異世界に行く事になったぜ!
「…ここは……」
「………」
俺は確か…十郎を戻そうとしていた筈……すると俺の目の前に白い髪の子供が現れた。その隣には黒い子供。
「…ごめん……大事な時に呼んで…」
「……状況から察するに…あなたは神ですよね?…僕たちに何かようですが?」
すごいな…状況把握能力が…つかこの子供神なのか!?
「やっぱりすごいなぁ…十郎君は……そうだよ!僕は主神をやってるテオス・ホワイト!…隣に立ってるのは僕の兄のテオス・ブラック!」
「え?…十郎の事知ってんの?…というか…神…?」
「うん!…僕たちは全知全能だからね!」
「…自分で言うか…」
するとホワイトの横に立つブラックが口を開いた。
「…お主たちを呼んだのはやってほしいことがあるからだ」
「……なんですか?」
「とある異世界に潜むとある神を見つけてほしい」
「異世界?…神…?」
異世界って…ラノベとかの?……俺が困惑しているとホワイトが話し始めた。
「…僕たちは神々を統率する主神という存在でね…世界は一人の神が管理してるわけ」
「その神の中に神の規則を破った者がいる。我々はそれを感知し、探すように命令したが…尻尾が掴めなかった」
「そんな時にその神…悪神が隠れてる世界が分かったの!…けど僕たちは世界の中に入ってはならないの」
「だからお前たちを送り込み、その悪神を見つけて、我等に伝えてほしい…」
要するに、神の規則を破った悪神を見つけろって事らしい。
「…何故、僕たちなのですか?」
「そりゃあ…なんといっても君は僕の……いや…何でもない!…十郎君と梅岡君にしかできないからね!」
「なんといっても…」から先が気になるが、置いておこう。
「…駄目なら元の世界に戻すけど…」
「やるしかないだろ……お前を戻すのはこれが片付いてからだ」
「思ったのですが…戻すも何も僕は何処も変わってませんよ?」
「…気付いていなくとも…俺から見てお前は変わったよ」
するとホワイトが指を鳴らした。俺たちがその音に反応してホワイトの方を見るとさっきまで無かった筈の扉が出現していた。
「…この扉から行けるけど…この先の世界の説明聞く?」
「どんな世界か分からないからな…頼む…」
「…えーと…この世界はレイド大陸とライド大陸という二つの大陸から成り立つ世界で…」
俺たちの行く異世界はレイド大陸とライド大陸の二つの大陸からなる世界、そして通貨は1円が1Gらしい。
「それじゃあ…はいこれお金」
「……10万円!?…こんなにも…良いの!?」
「うん」
そしてモンスターという生き物が存在し、そいつは襲ってくる、だが倒すと消えて、魔素と呼ばれる結晶を落とす。ちなみに危険度の高いモンスターの魔素は武器を作る際に素材として使うと強力な武器ができるらしい。
そして街や国がある。文明的にはよくある異世界くらいらしい、だが、電化製品とかを作ってる先進国もあるようだ。その他には、魔術、魔法があるファンタジー的な世界のようだ。
必見すべきはギルド。俺たちの追う神によって異世界に迷い込んだ人々が大体加入するらしい。ギルドはこの世界でモンスター討伐などの依頼を受けて戦うよくある設定だ。
あとは、危険度。モンスターにも危険度が存在し、それを見て倒せるか倒せないかを判断するらしい。危険度はこの通りだ。
SSS>SS>S>A>B>C>D>E
あとは、俺たちみたいな世界の外から来た人は使えるものがあるそうだ。
「…少し手を借りるよ」
ホワイトが俺たちの手を握った。すると俺たちの目の前によくあるステータスバーのようなものが出てきた。
「…それは自分の装備を瞬時に変える事ができるし、持ち物も出し入れできる便利なものさ!…人間やモンスターの戦闘力も測ることができるよ!」
俺は早速自分の戦闘力を測ってみる事にした。
「…500だそうだ」
「え!?…ウソ!?」
「…どうした?」
「……梅岡君…格闘技やってた?」
「なんでだよ」
「…それ一般人は10で…喧嘩が強い不良が50…そして格闘家が平均150くらいだから…」
なんだって!?…俺ってまぁまぁ良くないか…?
「…十郎を止めるには生半可な実力では無理だ……だから格闘技を教えてもらってたけど…」
「へぇ…じゃあ梅岡さん格闘技使えるのですね」
「…強い理由が分かった気がするよ」
「……けど…十郎にはまだまだ遠い及ばなかったようだな…」
十郎の戦闘力は9万と表示されていた。信じられるか?…9万って…バケモノだな…
「…9万かぁ……君達の世界では十郎君に勝てる人はいないだろうね…この先の世界でも…数人しか…」
「…お主たちの行く世界には猛者も少なからず存在する…気を付けるのだぞ」
「…分かった」
「……さて…行きましょうか」
俺たちは扉の中へ入っていった。そして視界は再び真っ白になった。
……
「…という事ですけど…梅岡君を借りてよろしいですか?」
「ああ……あのような未熟者で良ければな…それに修行にもなる」
「…あなたも…本当に異世界へ行っていただけるのですか?」
「ああ」
二人の男が扉に入る二人を見ながら承諾した。
「……梅岡め…まだまだ教える事があるというのにあの者に挑むとは…」
「若さ故の行動というものだ」
「…兄者…そんなせっかちな弟子だが…梅岡を…宜しく頼む…!」
「…分かっておる」
二人の後を追うように一人の男が扉に入っていった。