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魔法使いになろう!



「……それで?…オリジンをどうするんだ?」


俺たちはオリジンを手に入れて近くの草原で休んでいた。


「ただ持っておくだけでいいらしいですね」

「マジで?」


スマコで調べてそう書かれていたので俺たちはオリジンを収納した。すると通知音と共にステータスが開かれた。


「……【魔法を覚えました】…?」


【魔弾】


衝撃波を放つ事ができる。掌から放つと広範囲の生物を吹き飛ばし、二本の指から放つとどんな物資も貫通する圧縮された弾丸状の衝撃波を放つ。


「…魔弾……」


そんな時、ゴブリンが数体歩いてきた。どうやらこの前十郎が倒したゴブリンの大群の仲間のようだ。


「……あの時のゴブリンですかね」

「丁度いい、試してみよう」


俺はゴブリンに向かって掌を思い切り突き出した、するとショットガンの発射音と共に目の前にいた数体のゴブリンは数メートル先へ吹き飛び、その場で消えた。


「広範囲攻撃は敵が多い時に便利ですね」

「確かにこれは便利だな……それじゃあついでにもう一つの方を試すか」


二本指で指鉄砲を作り、俺は目の前の木に向かって突き出した。するとライフルの発射音と共に青白い弾丸が発射された。それは木に穴を開け、さらに遠くまで飛んでいった。


「並みの銃より早いですね、まるでライフルのようです」

「ああ……それにしても弾道が青白くなってたな…威力も速度も…もはやレーザーだ」


魔弾は掌から放つとショットガンのように広範囲に命中させる事ができるが、ゴブリンが弱かっただけでダメージは少ないようだ。指から放つと弾丸となって超射程距離を誇るライフルとなる。


「…強いな……十郎はどうだった?」

「僕は…」


十郎は俺にステータスを見せた。


【ファントム】


念じると発動者の霊体、即ち分身を最大13人一時的に召喚できる。霊体は自我を持ち相手を攻撃する。しかし、一度相手に攻撃するとその霊体は消滅する、そして相手の攻撃を一撃でも受けても消滅する。


「ロマンのある魔法だな…」

「これも敵が多い時は便利ですね」


十郎が草原で念じると周囲に半透明で青色の十郎が現れ、少しすると消えた。


「発動条件が()()()という点でも出しやすくて良いですね」


俺たちがステータスを見ていると、世界の情報からメッセージが届いた。


[魔王軍最新兵器について]


今日の6時過ぎに魔王軍が極秘開発している兵器の実験を下記の場所で行うようです。近隣のトラベラーは注意してください。


その文面の下には座標が記されていた。


「…こんな偶然があるんだな」

「ええ…」


俺たちの立つ場所はピッタリその座標のど真ん中だった。そして今は5時半、30分程で来るな。


「魔法を実戦で試してみるチャンスだな」

「それじゃあ、最新兵器と戦うのですか?」

「ああ、危なそうだったら逃げるって感じで」

「そうですね、それじゃあ配置につきましょうか」


俺たちは草原で戦う準備をして、少しの間待った。



……



「…紅蓮の……の…ノの…亜浪楼…」

「こんなイカれた野郎が最終兵器とはな」


フードを被った人が、顔や体に茨のような痕があり拘束されている青年を連れてきた。


「魔王様も…あの男と話してから見た目が化け物みたいになるしよ……お前はあの炎を取り込んだか?」

「馬鹿、見たら分かるだろ。あんなキモい見た目になるのはゴメンだからな」

「馬…版板羽薔……馬姫…」

「少し静かにしろ少年」


炎……レクスさんが会議で話してた神の力の事だろうな。俺は十郎の目を見た、十郎は頷き、木の影へ隠れた。どうやら俺の『様子を見よう』というメッセージは通じたらしい。もしかしたら悪神の事を話すかもしれないからな。


「…しかし…魔王様も残酷だよな…人間はともかく自身と同じモンスターまでも実験に使うんだからな」

「まだ他の奴等には話してないんだよな?」

「当たり前だろ、というか話せないだろ。魔王が同族を実験台にしてるなんて、話した途端反乱が起きるぞ」

「知らされてるのは俺たち幹部だけか」


すると、その後ろに顔の似た二人の執事みたいな人を連れた少女が立っていた。


「今の話ってホントなの?」

「うお!!?」

「お…お前は…!」

「お…おまおまおまあま」


モンスターの二人が酷く怯えている、そして震えながら構えた。


「ちょっと待ってよぉ!…僕は君たちと話したいだけだってば!」

「なんだかヤバそうだな」


俺たちは木の影から飛び出した。二人のモンスターは俺たちの方を向いてさらに驚いた。


「な…なんだお前ら!?」

「おい!…この事は極秘のはずだろ…なんでエミリアがここにいるんだ!?……待ち伏せされてたのか!?」

「知るかよ!!」


[世界の情報]は極秘だろうと様々な情報を伝えてくれる、やはり便利だな。二人のモンスターは焦りながら背中を合わせた、兵器は虚空を見つめて何か呟いている。するとエミリアさんが俺たちに尋ねた。


「…君達は誰かな?」

「俺は梅岡…です…」

「僕は十郎です、そしてあなたはエミリア王?……レクスさんの知り合いの…」

「ウメオカ…ジュウロウ……ああ!…さっきレクスが面白い二人がいるってメールしてきたけど君達の事か!」


エミリアさんは手をポンと叩いて言った。














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