四人のソウル
職員達が全員眠っているのを確認して、俺とスグルは煙を消した。そして、役場の中へ突撃した。
「……どうやってサイレン鳴らすんだ!?」
「…このボタンじゃない!?」
マコがボタンを指差して言った、アランはそれを見て言った。
「…それだ!…押して!」
「……えい!」
ボタンをマコが押した瞬間、耳に響くサイレンが鳴り始めた。
「よし!…逃げるぞ!」
俺達は入り口へ向かって走っていった、すると、入り口には俺達くらいの魔族が立っていた。
「………最悪だ…」
「…勝手にソレ…鳴らしちゃ駄目だよ…」
「……双魔のサラン…!」
その魔族は、魔王の四騎士の一人である双魔のサランだった。クソ、最悪だな!
「役場の職員達を…眠らせてサイレン押して……何が目的?」
「…………………」
「とりあえず…城に連こ…連行…連行して……アッ……駄目だよ…サランさん…!」
突然、サランは右左見ながら呟き始めた。
「連行じゃあだめよ…サランくん……こんな馬鹿達は…焼き殺さないと!」
「…うわッ!」
サランは女のような口調になり、巨大な炎球を飛ばしてきた。
「……【魔法防壁】…!」
「…アラ……【魔法防壁】を使うなんて…驚いたわ…」
「…マコとスグルは職員が傷付かないように…役場に結界を!……俺とアランが外でサランの相手をする!」
「…………分かった…!」
そして俺とアランは、同時に風魔法を発動して、サランを役場の外へ飛ばした。
「……そこそこ魔法は扱えるのね…!」
「…オーナーに……教わったからね…!」
外に出て俺とアランは、サランと向かい合った。
「………さて…やろうガッ!?」
「マルコン!」
顔に痛みが走った、一体何が起きたと思ったら、サランが俺の顔面に向かって蹴りを食らわせていた。
「…ブッ!」
「大丈夫か!?」
俺は転がるように吹っ飛んだ、それを見ていたアランがサランに向かって蹴りかかった。
「……こんの!」
サランはアランの蹴りをかわして、掌に炎系魔法を創り出した。
「…コレでも食らって死んでなさい…」
「……ッ!!」
掌の魔法をサランが、アランに向かって放り投げると巨大な炎と化し、アランに襲いかかった。
「うぉぉ!!」
「マルコン!」
「俺の後ろへ!!」
俺はすぐさま起き上がって、アランの目の前へ立ち、叫んだ。
「…【リフレクトシールド】…!」
炎は俺の魔法にぶつかると、反射してサランの方へ飛んでいった。しかし、反射出来た炎はサランの飛ばした炎よりも小さく、反射出来なかった炎は俺を燃やした。
「うぐぁ!…クソ……俺の想像力では…全て反射するのは無理か…ッ…」
「…ふふ……小さい火ね……まるで蝋燭の火みたいね…」
サランは反射した炎を、水系魔法で簡単に消化した。そして不敵な笑みを浮かべながら、早くも満身創痍の俺に言った。
「……魔法の強さは想像力の豊かさで変わる……」
「それが何だ…」
「貴方達の想像力は…私やサランくんの半分にも満たない……そして…」
笑みを浮かべてサランは右手に炎系魔法、左手に水系魔法を生み出した。
「私とサランくんは一心同体……これが何を意味するかは分かるわよね?」
「………そういうことか…」
アランは何かを勘付いて、サランに言った。
「アンタは二重人格ってわけか……それで…私達よりも強い想像力を持つ人格が二人だから…私達に勝ち目は無いと…」
「…まぁ…そういう事ね…」
なるほどな、俺達を上回る想像力を持つ人格が二つあるから、俺達に勝ち目は無いってわけか。
「……それじゃあ…サランくん…やるわよ」
「…………デカイのが来るよ…」
「…ああ」
その瞬間、予想通りサランは水と炎の融合した波動のような魔法を、俺達に飛ばした。
「………【リフレクトシールド】…!!」
「無駄だよ!!」
「…そうかな?」
俺のリフレクトシールドに、アランが自分の想像力とソウルを流し込んだ。すると、リフレクトシールドはより強力になった。
「…一人で駄目なら…二人!!」
しかし、それでも反射するにはソウルが足りなかった。その時、リフレクトシールドに莫大な想像力とソウルが流れてきた。
「……二人よりも三人!」
「三人よりも……四人」
「…お前ら……」
俺達を見ていたマコとスグルも、リフレクトシールドへ想像力とソウルを流し込んだ。
「……くッ…この…」
「…跳ね返すッ!」
サランの波動は、反射してサラン自身を飲み込んだ。
「う…ぉぉぉおおお!!」
そして波動が消えると、サランは静止した。そのまま数秒後に膝をついて倒れた。
「………やった…」
「…倒した!」
「……………よし…!」
「……やったな…」
俺達はその場で、勝利を収めて喜んだが、アランがハッとして言った。
「喜んでいる場合ではない!…早くカフェへ戻らないと…!」
「あ…あぁ…そうだな…」




