SdSについて
「カイトは俺達が…すぐに倒してやっからよ!!」
「ちょ…それ俺が言おうとしたのに…」
しかし、俺が言おうとしていた事は、宇川に先に言われてしまった。
「それは心強いな」
「…とりあえず……お互いに話か何かした方がいいだろう…」
川畑が俺達カイト討伐メンバーと、コート達へ言った。
「それもそうだr」
「おい…!」
そんな時、いつの間にか宇川が、王座の子供の前にいた。
「……何だ」
「俺はテメェみてーな…大人びたガキが大大大嫌いなんだよ…!………そんなガキを見るとよ…いっぺん泣かしてみたくなんだわ…ッ!!」
「宇川!…よせ!」
宇川は子供に殴りかかった。それを見てコート達が、宇川の元へ向かおうとした。
「…………んだよテメーー!!…全然ビビんねぇじゃねぇか!!」
拳を握っている宇川は、子供の目の前で寸止めしていた。そして宇川はコート達へ、ヘラヘラしながら言った。
「…………」
「何だよ…ちょっとしたジョークじゃねぇか…!」
「師匠!やり過ぎだよ!」
「あっ…そうか……どうもすみませんでした」
宇川は、子供とコートへ平謝りした。全く、コイツの頭の中を一回見てみたいぜ。
「…すまん……うちのが迷惑かけて…」
「……我の言動で気を悪くしたのなら謝る…申し訳なかった」
「何でお前が謝るんだよ」
すると俺と川畑が押さえている宇川が、その子供へ向かって言った。
「マジでそうだわ!…俺の足舐めろ!」
「お前…マジで……」
「…いいだろう……それで業を鎮めてくれるのなら…我は喜んで足を舐めよう」
「……王…それは…」
「真に受けてんじゃねーーッ!!」
子供が舐めようと屈むと、宇川は足を引っ込めた。
「お前!…冗談通じねぇのか!?……人の足舐めるとか狂ってんぞ!?」
「ここで一番狂ってんのはお前じゃぁぁぁぁッ!!」
俺は宇川を、地面に叩きつけた。
……
「……えー…とりあえず…俺達とお前らの話をしようか…」
「…ああ」
会議室のような場所で、俺達カイト討伐メンバーと、SdSのメンバーが話す事になった。
「…俺達はお前らSdSと共に…カイトの討伐に来た……以上……自己紹介しなくても…俺達の事はホワイトから聞いてるよな?」
「……ああ…ヤタガラスに関しては……通信が途絶える前にホワイトから聞いていた……神よりも強い人間がいるとな……」
「俺達の名前…めちゃくちゃ広まってるな…」
そう言うと、今度は俺達ヤタガラス以外のメンバーへ言った。
「ヤタガラス以外のメンバーに関しても……SdSの最上位階級レベルの強さを持つと聞いている…」
「…そんな事言ってたのか…」
「いいじゃん、実際君達はめちゃくちゃ強いし」
するとSdSのメンバーの一人が俺達へ言った。
「……アンタらの事は…ホワイトから教えてもらったから……今度は俺達の事を話そうか…」
「おっ、そうだな」
そして、SdSのメンバーが、俺達へSdSについてを話し始めた。
「…SdSについては?」
「それはホワイトから聞いてる」
SdS
悪魔や天使からアースを守る組織で、所属する者は『抵士官』と呼ばれる。
階級は以下の通りだ。
二等<一等<中等<上等<第三位<第二位<第一位<総特
総特は基本的に、危険度の高い悪魔や天使が相手の時に出撃し、普段は俺達のいるこの本部の、防衛をしているらしい。
そして、人間は死ぬと亡魂と呼ばれる魂になり、魂を操る方法を知っていたら転生させたり、魂そのものを消したり、記憶を持った蘇らせたりと、魂を操作できる。
しかし、天使や悪魔は殺しても、蘇魂と呼ばれる魂になり操れず、時間経過で蘇る事が出来る特別な存在だ。ちなみに、神も死んだらリバイニウムになる。
だが、そんな悪魔や天使をモルニウムにする方法がある。それはこの三つだ。
・悪魔や天使の魂で作成した武器を持つ者
・神斬りの力の宿った武器、そしてその武器の力を最大限まで引き出せる者
・クロウの力を持った者
この三つのいずれかの条件を満たした者が、悪魔や天使を殺す事だ。SdSは、悪魔や天使の魂で作成した武器『レジアル』を使用して悪魔や天使を無力化している。
モルニウムと化した人間の魂は、例外無くSdSの管理する[ユグドラシル]という名の人工的に造られた木に現れ、そこから人間は再生する。悪魔や天使の魂や、レジアルの素材として使う魂属は死体に残留しており、そこから引き剥がして魂属は武器にしたり、魂は情報を引き出す為に再生して牢へ入れたりしている。
「……だが…お前ら抵士官の名前までは聞いてない」
「ごめんね!…本人が自己紹介した方が…印象深くなるかなと思って…!」
「それじゃあ…自己紹介しようか…」
黒コートの男達は、改まって自己紹介を始めた。




