空間異常
「……何かが埋まってるね……みんな!…離れて!!」
「ああ…」
王達は言われた通り離れた、ミユキはそれを確認して地面に魔法を展開した。
「…【物質削除】……」
その瞬間、地面が消滅して穴が出来た。穴の一部分は階段状になっており、降りられるようになっていた。
[……高度な魔法だね…]
「……ドーム…か?……それは…」
王達が階段を降りると、穴の中心には扉の付いたドーム状の小屋の様なものがあった。
「………この奥に…世界とやらが…ある……」
「…行こう!」
ミユキが扉を開くと、下へ続く階段があった。下は見えない。
「……これを降りるのか…」
「…ドキドキするねぇ!」
[さて…何があるのか…]
王達は、階段をゆっくりと降りていった。階段を降りる音が、不気味に響いていた。
「……これは…」
少し降りると壁が消え、辺りは宇宙の様な、不思議な空間と化していた。
「…幻想的〜!」
「……魔法か…?」
宇宙を見ながら階段を降りていくと、太陽の様に明るい光が見えてきた。
[一番下へ着いたのかな?]
「…さてさてさーて……何が待ち受けているのかな!」
王達は光の中へ入っていった、すると辺りの宇宙を光が包み込み、真っ白になった。
「……うぉぉ…」
[これは…]
「………………………摩訶不思議…」
階段を降りた王達の目の前には、平原が広がっていた。上を見ると、空もある。降りてきた階段は、空へと伸びていた。
「地下世界…?」
「とにかく進んでみよう!」
平原に降りて、王達は平原に向かって歩き始めた。
「……この平原に生えている草木は…地上のものと同じものだ…」
「…一体どうやってこの様な空間を……」
するとミユキとオリジンが、歩きながら王達へ言った。
[……この世界を構築しているのは…かなり強い魔法だね…]
「うん…その魔法が今も動き続けてこの世界を…保っているんだ……どうやっているのかは分からないけどね…!」
「…魔法……やはりか…」
王達が歩いていると、目の前は断崖絶壁になっていた。下は空間が歪み、蠢いている。
「……この世界みたいに…空間を創る魔法は……発動者がダメージを受けると…空間に歪みが発生する……」
「…そして……歪みに飲み込まれた生物は…空間と一体化してしまう……運が良かったら…別の世界に飛ばされるだけだがな……そうだろう?」
「よく分かってるジャン!」
ミユキは近くにある石を拾って、歪みへと投げた。石は歪みへ落ちた瞬間、奇妙に捻れて消滅した。
「だが…渡るしかない……」
「…だな」
王達は目の前をジッと見た、王達の目の前には薄っすらと建物が見えていた。
「…あの遠くに見える建物……あそこに人間と魔族の記録がある可能性大ッ!!」
「………………………渡るか…」
「マジで渡るの?……落ちたら死んじゃうよ…?」
「そうだな…だが渡るしかない」
そしてレクスは、断崖絶壁へと踏み込んだ。普通なら落ちる筈だが、レクスは床の無い場所へ立っていた。
「……魔法で足場を作った…余の後ろへピッタリついてこい…」
「スゲイ!」
王達はレクスを先頭に、空中を歩いていた。歪みは、王達を誘うように揺らめいている。
「…高所恐怖症の人は渡るの無理だね……」
「……あぁ…そうだな…」
「………………」
ミユキは下の歪みを、ジッと見ていた。そして少し歩いていくと、建物がハッキリと見えてきた。
「…もうすぐツッ!?」
「……どうした!?……ッ!!」
スカーレットとムサシは、絶句しているレクスの見ている方向へ向いた。そして思わず呟いた。
「……………………ミユキ…」
ムサシの後ろで歩いていた、ミユキの姿が無かったのだ。王達が下を見ると歪みが蠢いていた、まるで何かを飲み込んだかのように。
「…………行くぞ」
「……そうだな」
王達は、静かに建物へと向かって行った。その目に悲しみは浮かんで無く、真っ直ぐとしていた。
……
「…まるで城だな……」
王達は断崖絶壁を越えて、謎の建物まで辿り着いた。その建物は、存在感のある城だった。
「……中へ入るぞ」
「…ああ」
城の門は脆く、魔法で容易く破壊出来た。門を破壊して城の敷地内へと入ると、庭は不思議と綺麗だった。まるで誰かが、手入れをしたように。
「誰かいるかもしれないな…」
「…気配は無いが……用心するに越した事はないだろう……」
扉を開け城の中へ入ると、中は王達が普段いる城と同じ様に整えられていた。
「………何百年以上…誰も住んでいない筈なのに……中が荒れてなさ過ぎる…」
「…逆に不気味だな……」
ゆっくりと歩き、辺りを警戒しながら進んでいくと、王座のある王の間へと辿り着いた。
「王の間か……」




