アレキリオンvsリン
「なッ…」
「……フン…ッ!」
そして思い切り捻り、剣を折った。シャルルは折れた剣を持って、距離を取る。
「なッ…」
「……フン…ッ!」
そして思い切り捻り、剣を折った。シャルルは折れた剣を持って、距離を取る。
「何て力だ…」
「…どうする?」
シャルルは折れている剣の刃へ、闇の刃を施した。
「……ほぅ…」
「最初からこうしておけば良かったな……折れぬ剣の完成だ…」
そして、再びシャルルが間合いを詰めようとした時、既に目の前には伍城が立っていた。
「疾…ッ」
伍城はシャルルへ向かって、正拳突きの構えを取っていた。シャルルはそれを見て瞬時にガードした。
「……一爪…」
「うぐ…ッ!?」
闇の刃の上から一爪を食らったシャルルは、引っ張られるようにして壁へとぶつかった。
「………………」
「……強ぇ…」
会場は現魔王が、一人の人間に赤子扱いされているのを見て、騒然としていた。
「おぉ……さすがだなぁ…伍城のオッさん…」
「え?…伍城さんの事知ってんの?」
「ああ!…中学の時に喧嘩売ってボコボコにされたんだ!!……まぁ!…今は俺の方が強ぇがな!」
意識が遠のき、視界はぼやけ、耳も遠くなっていく中、シャルルはそれでも尚、諦めなかった。
『…強いな……くッ……』
「……………」
「…………………」
伍城がシャルルの目の前へ立った瞬間、シャルルは伍城へ斬りかかった。すると、重々しい音と共に、シャルルは頭が壁へめり込んでいた、伍城が蹴ったのだ。
「……し…勝者は…伍城ォ!!」
「「「うぉぉおおおおお!!」」」
会場内へ、歓声が轟いた。それを見て、宇川は「おぉ…」と呟きながら言った。
「…太ぇな……今の蹴り……一爪と同じ位に……」
「……シャルル…大丈夫かな…」
「…【反殺】が付与されてるから大丈夫だよ!」
「……分かってるんだけど…それでも死んだんじゃないかって思う…」
……
「一回戦目は…次で最後だな」
「…えーっと…次は…」
「アレキリオンさんと…リンさんという人ですよ!」
「……アレキリオンさん…か」
アレキリオンさん、聖騎士最強と呼ばれる人だ。あの魔族との戦争の時も、魔王の四騎士を屠った人物だ。
「…リン……女性か?」
「……いや…男性だよ!」
「…女みたいな名前だな」
……
「第一回戦の第四バトルは……聖騎士代表のアレキリオンvs一般代表のリンだ!!」
「…………リン……聞いたことはある……確か…アーサーの師匠…そのライバルだったな…」
「…ご存じとは……とても光栄だ…」
二人は真っ直ぐに、お互いの目を見ていた。
「ルールはシンプル!……仲間は無し…観客席へ行くのも無し!……では…準備はいいか!?」
「……ああ」
「うん」
「そんじゃあ!…ブッかませッ!!」
試合開始の合図の後、リンはゆっくりとアレキリオンへ、近付いていった。
「…来ないのか?」
「……お前の使う流派…斬返流……確か反撃…カウンターに特化した流派…だったな……」
「知ってたんだ」
すると、リンは刀を振りかぶった。そして、リンが刀を振り下ろすと、アレキリオンは脇腹をガードしていた。
「…刃の軌道が……」
「あら…引っかからなかったか…」
アレキリオンは、薙ぎ払うように掌から炎を生み出した。リンは炎を避けると、アレキリオンはリンへ、思い切り突きをした。
「……フッ…」
「…!」
リンが突きを受け流し、カウンターを仕掛けた瞬間、アレキリオンはリンを思い切り殴った。
「ぐ…ッ…く……」
「……ッ」
そして一瞬怯んだリンへ、斬りかかった。リンは受け流しの構えを取るが、アレキリオンの斬撃はリンの脇腹へ命中した。
「かッ…!?」
『これは……』
アレキリオンは、リンの受け流しを掻い潜り、連続でリンを斬った。
『……進化…している…ッ…』
「…お前の攻略方は……分かった…」
そして最後に、トドメと言わんばかりの突きを繰り出した。
「ッぐぅ!!」
「!」
リンは力を振り絞り、その突きを避けるとカウンター攻撃を仕掛けた。
「……フッ…」
「…な…ん…ッ!?」
アレキリオンはリンの使う斬返流と、全く同じ受け流しでリンのカウンターを、更にカウンターで返した。
「……なるほど…これが……聖騎士最強の……力か…ッ…」
「…目に焼き付けておけ……」
そして轟音と共に、リンは吹き飛んでいった。
「……勝者は…アレキリオンッ!!」
「「「うおおおお!!」」」
「やっぱ強ぇ!!」
「聖騎士最強は伊達じゃないな…」
それを見ていたヤタガラス達は、トーナメントの表を見ながら話していた。
「…第二回戦進出は……ジーク…真風…伍城さん…アレキリオンさんか……」




