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死を運ぶ刃




「何だここは」


丘からソフィア村を眺めていたユウトの視界は鳥が目の前を通り過ぎた瞬間、真っ暗になった、さっきまで隣にいたメルトの姿は無い。


[やぁ、ユウトくん]

「あ?」


目の前には中性的な顔と体型の人間が立ち、眩い後光がさしている。神々しいが、どこか邪悪な雰囲気がしていた。


「誰だよお前は、ここはどこだ」

[質問は一つずつしてくれよ]

「じゃあ、お前は誰だ」


その人間は絵画に描かれている女性のような笑みを浮かべて答えた。


[最初に誕生した、君達風に言うならばモンスターさ、名前はオリジン。種族的には吸血鬼の始祖になるね]

「ふーん…で?……そんなご大層なお方が俺に何か?」

[君に会ってみたくてね、神すら破壊する力を持つ君に]


そしてオリジンは優しい声で囁くように言った。


[……()()()はまだ来なさそうだな…]

「…あの子?」

[……なんでもない…]

「なんだよそれ」


ユウトが頭を掻きながら呟くとオリジンは「あっ…」と声を漏らした。


[…そろそろ…時間切れか……]

「え?」

[……予想以上に面白い人間だったよ…君は………それじゃあ」



……



「勇者様!?」

「あ…」


ユウトの目の前には大空が広がっていた。


「なんだったんだ?」

「どうしたんです!?…突然倒れましたけど!?」


ユウトが辺りをキョロキョロするとメルトが心配そうに尋ねた。


「どうしたのですか…?」

「寝不足だ」

「…寝不足?」

「ああ、少し寝る」


ユウトは丘の上で寝る事にした、梅岡や十郎がここに来るのはそこ一時間後であった。



……



「……マジかよ…」


十郎はゴブリンに向かってナイフを投げている、そしてナイフはゴブリンの胸や頭に的確に命中していた。


「…攻撃を避けながらナイフをピンポイントで投げて命中させる…人間じゃねぇな…アイツ……」

「君でも無理な芸当なの?」

「当たり前だろ…あんなのができるのはアイツくらいだ」


ナイフを投げて、ゴブリンに突き刺す、そしてナイフは手元に戻ってくる、そしてまた投げる。それでナイフは永久的に投げられるが……


「体力凄いね」

「ああ…体力があまり減らないようになる独自の呼吸法を編み出したからな…しかも何分も投げてるのに速度は疎か精度も落ちていない……むしろ…向上している…」


十郎は学習能力が高く進化する。十郎の他にも学習能力の高い天才はいるが、十郎のあの成長スピードは正直異常だ…()()()()()()……


「……あっという間に残り5匹か…」


ゴブリンは残り2匹になった、辺りには結晶が山ほど落ちている。


「…ギャギィイッ!!」


2匹のゴブリンがナイフを持って同時に十郎に飛びかかり十郎は倒れ、ゴブリンは倒れた十郎へ馬乗りになった。


「大丈夫か!?」


すると、ゴブリンが苦しみだした。十郎は2匹のゴブリンの胸にナイフを突き刺さしていた。そして2匹のゴブリンからナイフを引き抜くと結晶になった。


「やっぱり軽いナイフは使いやすいですね」

「…ヒヤヒヤさせやがって……まぁ…お前が負ける事は無いけど」

「……それで?……辺りに散らばったこれ(魔素)…どうする?」

「そのままにしておきましょう」



……



俺たちは魔素の山をそのままにして山へ向かった。山は近くへ行く程、不気味な気配が増してゆく。


「……なんか…山そのものがモンスターみたいだな」

「そうですか?」


十郎は不気味な気配を感じているはずだが、表情を全く変えない。


「…そうこう言っているうちに山の入り口へ着いたしよ!」

「山へ行く前に前に森を抜けないといけませんね」


俺たちが目の前にある森を見た、奥には山がある。するとホワイトが俺たちに言った。


「それじゃあ…僕はここら辺で」

「どこへ?」

「ちょっと大事なことを思い出してさ…また会おう」


ホワイトは手を振って俺たちの前から消えた。


「……じゃあ…行くか?」

「はい」

「お前…怖くねぇの?」

「はい」


俺は聖龍と邪龍がいるせいか重々しい雰囲気に圧倒された。


「不気味な雰囲気が…重々しい雰囲気になった……」

「大丈夫ですか?」

「ああ…行くぞ…」


俺たちは森へ進んでいった。辺りは木に包まれているが、その木々さえもモンスターと感じてしまう。


「…マジで不気味な森だぜ……」


その瞬間に俺の脳内に危機を知らせるアラームが鳴り響いた。


「十郎…!」

「分かってますよ」


俺たちは木々へ隠れた。その瞬間に黒い龍が飛んできて口から黒い炎を吐き出して道を燃やした。


「グロォォォォ!!!」


黒い龍は咆哮して飛んでいった…危ねぇな……


「…なんだよ一体……あれが邪龍か?」

「おそらく」


邪龍は目の前にある山へ飛んでいった。












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