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幕開け




「……ここに来てさ…もう結構経つよな…」

「…はい…まぁまぁ経ちますね……」

「だけど……時がめちゃくちゃ早く感じるんだよな……」


この異世界へ来て、結構な時間が経っているが体感的には、全然時が経っていないように感じる。


「………話し過ぎたな…明日は命を賭けたヤベー戦いだ…さっさと寝よう」

「…はい」


そして少し話した後、俺と十郎は明日の戦いの為、寝ることにした。



……



『…エラトマ兄弟があっさりと戦争の申し出を引き受けた事が気になるなぁ……なんだか…()()()()()()()()()()()ような…』


ミユキが外を見ていると、目の前へレインが現れた。


「あれあれあれ!?…安い挑発にのってくれて……戦争の申し出をすぐに引き受けてくれたレイン君じゃありせんか!」

「あぁ…そのレインだよ」


唐突に現れたレインに、ミユキは動揺せず尋ねた。


「何しに来たの?…もしかして3日後とか言いながら今仕掛けてきた?」

「…いや……お前達を殺すのは明日だ…」

「じゃあ何しに来たの?……こんな夜中に…まさか告白しに来たの?」



するとレインは、ミユキの目をジッと見ながら不敵な笑みを浮かべて、質問に答えた。


「……僕達の()()()…計画を教えに来たんだよ…」

「……………は…?……何ソレ…本当の計画…ッ!!」


その瞬間、ミユキは気配を感じ取り、振り返った。すると、背後には何かを持つラインが立っていた。


「…この一瞬を待っていた」

「……あちゃ…これはヤッバ」


ラインは手に持っていた何かを、ミユキの顔へ押し当てた。その何かはミユキの顔を包み込んだ。そしてミユキは、その場に膝をついた。


「…やった……やったぞ!!」

「……あのミユキを…傀儡にできたんだね!!」


夜の闇の中、笑い声がテオロンに響き渡った。



……



「ミユキがいないだと…!?」

「はい……魔法で探したのですが…」

「……決戦まであと2時間だというのに…ッ」


決戦の日、なんだか騒がしいと思ったらミユキさんが失踪したようだ。


「…ミユキさんは……こんな時に一体何処へ…」

「ホント…どこ行ったんだろうね」

「……ひとまず…今はエラトマ討伐の事を考えよう…」


そう言って王達は俺達の前へ立ち、スカーレットさんが俺達の肩に手を乗せて言った。


「…何としても…エラトマを倒すんだ……」

「……僕がしたかったな…」

「だが…命が危うい時は逃げろ……分かったな?」

「はい」


この戦いは、テオロンの命運を賭けた戦いだ、負けるわけにはいかない。


「…さて……あとは肝心の人数だが…」

「……そうだ…人数がいるんだ…」

「一応…テオロンにいる戦士とかに声はかけたんだけど…来るかは…」

「まぁ…いざとなれば兵士と聖騎士…そして私達で戦えばいい…」


するとムサシさんが、遠方を見ながら呟いた。


「………………………むッ…あれは…」

「…え!?」

「……悪い!…遅くなった!!」


遠くから真風、そしてギルドの戦士達が太陽を背にして歩いてきた。


「…この世界へ来た時に離れた人を…集めたりしてな…遅くなっちまった!」

「……ミノルの一件…そして魔族との戦争によって士気が下がってると聞いたが…」

「…『世界の命運がかかってる』って言ったら……士気が一気に上がったよ…」


すると今度は、魔法使いの帽子のシルエットが見えた。


「ジーク君!?」

「…やぁ」


次にやって来たのは、シントウキョーのジークだった。


「…シントウキョーをモンスターから守らなくて…いいの?」

「うん……みんなが『街は俺達が何としてでも守るから…お前は世界を守れ』って言われてね……来ちゃった」


するとシントウキョーの人々と、ギルド戦士達へ続くようにして、いろんな人がやってきた。


「……師匠…俺も呼んでくださいよ…」

「親友の側に…いさせた方がいいと思ってな…」

「…世界の危機を見過ごすわけにはいかなくてね……なぁ…()…」

「…ああ」


「ジプソフィアが丸一日閉まるのは…今日が最初で最後だろうな!」

「…儂等も戦おう」


「……陰陽横丁の象徴であるカオルが…やられて黙っていられるか!…俺達…陰陽横丁も手をかすぜ!」

「「おお!!」」


「………俺達のアイドル(ミユキ)の頼みとあれば…断るわけにはいかないな………デュフw…」

「…最後の『デュフ』のせいでカッコ悪くて草」


「……ミユキは『集まらないかもしれない』と言っていたが………ふふ……集まり過ぎだ…」

「…テオロンのみんな…来てくれたのか……」

「これで勝利は確定だね!」


戦いの時間になった。先頭に立っていると、俺達に負けずとも劣らない数の半透明な兵士を連れた、エラトマの手下がやってきた。


「…梅岡…十郎……頼んだぞ…」

「「ああ」」


そして手下が手を挙げ、振り下ろした瞬間にエラトマの兵士は俺達へ向かってきた。




















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