表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
265/457

聖騎士の戦い




「…樹一郎さん!」

「……もう…太刀を振る力も残っていない…この一振りが最後だ……次は…助けられないぞ…」

「……………」

「お前が生きて帰る……それが今の俺の…最後の望みだ……」


するとミノルは、樹一郎に背を向けて言った。


「………ッ……分かり…ました…ッ……」

「…じゃあな」

「今まで……ありがとうござい…ました…ッ…!!」


ミノルは目に涙を浮かべながら、崩れていく神殿を走り去っていった。


『…片足だけなら…出ることはできたかもしれないが……両足が動かないのではな……そして…ミノルの力では俺をおぶさる事も不可能…フッ……俺の死場所は……ここか…』


崩れる天井を見つめながら、樹一郎はいろいろな事を想っていた。


『……ワーガナ…悪い……お前との戦いは…俺の勝ち逃げになっちまうな…』

『ミユキ…生きている内には…お前に勝ちたかったな……』


『…ミノル……強くなれよ……俺の分まで…』

『テオス…勝手にこのテオロンへ侵入して悪かった…俺の侵入を助けた神を…責めないでくれ……って…これは手紙に書いていたな…』


『…親父……姿を見せてやれなくてごめんな…』

「サヨナラだ…世界よ…」

「いや…まだ早いぜ」


樹一郎が声のする方を見ると、ジークフリートが樹一郎を、頭上に落ちてくる瓦礫から守っていた。


「お前……」

「…まだだ……お前が死ぬのはまだ早すぎる…」

「……そうだぜ…!」


ジークフリートの支えている瓦礫を、いとも容易く壊して、ユウトが歩いてきた。


「…親父……ッ…」

「まずは謝らせてくれ……お前のヤタガラスへの想い……気付いてやれなくて…すまなかった……」


ユウトは、樹一郎へ深々と謝罪した。


「……親父…………」

「…思う事はあるかもしれないが…とりあえず出るぞ」


するとユウトは樹一郎と樹一郎の武器を担いで、神殿の外へ走り出した。


「………相変わらず…人間離れした腕力だな…」

「…宇川には劣るがな……」



……



「樹一郎さん!!」


ユウトは担いでいた樹一郎を、その場に下ろした。ミノルは樹一郎の事を心配しながらも、ユウトの方を見た。


「……ユウトさん…だったか…」

「ああ」

「…師匠を……助けてくれてありがとう…」

「………ああ」


するとユウトは、その場から姿を消した。それを見て、樹一郎は笑みを浮かべた。


()()()()()()親父の顔を見るのは…3年ぶりだ……」



……



「くッ…はやイ゛ッ!!」

「…ッ!……一番敵になってほしくない人が…敵になっちゃったねぇ……」


ミユキは次々と兵士を斬って、エミリアへと斬りかかった。エミリアは、ミユキの包丁をガードして防いだ。


「……おッ…と……」


そして、すぐさまミユキの突きを避けた。周りの兵士は、ミユキを恐れて近付けずにいた。


「…こんな時に……聖騎士がいれば…ッ……」



……



外の状況など知る由もない聖騎士達は、エラトマの手下二人を捜索していた。


「……どこに潜んでいるのでござろうか…」

「…この遺跡は…そこまで広くない……見つけるのにそう時間はかからない筈だ…」


アレキリオンは地面に手をつくと、前を向いた。


「こっちだ」

「……え?」


アーサーとザイン、イリスは困惑しながらアレキリオンへとついて行った。するとその時、アレキリオンが叫んだ。


「伏せろッ!!」

「…ッ!!」


その瞬間、目の前から斬撃が飛んできた。聖騎士達はその斬撃を避け、アレキリオンは斬撃の飛んできた方向へ、火球を投げた。


「くッ!!」

「…よし」


すると少し遠くで、何かが燃える音が聞こえてきた。


「急げ!!…逃げられないうちにカタをつけるぞ!!」

「あ…ああ!!」


音のする方へ聖騎士達が向かうと、そこには火を消すエラトマの手下の姿があった。


「…見つけたでござる……ワナとやら…」

「……ッ…」


聖騎士達を前にして、エラトマの手下ワナは、ニヤリと笑みを浮かべた。


「…追い詰めた…とでも思っているのか?」

「……………」

「フン…人間が……舐めるなよ!!」


ワナは剣を召喚して、聖騎士達へ襲いかかってきた。アレキリオンは、すかさずワナの斬撃を受け止めた。


「……もう…死人は出さない…」

「…小癪な……」


そして、アレキリオンは思い切りワナをぶん殴った。ワナは、少し仰け反った。


「……テヤァァ!!」


すかさず、他の聖騎士が追撃を加えワナが攻撃、防御、回避をする暇を与えなかった。


『…これは……少しマズい…ッ……』


その時だった、ワナは半分ヤケになって聖騎士達へ斬りかかった。


「イリスッ!!」

「…はッ……」


傷が痛み、反応が遅れたイリスへ、ワナの刃が近付いてきた。




















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ