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光闇の兵器



「あなたがエミリア王ですか」

「うん!」

「こんな時に自己紹介しなくても…」


十郎とエミリアさんはモンスターを逃げられないように見張りながら自己紹介していた。


「それで、この魔族はどうするのですか?」

「少し話を聞くだけだよ!」

「……何も言うなよ…言った瞬間に用済みであの世だ……エミリアは慈悲の無い悪魔だからな…」

「酷いなぁ…」


魔族とは進化して知能が高くなったモンスターの総称らしい。そんで魔族はヒソヒソと話している。するとエミリアは近付き、兵器を見ながら尋ねた。


「この人…トラベラーだよね……この人使って僕たちと戦争するわけ?」

「…………」

「何も言ってくれないかぁ…」


その瞬間にエミリアさんは一人の魔族の肩を掴み、地面に叩きつけ、頭の横の地面に剣を刺した。


「よく考えたらこの事を聞くのに二人もいらないよね!…それじゃあ一人は殺しても大丈夫!」

「……マジかよ…!」

「命をその身に宿すものには必ず死が訪れる、君の場合はそれが今日だっただけだよ!」


エミリアさんが剣を引き抜いて頭に刺そうとした瞬間に立ち尽くすもう一人の魔族は叫んだ。


「分かった!…分かったから!!」

「何が分かったの!?」

「何でも言う!…言うから!…そいつを殺さないでくれ!!」

「ならいいよ!!」


するとエミリアさんは剣を鞘に入れて叫んだ魔族に近付いた。


「知ってる事全員言って!…嘘をついたり隠し事をしたら……殺しちゃうよ?」

「わ…分かった…」

「こ…ころろ…心ロロ…!」


そうして魔族は兵器の事や、悪神の事を話し始めた。



……



魔王は悪神から【アビス】と呼ばれる神の力を受け取った。そのアビスは炎のような見た目の物質で、体内に取り込むと莫大な力を得るらしい。


そして魔王は戦争での勝利をより確信が持てるようにするために人間や魔族を見境なく実験に使い兵器を開発しているようだ。その事は一部の魔族しか知らないらしいが。


「全て本当だ!」

「ホント?」

「……全て真実のようです」


エミリアさんが黒服の執事に尋ねると執事は魔族の目をジッと見ながらそう呟いた。


「その青年は兵器なの?…とてもそうには見えないけど…」

「蛾義ェ絵ぇぇぇ和ええ!!!」


兵器にエミリアさんが近付いた瞬間、兵器は突然奇声をあげて拘束を壊した。そして壊れた拘束が辺りへ飛び散る。


「うわ!?」

「阿ヒョ」


そして兵器の右手は黒い塵が渦巻き、左手は白い光が包み込んでいる。


「や…やばそう…!!」

「光と闇系の魔法…ですかね」


俺たちが構えると兵器は手を上空へ掲げた。すると大きな丸いゲートのようなものが生成された。そしてそのゲートから、絵に描いたような悪魔や天使が飛び出してきた。


「召喚魔法かぁ!」

「どうするんだ!?…数がかなり多いけど!」

「やるしかないっしょ!」


エミリアさんと執事は剣を抜いて天使と悪魔に向かって突っ込んでいった。それを見て十郎も向かっていった。


「僕も戦いますよ」

「ちょ、マジか!」


十郎はファントムを発動して、周囲の天使と悪魔をどんどん倒していった、そして天使と悪魔は魔素を落とさず霧のように消えた。


「十郎君はとても強いね!」

「それほどでも!」


エミリアさんは剣を適当に振り回しているように見えてその刃は正確に天使と悪魔の喉元を切り裂いている。執事もまた、舞うように天使と悪魔を斬っていった。


「みんな強すぎだろ…」

「梅岡さん!…そっちに行きましたよ!」

「うお!」


俺に天使と悪魔が向かってきたので俺は天使の振る剣と悪魔の拳を避けて、悪魔にカウンターをしたあと天使の後頭部を裏拳打ちした。


「危ねぇ…」

「君も強いね!」

「…それほどでも」


するとゲートが更に広がり、大きな天使と悪魔が勢いよく飛び出してきた。


「やや!?…ボスですか!?」

「ストーリーの中盤あたりで出てくるそこそこ強いボスっぽいね!」

「なんスか…その例え…」


大きな天使と悪魔は地面に降り立ち、悪魔はエミリアさんと執事の方へ、天使は俺たちの方へ向かってきた。


「天使ですか!」

「デカイ剣だな…」


天使は巨剣を振り上げて思い切り振った。だが、その瞬間に十郎が剣をガードして弾き、水平斬りをした。風切り音と共に天使の身体に直線ができた。


「凄い切れ味ですね」

「やば…」


そして天使の身体とその後ろにある大岩は直線に沿って真っ二つになった。綺麗な断面だ、というか切れ味がヤバすぎるだろ!


「……初撃…すなわち鞘に収めた状態から抜刀…そしてそのまま斬撃へ繋がると威力が増すらしいです…今回はできませんでしたが」

「普通に振って大岩を切断する…か……最高の威力で斬るとどんな切れ味なんだろうな…」

「エミリアさんは倒したのですかね」


俺たちはデカイ悪魔が突っ込んでいったエミリアさんたちの方を向いた。












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