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レジアル研究室




「……魂の削除…つまり……この世界で死んだら二度と生き返る事はできない」

「…なるほど……要するに…バックアップ無しでスマホのデータを削除する感じか…」

「まぁ…そんな感じだ」


するとスマコを見ているホワイトが、七海へ言った。


「…魂の削除……確かに世界サーバーの中に…本来ある筈の魂のデータが無いね……まぁ…カイトの仲間を探しながら…削除の原因も探ってみるよ」

「……助かる」


そして、俺達はユグドラシルのある部屋から出た。


「…何度も蘇る事ができなくなった……だが皮肉な事に…それがあったおかげで…抵士官は命を落とさない為に…慎重に戦うようになり…死者数は大幅に減少した…」


そんな話をしていると、近未来的な設備の研究所らしき場所へ着いた。


「ここは…」

「……俺達の武器…レジアルが造られている研究所だ」

「へぇー…ここで……」

「おや?…見学ですか?」


誠実で真面目そうなサラリーマンのような人が俺達へ尋ねてきた。確か、第一位抵士官で名前は土方(ひじかた) (しゅう)だったな。


「ああ……今はSdSを案内してる所です」

「…そうでしたか」

「……その人達が…七海の言ってた異界の人達か?」


奥から、クマのある白衣を着た大学生くらいの青年が、歩いてきた。


「…貴方は…?」

「……俺は古畑(ふるはた) (ひとや)…レジアルを造っている……よろしくな」

「ああ」


すると獄が、十郎の背負っている大剣と腰の刀を見て、十郎へ言った。


「…その二本の武器……組み合わせて…レジアルみたいに傘型にしようか?…その方が持ち運びが楽だろ」

「それはありがたいですね…ですがこの刀は借り物なので…」


十郎はそう言ってミノルの方を見た、するとミノルが梅岡を見ながら言った。


「別に良いよ…それは俺が梅岡にあげたものだしな」

「…そして俺が十郎へあげたものだから……借り物でも何でもないぜ」

「では……よろしくお願いします」


十郎は自分の太刀と神斬りを、テーブルに置いた。


「……異界で造られた武器か…そして…その刀は神斬りか…」

「神斬り知ってんだ」

「ああ……確か勇兎の武器が神斬りだった……威力はレベルⅩの悪魔や天使で造って武器よりも上だ…」

「…レベル?」

「……そういえば…レジアルの事を知らないんだったな……悪魔や天使にはレベルがあるんだ…」


獄がテーブルに手をついて、俺達へ説明し始めた。獄曰く、天使や悪魔には強さ、危険度に応じたレベルが付けられる。レベルはⅠ〜Ⅹまであり、レベルが高い個体の素材程、強力なレジアルが作成できる。


Ⅰ<Ⅱ<Ⅲ<Ⅳ<Ⅴ<Ⅵ<Ⅶ<Ⅷ<Ⅸ<Ⅹ


ちなみに魂は倒した抵士官が貰える仕組みで、複数人で悪魔や天使を討伐した際は、その悪魔や天使との戦いで最も活躍した抵士官もしくはトドメを刺した抵士官が貰える。


全員が活躍した、誰がトドメを刺したか分からなかった。そんな時はジャンケンらしい。


「ところで…樹一郎……十郎の刀を見て思い出したのだが…」

「ん?」

「……お前…俺の家にあった刀返すって置き手紙してたよな?」


そう、樹一郎は俺の家にあった刀を盗んで家出した。だがその時に残した置き手紙に、『刀は返す』と書かれていた。


「十郎はミノルに…ミノルは樹一郎…お前に刀を貰ったと言っている……まさか…あの刀が俺の……って事…無いよな…?……見た目はほとんど同じだが……」

「…………………ッ…」

「おいおい…嘘だろ…?」


すると、樹一郎はもの凄いドヤ顔で、刀を抜くと俺に言った。


「ちゃんと約束守ってますね!」


樹一郎の抜いた刀は、確かに俺の家にある刀【星切丸(ほしきりまる)】だった。


「え?…じゃあ……あの刀は?」

「……俺は昔…二刀流でな……その時に使っていた刀…【神斬り 雷鳴】だ…似ているのは…統一感を出したかったからだ…」


何だよ、紛らわしいな。まぁ、刀は戻ってきたし、いいか。


「…それじゃあ…十郎のレジアルを……」

「ついでに俺のも造ってくれないか?…あと……樹一郎さんのも…」


神斬り雷鳴を手に取る獄へ、ミノルが言った。


「俺はクロウじゃないし…武器はレジアルじゃないから悪魔と天使に対抗できない……樹一郎さんも…刀を返したから武器はハンマーだけになる…樹一郎は刀があってこそだ」

「そうか…だが……造るには素材がいる」

「素材…天使と悪魔の魂か…」


レジアルを造るには、悪魔か天井の魂が必要なんだったな。


「…一応……ここに新人用のレジアルはあるが……」

「じゃあ…それで悪魔か天使を二体程倒してくる…」

「俺の分も持ってきてくれるのか…」

「……なら…上等抵士官を連れて…」

「いや…一人でいい」


そう言ってミノルは、一人で部屋から出て行った。


「…悪いな……ああいう奴なんだ」

「……まぁ…ミノルさんなら無事に戻ってくるよ」

「…ならいいけどな……」


そして獄は十郎の太刀、確か名前は13thだっけか、それを持った。


「太刀にもなりますけど…脳の中で大鎌をイメージすると大鎌になりますよ」

「…ほぅ」


すると13thは大鎌に変形した、クソカッケェ。


「凄い……これは興味深い…」

「出来ればその変形機能を残してほしいのですが…」

「分かった…だが少し時間がかかる……見学の続きでもしてきたらどうだ?」


そう言って獄は、二本の武器を奥へ運んでいった。



















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