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烏の約束




「え?…俺を?」

「ああ!!…ホワイトがカイト討伐メンバーは集合だって!!」


伍城はフッと笑い、立ち上がった。


「……相変わらずだな…お前は…」

「まぁな!!」

「…それじゃあ…俺は元の世界へと戻るか……ならず者共を半殺しにして…業の破壊をせねばならん…」

「俺が行く!!…オッサンは休んでな!!」


すると伍城は、振り返って宇川へと言った。


「……お前はアースにいるカイトを倒さなければならないのだろう?……お前には…お前のやらなければならない事がある……業が広がる前に…早く行け…」

「そういえばそうだな!!…ジーク!…行くぞ!」

「え!?…疾ッ…」


ジークの手を引っ張りながら、宇川は出て行った。


「本当に…変わってないな……」



……



「ジークを連れてきたぜ!!」

「おぉ…」


宇川がホワイトと、カイト討伐隊の元へジークを連れてやって来た。


「…これで揃ったのか……カイト討伐メンバーが…」

「……そのようだね…」



勇兎

宇川

川畑

魅由樹

樹一郎

梅岡

十郎

アザミ

ジーク



「……よっしゃあッ!!…早速行くか!?」

「…いや……行くのは明日」

「え!?」


ホワイトが、興奮する宇川へ言った。


「………それぞれ…色々あると思うからね…」

「んだよ」

「…それじゃあ…解散か?」

「いや…全員揃ったし……今からカイト討伐について少し話すよ」


書類を見ながら、ホワイトはメンバーへ話し始めた。


「明日…午後2時にこの会場でアースへ転送する…」

「ブンッ!」

「…アースの人々へ君達の事と…これまでの経緯は話してあるから……協力してカイトを討伐してほしい…」

「シュコーンッ!」

「うるさいな!…さっきから!」


ホワイトが、ふざけている宇川へ叫んだ。


「ここからはアースの事を話すから……宇川君…邪魔しないでね」

「おー怖ッ!!」



……



「……そんじゃあ解散でいい?」

「…ああ…うん……話し終わったし…解散でいいよ…」


そしてメンバーは、キレ気味のホワイトとそれを笑う宇川を背にして、解散した。



……



次の日の、午前10時。



ホワイトの元へ、メンバーは集まっていた。


「……テオロンとアース以外の世界に広がる業は…誰が止めるんだ?」

「ギルドのトラベラー達がやってくれるって!…君達の世界の業の破壊は…伍城さんがしてくれる…!」

「なら安心!!」


「…樹一郎……聞いておくが…お前はヤタガラスを目指すのか…?」

「……まぁ…ヤタガラスになるのはやめる……親父はソレを望んでない様だからな……」

「……そうか…」

「まぁ…ヤタガラスにはならないが……アンタらには勝っておきたいな…」

「…今度勝負するか」


そんな時、川畑がミユキへと尋ねた。


「…そういえば……今日が()()()()…だったな…」

「うん!」

「え?…何だよそれ…」

「あー!…確かにそうだな!!」


するとヤタガラスは、立ち上がって外へ向かっていった。


「少し早いが…会場に行こうぜ…!」

「…え!?」



……



「……あと2時間後か…アイツらが来るの…」

「来たよ」

「え!?…早くね…!?」


少し早く、メンバーは会場へと行った。会場の前では、人々が立っている。


「つーか…何だお前ら!?」

「アンタらを見送りに来たんだよ!」

「そうか!」

「アンタらこそ…何でこんな早く来たんだよ!?」

「あー…」


ユウトさんが、メンバーと見送りに来た人々を説明し始めた。


「……俺達ヤタガラスは…この日にミユキと勝負して……ミユキが勝てば…ヤタガラスをミユキへ継がせる約束をしていたんだ………『ヤタガラスを倒せば、ヤタガラスという組織を継いでいい』…ってな…」

「…そんな約束をしてたんだな……」

「僕の夢だったのだよ…ヤタガラスに成るのは…!」

「その勝負をしねーといけねぇから…早く来たんだよ!」

「…早く天界へ行くぞ」


ヤタガラスは、光の中へと入っていった。それを見ていた人々や、他のメンバー達も追いかけるように入っていった。


「あのヤタガラスと…あのミユキの勝負なんて……見ない筈がねぇ…!」

「最強と…最強……どっちが勝つんだ…!?」


そして、光の中へ入るとそこは大きな闘技場だった。人々はその中心を囲むようにして立ち、向き合っているヤタガラスとミユキを見ていた。


「……ミユキさんと…ヤタガラスか……どっちが勝つと思う…?」

「………どちらか決めるのは…とても難しいですね……」

「…おいお前ら!……巻き込まれんなよ!」



……



「さて……ミユキよ…」

「うん」

「……誰と戦うか言え」


ユウトさんが、ミユキさんへ尋ねた。俺的には、とんでもない破壊力を持つが、獣みたいに動きが単調な、宇川さんを選ぶ予感がする。


「…宇川さんじゃないか…?……お前は誰を選ぶと思う?」

「……まぁ…僕がミユキさんなら……宇川さんを選びます…」


するとミユキさんは、少しの沈黙の後に、笑みを浮かべて答えた。


「全員」

「…は?」

「……だ〜か〜ら〜…父さんと先生と師匠の全員だよ…!」

「…フッ……」


それを聞いたユウトさん、川畑さん、宇川さんは笑い始めた。しかし、ユウトさんと川畑さんの、目は笑っていなかった。


「…ふ…ふふ…w」

「おいおい…ミユキw…そいつぁ…………少し無謀だと思わねぇか…?」


とんでもねぇ圧が、会場を包み込んだ。


「…とんでもねぇ圧だな…ッ……ビリビリくるぜ…ッ…」

「……ユウト兄…相変わらずヤベェな…」



















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