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情報漏洩




十郎が凄い速さで、パスワード入力画面に文字列を打った。


「パスワードは……[46101264836999892256959688159205600101655256375678]…ですね……円周率の9950桁目から…丁度1万桁目までの数字です」

「しかし何故…悪神がその組織と同じ暗号化の手法を…」

「…それはね」


その瞬間、誰かが俺の肩に触れた。位置的にジークでも、十郎でもない。


「……ッ!?」

「うおっと!……いきなり殴りかかってくるなよB-BOY!」

「…お前は……」


そこには禍々しい雰囲気の青年が立っていた、俺達は構える。


「誰だお前は…」

「悪神のライン……と言ったらどうする?」

「ありがてぇ…!」


俺は神斬りを抜き、ラインの目の前へ立って言った。


「敵の方から出てきてくれるとはな…」

「その刀で俺を斬るつもりか」

「ああ…死なない程度にな…!」


神斬りを振った瞬間、ラインの言葉を聞いて俺は寸止めした。


「………なんだと…?」

「だから…君達の両親を殺した黒幕を知ってるって言ってんだ……」

「…なッ!?」


十郎もその言葉を聞いて、思わず声を漏らした。


「……ふふ…黒幕ってのはね………俺達悪神さ!」

「「ッ!」」


頭が真っ白になった。俺達の目の前に、仇がいる。


「………なん…だと?」

「……挑発じゃあないぞ?…真実だ」

「な……何故…僕の……僕達の父さんを!…母さんを殺した!?」


十郎がポーカーフェイスを崩して、ラインへ問いただした。


「…君達の両親はね……ホワイトと繋がりを持っている数少ない人間だった…」

「……なに?…父さんや母さんが…?」

「ああ……俺達はホワイトに…俺達がどれだけヤバい奴なのかを知らしめる為に…裏社会の奴等を使って…お前らの親を殺したんだ…!」


そんな理由…そんな理由で……お前らは…ッ!!


「…そんなクソみたいな動機で……父さんや母さんを…ッ!!」


俺の激しい怒りは、背後から怒涛の如く押し寄せた殺意、忿怒、怨みによって掻き消された。


「ふざけんなよ……悪神!!」

「十郎…よせ……!」

「……………ジーク…さん……は黙ってろ…」


十郎は赤黒く染まった刀を出すと、ライトへ向かって斬りかかった。刀は十郎の言ってた、メメントモリとかいう業を使っている。しかし刃は、ラインの身体をすり抜けている。


「テメェの全身の骨を砕いて…内臓引き摺り出してやるよ…!」

「…おーこわ……というか…お前はそんな事を言う子では無かっただろう…」


そして、獣の如く刀を振り続けていた十郎は、何かを察したのかラインとの距離を置いた。


「…【死を持って死ね(メメント=モリ)】……まさかソレを使えるとはな……」


ラインは少し考えた後に、剣を召喚すると高速で、十郎との間合いを詰めた。


「……一応…殺っとくか!」

「…ッ!」


怒り狂う十郎は、反応が遅れた。俺は急いで十郎の元へ走るが、この距離では間に合わない。


「………ジークゥ…お前がいるのをすっかり忘れていた…」

「…腐っているな……悪神…」


ジークが十郎の目の前で、防御魔法を展開していた、だから十郎は無傷だった。


「…………これは……」


ラインはジーク達から離れ、剣を消し、周囲を見回すと言った。


「……十郎と梅岡を殺すのは無理そうだな…」

「…………………」

「…しゃーねぇ……帰るぜ……パソコンは破壊したし…」

「……なッ…」


ワームホールの中へ、ラインは消えた。俺達がパソコンを見ると破壊されていた。


「…手がかりだったかもしれないのに……」

「……だが…それよりも……父さんや母さんの仇が……あの悪神だったとはな…」


俺は十郎を見た、十郎は顔の汗を拭き取るとジークに言った。


「………先程は…ありがとうございます…」

「いや…それはいいんだ……」


少しの沈黙が、俺達を包み込んだ。少しして沈黙を破ったのは、十郎だった。


「……とりあえず悪神の居場所を絞る事は出来ました…」

「…居場所?」

「はい…」


十郎は暗号の書かれていたメモの裏側に、地図を書き始めた。地図を見ると、それはこのテオロンの地図だった。そしてライド大陸にマークがしてある。


「…おそらく……ライド大陸の何処かにアジトがあります…」

「……何故…ライド大陸にいるんだ?」


ジークが尋ねると、十郎は壊れたパソコンから、USBメモリーを取って答えた。


「…悪神が来た時……手掛かりを知られないようにパソコンを破壊すると思っていたので……一つでも手掛かりを得ようと適当にファイルを開いたのです…」

「そしたら…十郎君の書いたものと同じ画像があった…という事か?」

「はい」


その後に、メモリーを見せながら続けて言った。


「そして…壊されると思いながらも…メモリーを挿しておいたのですが……壊れていなくて安心しました…」

「……ナイスだな」

「…帰って見てみましょう」
















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