アースへ行こう!
“……“ライト”は俺達が…責任を持って回します…”
“フッ…頼むぞ…”
“…帰りを待ってる……とかじゃないんだね…”
“だって、君は絶対に帰ってくるもん”
“………絶対に帰ってこいよ…お前と再戦出来なくなるからな……樹一郎…”
“ラコウ……フン…言われなくとも分かっている…”
“……一度このテオロンという…世界を救ったお前達だ……二度救う事もできる筈……頑張れよ…”
“……はい”
“……………………帰ってこいよ…”
“…ああ!”
“恐ろしい事言うなよ……俺は死なねーよ…だから……桜郎と待ってろ…!”
“……ああ”
“……心配はいらない…すぐ帰ってくるから…”
“絶対ですよ!!…絶対すぐ帰ってきてくださいね!!”
“…うん”
“…それと…『無事に帰ってきたら一週間、全てのレストランの料理が無料』…だって!”
“それは応援よりも嬉しいな!!”
“……僕…ユウトさんの帰り……待ってますから!!”
“……はは…ありがとよ…”
“グロォォォ…”
“へへ……そうか…寂しいか……まぁ…暫しの別れってやつだ!……必ず帰ってくる!!”
“ゴォォ!!”
「みんな!…そろそろ……」
「…ああ!」
「行くか…」
そして人々を背に、討伐メンバーはアースへと向かい、ワープした。
……
「……着いたっぽい」
「…おー……」
俺達がワープした場所は、まぁまぁ広い部屋で、奥には王座があり、子供が座っていた。周りにはコート姿の男女がいる。
「………お前達が…ホワイトの言っていた……カイト討伐メンバーか…」
「そういうアンタらは…SdS…だったか?」
「…ああ」
……
「ここからはアースの事を話すから……宇川君…邪魔しないでね」
「おー怖ッ!!」
「…えー……ゴホンッ!」
そしてホワイトは、アースについて話し始めた。
アースは、俺達のいた世界に酷似した世界で、存在する国も殆ど一緒だ。しかし、唯一違うのは、少しファンタジーが混じっているという点だ。
アースは誕生して、人間が誕生すると天使や悪魔が攻めて来た、理由は分かってないらしいがな。そんな時、ホワイトが現れた。
ホワイトは、直接力を貸す事は出来ない為、人間達にある物を渡した。それは、魂を自在に操る方法と、天使や悪魔に対抗できる武器の作り方だった。
魂を自在に操る方法を知り、人間はいくら死のうと蘇られるようになり、天使や悪魔に対抗できる武器の作り方を知り、悪魔や天使を返り討ちにした。
そんな事が繰り返され、いつしか悪魔や天使を倒す組織、SdSが誕生した。
……
「…しかし……突如…カイトと業人が現れた……ここまで合ってる?」
「……ああ…」
俺が尋ねると、王座の子供は頷いた。
「………ホワイトからの通信が…6年前に途絶え……業が現れた…」
「誠に申し訳ありませんでした」
「…まぁ…何だ……安心しろよ」
コートの奴等と、子供へ俺は自信満々で言った。
「カイトは俺達が…すぐに倒してやっからよ!!」
「ちょ…それ俺が言おうとしたのに…」
しかし、俺が言おうとしていた事は、宇川に先に言われてしまった。
「それは心強いな」
「…とりあえず……お互いに話か何かした方がいいだろう…」
川畑が俺達カイト討伐メンバーと、コート達へ言った。
「それもそうだr」
「おい…!」
そんな時、いつの間にか宇川が、王座の子供の前にいた。
「……何だ」
「俺はテメェみてーな…大人びたガキが大大大嫌いなんだよ…!………そんなガキを見るとよ…いっぺん泣かしてみたくなんだわ…ッ!!」
「宇川!…よせ!」
宇川は子供に殴りかかった。それを見てコート達が、宇川の元へ向かおうとした。
「…………んだよテメーー!!…全然ビビんねぇじゃねぇか!!」
拳を握っている宇川は、子供の目の前で寸止めしていた。そして宇川はコート達へ、ヘラヘラしながら言った。
「…………」
「何だよ…ちょっとしたジョークじゃねぇか…!」
「師匠!やり過ぎだよ!」
「あっ…そうか……どうもすみませんでした」
宇川は、子供とコートへ平謝りした。全く、コイツの頭の中を一回見てみたいぜ。
「…すまん……うちのが迷惑かけて…」
「……我の言動で気を悪くしたのなら謝る…申し訳なかった」
「何でお前が謝るんだよ」
すると俺と川畑が押さえている宇川が、その子供へ向かって言った。
「マジでそうだわ!…俺の足舐めろ!」
「お前…マジで……」
「…いいだろう……それで業を鎮めてくれるのなら…我は喜んで足を舐めよう」
「……王…それは…」
「真に受けてんじゃねーーッ!!」
子供が舐めようと屈むと、宇川は足を引っ込めた。
「お前!…冗談通じねぇのか!?……人の足舐めるとか狂ってんぞ!?」
「ここで一番狂ってんのはお前じゃぁぁぁぁッ!!」
俺は宇川を、地面に叩きつけた。




