ジークvs真風
ミユキさん曰く俺たちのいる世界、他の世界にいる人間。人間は日々誕生しているが、ごくたまにミユキさんや十郎のような、神の生まれ変わりと比喩されてもおかしくないような、バケモノじみた人間が誕生する事があるらしい。
そんな人間の事を、完璧人間と呼ぶ。ゴッデスヒューマンは18歳になると、神へ挑む事ができるようになるらしい。勝負の内容は、自由に決められる。
そしてその勝負で勝つと、敗れた主神はその位を譲り、引退する。勝ったゴッデスヒューマンが、新たな主神となる。神々の間では、そう決められているらしい。
「へぇー…」
「ミユキさんは18歳ですけど…勝負したのですか?」
「したよ!」
「……神になっていない…という事は………敗けた…のですか…?」
するとミユキさんは、笑みを浮かべて言った。
「さぁ…?……どうだろうねぇ…?」
「…何だよそれ……」
「教えてやろうか!?…ミユキはな!…ホワイトとブラックにr」
「もー!…言わないで!!……こういうのは言わずに!…想像させる方が物語的に面白いの!!」
ミユキさんは、俺たちへ敗けたか勝ったかを言おうとした宇川さんの、口を押さえながら言った。
「面白いか!?…分からない方からすれば…なんかモヤッとするじゃねぇか!」
「そうだよ(便乗)」
「えー!?…絶対こういうのは考察した方が面白いって!!」
ヤタガラス達が口論している中、俺は十郎へ尋ねた。
「…まぁ…とりあえず聞くけど……十郎はもうすぐ18歳だけど…勝負すんの?」
「………僕はいいです…」
「何で?」
俺が尋ねると、十郎は笑って答えた。
「ずっと…梅岡さんと一緒にいたいから…」
「……フッ…そうか……」
その時、司会のダリカの声が会場へと響いた。
「よぉみんな!!…第二回戦の時間まであと数分だ!!…席につけてねぇ奴ァ…急げよ!!」
「おっ!…始まるぞ!」
俺がそう言うと、ヤタガラス達は瞬時にリングの方を向いた。
「よし!創作キャラクター最強議論は終わるぞ!」
「だね!」
「……さっきの口論から…何故キャラクター最強議論になったんだ…」
そして、ジークと真風の試合が始まった。
「第二回戦……準決勝の第一バトルは……ジークvs真風だッ!!」
「「「おおおお!!」」」
ジークと真風は、清々しい顔をしてお互いの目を見ている。
「……久しいな…真風…!」
「…フッ……ジーク…お前と勝負をするのは数年ぶりだな…!」
「ルールはシンプル!……仲間は無し…観客席へ行くのも無し!……では…準備はいいか!?」
「「ああ!」」
そして、勝負が始まった瞬間に、二人は同時に地面を蹴って間合いを詰めた。
「…前より……速いね…ッ…」
「お前も…なッ!」
ジークの聖剣と、真風の剣がぶつかり合った。真風はジークを押して、距離を取った。
「……いやぁ…やっぱり最強なのはアメコミの◯◯でしょ〜…!」
「違うね!…最強は日本の漫画の△△に出てくる××だッ!」
「いや…一番強いのそれ考えた人だろ」
「……アンタら…まだやってたのか…」
さて、ヤタガラスは放っておいて、俺がリングを見ると、ジークが膝をつく真風へ、迫っていた。
「…………終わりだ…」
「…へへ……それはどうかな?」
「……ッ!?」
その時、真風は神溜で溜めていたパワーを解き放ち、ジークのど真ん中へ命中させた。
「ぐく…ッ!!」
「マジかよ!?…これで倒れねぇなんて……ッ」
「オラァ!!」
真風の繰り出した、神溜の攻撃に耐えたジークは、剣を振り下ろした。しかし、真風はそれを間一髪で避けた。
「うぉぉ…白熱したバトルだ…ッ!」
「ッ」
避けた真風の方へジークは瞬間に向いて、薙ぎ払うように剣を振った。
「ッ!!」
「はぁぁ!!」
斬撃が命中し、真風が怯むとジークは、連続で真風を斬った。
「……はは…マジかよ…………魔法を…一度も使わず俺に勝つとは…な………やっぱ…強ぇわ……」
真風はそう呟いて倒れた、それを見たダリカが叫んだ。
「決勝進出はッ!……ジークッ!!」
「「「うぉぉおおお!!」」」
「ナイスファイトだ!…真風!!」
「それじゃあ!準決勝第二バトルは10分後だ!!…遅れるなよ!!」
そして試合が終わると、ユウトさんは立ち上がった。
「準決勝からは…参加者にハーフタイムがあるんだな」
「……じゃあ…喉渇いたから…ジュース買ってくる…」
「…僕も!」
そう言って、ユウトさんとミユキさんは、飲み物を買いに行った。
「………次の試合が終わって…その次が決勝か…」
「…次はアレキリオンさんと…伍城さんですね」
「……どっちも強いからなぁ…さて…どっちが勝つ…?」
俺的には、伍城さんが勝ってほしいが、なんとも言えないな。
「………スゲェなここ…タピオカミルクティーがあったぜ…!……まぁ…俺は大人だからコーヒーだがな」
「…www……」
ユウトさんがそう言うと、ミユキさんが笑いを堪えている。
「……ミユキさん…どうしたんだ?」
「…いやねw……大人だからコーヒー飲むって言ってるけどw……砂糖とミルク合計37個入れてたからさ…www……マジで草生える…w…」
「ミ゛ユ゛キ゛ッ!!…それを言うな!!」
暴露するミユキさんへ、ユウトさんが叫んだ。
「ミユキさんのコーヒーは?」
「僕は勿論!…ブラックだよ!」
「……クッソ…ぜってーブラック飲めるようになってやる…ッ……」




