表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
198/457

パラダイスへ至る道




「そして…この神殿はとあるモンスターを封印する為に古代に建てられた事も分かった…」

「ふむ…」


すると話した後に、ミユキさんは王達や俺達へと語りかけた。


「…おかしくない?」

「……おかしい?」


ミユキさんは、映像を切り替えた。切り替わった映像には、ボロボロの本が映し出されている。


「…この本には……魔族と人間が何故敵対したかが書かれている…」

「………そんなものが…」

「内容を要約すると……何千年も前…魔族と人間は共存していたが…ある日人間の王が軍に命令して…魔族を虐殺し始めた……そして…敵対し始めたと…」

「…確かに……その本の内容が同じなら…矛盾が生じているな…」


王達は映像を見て、呟いていた。何がおかしいんだ?


「…どこかおかしい所ある…?」

「……モンスターの起源は知ってるよね?」

「あぁ…ユウトさんがぶっ倒した神の力が…このテオロンに落ちて…そこからモンスターが……あ!」


その時やっと、俺は何がおかしいかが分かった。


「…神の力がテオロンに落ちてきて…モンスターが生まれたのは……数年前だ!」

「そう…魔族の存在は数千年も前から確認されていた……だから…モンスターとは()()()()なんだ…」

「……魔族の事など…気にも留めていなかったが……数千年前から存在していたのか…」


そしてミユキさんは俺達も持っている、オリジンを取り出して説明した。


「うん…それでモンスターの起源を調べたら……オリジンがモンスターを生み出した事が分かったよ……オリジンは悪神から剥がれ落ちた能力である…[想像したものを創造する能力]だったんだ……そのオリジンが…魔族を読み取って…似たような生物を創った…」

「なるほど…」


王達はミユキの持つオリジンを、ジッと見ていた。


「…あの神殿の迷宮に封印されていたモンスターや…魔族はモンスターに非ず……」

「別の生物ということか…」

「……今思えば…魔族の魔素とモンスターの魔素は…構造が違ったな……」


俺達が映像を見ていると、ミユキさんが俺達に言った。


「モンスターと魔族の違いが分かったところで…梅岡君と十郎君に頼みがある!」

「……………え?…俺達?」


ミユキさんがそう言うと、いかにもな遺跡の映像に切り替わった。


「ここは最近発見された…悪神がアジトにしていた遺跡なんだ…!」

「……ふむ」

「まぁ…元だけどね……見つけた時に魔力探知機で生物の反応を調べたけど……悪神の反応は無かったから…」


悪神の元いた場所か、アイツこんな所にいたんだな。


「………このアジトに…もしかしたら何か手掛かりがあるかもしれない…だから梅岡君と十郎君に調査してきてほしい!」


悪神の元アジトか、確かに手掛かりがあるかもしれないな。そして映像を消すと、続けて俺達に言った。


「…と言いたいのだけど……この遺跡は中がとても複雑でね…魔法に卓越していなければ最下部に降りる事が困難なんだ……」

「じゃあ…どうやって降りるんだ?」

「……僕ミユキを含む王達は…()()()をしないといけないから同行できない……」

「……じゃあ…どうするんだ…?」


するとミユキさんは、手紙を取り出した。


「…この手紙を持って……パラダイスと呼ばれる場所に行ってほしい…」

「……なるほどな…」

「…え?……何で?」


俺が戸惑いながら尋ねると、ミユキさんは笑顔で答えた。


「……そこに…助っ人がいるからさ!」

「助っ人…ですか…?」

「まぁ…言ってみれば分かるよ!」

「はぁ…」


ミユキさんの手紙を受け取って、俺達は立ち上がった。


「それじゃあ遺跡の探査…頼んだよ!」

「はい!」


そうして俺達はエリアスを出て、パラダイスと呼ばれる大地へと歩き始めた。


「パラダイスってどんな場所なんだ?」

「…スマコにも情報がありませんね……」


スマコで調べても、パラダイスの情報は一切載っていない。一体どんな所なんだ……


「とりあえず…行きましょうか」

「……なんだか…俺達この異世界(テオロン)に来てから歩きっぱなしのような気が…」



……



「………なぁ…パラダイスってどの辺にあんの?」

「位置的には…この森を抜けた先のようですね…」

「…よし……それじゃあさっさと抜けるか!」


俺達は、薄暗い森の中へ足を踏み入れていった。森は俺達が行ったことのある中では、比較的明るい。


「……暗所恐怖症に優しいな…この森は…」

「…そうですね」


俺達はゆっくりと警戒しながら、森の中を進んでいった。その瞬間、見覚えのあるモンスターが俺達の目の前へ現れた。足元には魔素が落ちている。


「…ハァ……マジかよ…」

「……またですか…」


[アビスゴブリン]


危険度SS

アビスの影響により変異したゴブリン。魔法を扱い、とてつもない生命力を持つ。知能は無く、目の前にいる生物を人間でもモンスターでも見境なく襲う。


「……ん?…ちょっと待て…」

「…!」


俺は腰にある刀を抜いた。抜いた瞬間、刀は赤黒い波動に包み込まれた。


「…梅岡さん?」

「……神斬りなら…コイツを…」


その時、アビスゴブリンが斧を振り上げた。そして斧が俺に当たる刹那、一閃、俺はアビスゴブリンを斬った。


「オラァァア!!」

「………グロロ…」

「…身体が…!」


アビスゴブリンの身体にヒビが生じて、アビスゴブリンは霧と化した。アビスゴブリンがいた場所には、魔素とアビスが落ちていた。















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ