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あの出来事の真相




「おい」

『…ッぶねぇ……反応するところだった…」


背後からオッさんの声で話しかけられたので、思わず反応するところだった。


「雄家悪胃惡意苧迱處荽」

『お前が先行なら俺は閃光の如く殺して線香立てる、まるで戦闘民族。Yo、だけどもお前は即興性が無い、だから俺にぐうの音も出ない生ゴミ。もしくはオロナミンC、韻に特化し過ぎちゃったホメオティック遺伝子…!』


俺が気を紛らわそうと、心の中を言葉で埋め尽くしていたその時、ヌメヌメする手で肩を触られた感触がした。


『…无!!』


身体中の鳥肌が立ち、声を出して逃げ出しそうになったがジークの肩を掴んで何とか持ちこたえた。その数秒後に手の感触は消えた。


『……危なかった…声が出そうになった…オランジーナを飲んだ…もしくはコーヒー入れた……』


すると目の前へ商店街の出口らしき門が見えてきた、門の向こうは光に照らされている。


『…やっと出口か?』


門から出て、目の前が光に包まれた。そして、光が消えると、俺達は遺跡の中へ立っていた。


「……いつまで俺の肩を持っているつもりかな…?」

「あ…すまん」


俺はジークの肩から手を離した、するとジークが目の前を見て言った。


「…この先最下部だ」

「え?…この先が?」

「ああ…この先にはトラップや結界が無い……どうやらあの異界へ飛ばされるトラップが最後のトラップだったようだな…」


さっきの商店街は異界だったのか、どうりで変な商店街だったわけだ。


「……この階段を下れば…悪神のいた場所に着く…」

「よっしゃああ!…行くぜ!」


俺達は下へ続く、長い階段を降りていった。遺跡の中で、俺達が階段を降りる音だけが反響する。そして、神社や寺の階段みたいに長い階段を降りると光が見えた。


「…これは……」

「こんなアジトなんだ…」


遺跡の最下部にある、悪神のアジト。そこは、デスクトップパソコンとゲーミングチェア、高そうな机が置いてあった。周りには飲料が入っている冷蔵庫もある。


「…まるでゲーマーみたいな部屋ですね……」

「ああ…こんなんだったとはな……お!…エナジードリンク…」

「……よく躊躇なく飲めるね…」

「当たり前よ…疲れてるからな…」


俺は冷蔵庫の中に入っているエナジードリンクを飲んだ。


「…うま」

「……とりあえず…悪神の行方の手がかりになりそうなものを探しましょうか…」


俺達はアジトの中を、物色し始めた。しかし、簡単に手がかりは見つからない。


「何も無いな…」

「……ん?」


その時、十郎が落ちているメモを手に取って、凝視し始めた。


「…何だソレ?」

「………なるほど…」


十郎はメモを捨てて、パソコンを起動した。俺とジークがパソコンを覗き込むと、パスワード入力画面が映し出されていた。


「ログイン出来んのか?」

「…さっきのメモに……暗号化されたパスワードが書かれていました…」

「なに?」


俺がメモを拾って見ると、そこには数字と英字の羅列が17行書いてあった。


「え…こんなの分かるわけないだろ…」

「……この暗号は…僕が裏社会へ入った時…父さんと母さんの死に関与した組織と全く同じ手法で暗号化されたものだったので…簡単に解けました…」

「…なるほどな……」


十郎が凄い速さで、パスワード入力画面に文字列を打った。


「パスワードは……[46101264836999892256959688159205600101655256375678]…ですね……円周率の9950桁目から…丁度1万桁目までの数字です」

「しかし何故…悪神がその組織と同じ暗号化の手法を…」

「…それはね」


その瞬間、誰かが俺の肩に触れた。位置的にジークでも、十郎でもない。


「……ッ!?」

「うおっと!……いきなり殴りかかってくるなよB-BOY!」

「…お前は……」


そこには禍々しい雰囲気の青年が立っていた、俺達は構える。


「誰だお前は…」

「悪神のライン……と言ったらどうする?」

「ありがてぇ…!」


俺は神斬りを抜き、ラインの目の前へ立って言った。


「敵の方から出てきてくれるとはな…」

「その刀で俺を斬るつもりか」

「ああ…死なない程度にな…!」


神斬りを振った瞬間、ラインの言葉を聞いて俺は寸止めした。


「………なんだと…?」

「だから…君達の両親を殺した黒幕を知ってるって言ってんだ……」

「…なッ!?」


十郎もその言葉を聞いて、思わず声を漏らした。


「……ふふ…黒幕ってのはね………俺達悪神さ!」

「「ッ!」」


頭が真っ白になった。俺達の目の前に、仇がいる。


「………なん…だと?」

「……挑発じゃあないぞ?…真実だ」

「な……何故…僕の……僕達の父さんを!…母さんを殺した!?」


十郎がポーカーフェイスを崩して、ラインへ問いただした。


「…君達の両親はね……ホワイトと繋がりを持っている数少ない人間だった…」

「……なに?…父さんや母さんが…?」

「ああ……俺達はホワイトに…俺達がどれだけヤバい奴なのかを知らしめる為に…裏社会の奴等を使って…お前らの親を殺したんだ…!」


そんな理由…そんな理由で……お前らは…ッ!!


「…そんなクソみたいな動機で……父さんや母さんを…ッ!!」


俺の激しい怒りは、背後から怒涛の如く押し寄せた殺意、忿怒、怨みによって掻き消された。
















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