇川!」

「川畑!…樹一郎!」


物音がしたのはロビーの真上にある屋根裏で、床に大きな穴が空き、下のロビーが見えている。


「ミユキ!…そこは危ねぇ!!」

「……………」


ミユキは、穴のすぐそばへ立っている。


「…ミユキ!!」

「うるさいなぁ…」

「そこから離れろ…危ないぞ……ミユキ」


川畑が近寄り、手を差し出した瞬間、ミユキはその手を振るほどいた。


「触るな!!」

「……ミユキ…!」


その時ミユキは、三人に攻撃し始めた。ミユキの攻撃を避けながら、三人はミユキへ言った。


「ミユキ!…やめろ!」

「何で三人も父さんの近くにいたのに…父さんを守れなかったんだよ!!」

「…く…ッ」

「父さんじゃなくて…お前らが死ねばよかったんだ!!…お前らが死んどけば…父さんは…!!」


すると、ミユキは穴の方へ向いた。


「あ……」

「…お…おい!」


ミユキは何かに取り憑かれたように、穴へ向かっていった。


「……父さん…!……そこにいるんだね!」

「ミユキ!!」

「そこには何も…!!」


川畑達が、ミユキを掴もうとした瞬間にミユキは穴へ落ちて、ロビーの石像の槍へ突き刺さった。


「…………嘘…だろ…」

「……クソ!!…マジでどうなってんだよ!?」

「ミユキ…俺達のせいで死んだのか…?……俺達が掴むのが遅かったから…」

「落ち着くんだ!…誰も悪くない!」


そして川畑は怒りを沈め、二人へ言った。


「…俺達だけでも…悪魔を殺して……みんなの元へ帰るんだ…」

「うん…そうだな……だが川畑…」

「ん…?」


その瞬間、宇川が樹一郎を殴り飛ばし、樹一郎は壁に激突した。


「な…に……ッ!?」

「みんなの元へ帰るのは…俺だけだ」

「なにしてるんだ宇川ァ!!」


川畑は、急いで樹一郎の元へ駆け寄った。


「……なるほどな…そういうことか…」

「…ん?」

「樹一郎は…ナオトと全く同じ様に…首を折られて死んでいる……」


そして宇川を睨むと、殺意の混じった声で宇川へ言った。


「お前だったか…!……ナオトを殺したのは!!」

「…ああ……そうだ…!」


そう叫び、指の骨を鳴らすと宇川は、笑みを浮かべて言った。


「……ミユキは自滅したし…樹一郎は今殺した……最後はお前だな…!」

「……何故…俺達を殺す…!?」
















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ