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終了条件:サイレンを鳴らせ。




アザミさんは十郎の質問に対して、少しの沈黙の後に答えた。


「……友を地に堕とす事は出来なかった…たとえ……変わり果ててしまったとしても…」

「………………」

「それに…可能性を…信じていたのです……魔王が…もしかしたら…元に戻るかもしれないと……」


少し悲しみの混じった声で、アザミさんは言った後、ミユキさんを見て続けて言った。


「しかし…ミユキさんの話を聞いて目が覚めました……魔王は一度…王座から離した方が良いと…」

「アンタらは魔王を倒そうとしなかったのか?」

「…俺達はオーナーに従っただけだ……オーナーが魔王を倒したいのならそれを手伝うし……嫌なら何もしない…」

「……だからかぁ…」


すると、ミユキさんがスマコから紙を取り出して俺達の前に広げた。


「言い忘れたけど…これが作戦…こんな感じで特大スクープの載った新聞を配るから…!」

「……なるほどな」


俺達が作戦の書かれた紙を見ていると、アザミさんが時計を見て俺達に言った。


「…この時間は兵士達が警備の交代に入る為…チャンスだと思います…」

「……じゃあ行く?…作戦は分かったよね?」

「…ああ」

「よっしゃ!…行くか!」


俺達はローブを身にまとって、カフェの外へ出ていった。



……



「……オーナーとアキさんは大丈夫かな」

「…大丈夫だろ……あの二人本物のバケモノだし…」


俺達スタッフはオーナー、アキさんとは別行動になっていた。


“君達スタッフとマスターは…役場で災害時に鳴らす避難命令のサイレンを鳴らしてほしい…そうすれば…家にいる魔族市民が外に出るから新聞を手にとってくれる…”

“…分かったぜ!”

“あと……アキさんとオーナーは時計塔と…役場に向かってくる兵士達を食い止めていてほしい…!”

“……分かりました…”


「しかし……役場を制圧することに…なるとはな…」

「……けど…ウチらに出来るのかな…」


俺達は役場へ向かいながら、制圧なんて事が出来るのか、という話をしていた。


「…出来るさ……私達なら…」

「俺達は無敵だ!…絶対出来る!」

「……暑苦しいよマルコン…それに……大声出したら…兵士が来ちゃうじゃん…」


スグルに言われ、俺は少し声のトーンを下げた。危ない危ない、そういえば兵士にバレたらいけないんだった。


「悪い!…だが兵士は交代中でかなり少ない!…多少は大丈夫だ!」

「………まぁ…そうかもしれないけど…」


するとマコが、俺達の目の前を指差しながら言った


「……あ!…役場についたよ!」

「話してたら着いたな!」


色々と話していると、俺達は役場に到着していた。到着すると、俺とスグルは掌に煙を創り出した。


「…【マジックミスト】…!」


そしてその煙を、役場の中へ放り投げた。その瞬間、煙は役場中に広がって職員の視界を奪った。


「な…何だ何だ!?」

「……この煙は…!?」

「…ゴホッ!…ゴホッ!!」


煙を吸って、職員達は咳き込んでいた。


「マコ!…アラン!」

「……ああ…!」

「分かってるよ!」


アランとマコは、職員達を素早く魔法で眠らせた。


「…よし……いいよ!」

「……ごめん…職員さん…」

「突撃だ!」


職員達が全員眠っているのを確認して、俺とスグルは煙を消した。そして、役場の中へ突撃した。


「……どうやってサイレン鳴らすんだ!?」

「…このボタンじゃない!?」


マコがボタンを指差して言った、アランはそれを見て言った。


「…それだ!…押して!」

「……えい!」


ボタンをマコが押した瞬間、耳に響くサイレンが鳴り始めた。


「よし!…逃げるぞ!」


俺達は入り口へ向かって走っていった、すると、入り口には俺達くらいの魔族が立っていた。


「………最悪だ…」

「…勝手にソレ(サイレン)…鳴らしちゃ駄目だよ…」

「……双魔のサラン…!」


その魔族は、魔王の四騎士の一人である双魔のサランだった。クソ、最悪だな!


「役場の職員達を…眠らせてサイレン押して……何が目的?」

「…………………」

「とりあえず…城に連こ…連行…連行して……アッ……駄目だよ…サランさん…!」


突然、サランは右左見ながら呟き始めた。


「連行じゃあだめよ…サランくん……こんな馬鹿達は…焼き殺さないと!」

「…うわッ!」


サランは女のような口調になり、巨大な炎球を飛ばしてきた。


「……【魔法防壁】…!」

「…アラ……【魔法防壁】を使うなんて…驚いたわ…」

「…マコとスグルは職員が傷付かないように…役場に結界を!……俺とアランが外でサランの相手をする!」

「…………分かった…!」


そして俺とアランは、同時に風魔法を発動して、サランを役場の外へ飛ばした。


「……そこそこ魔法は扱えるのね…!」

「…オーナーに……教わったからね…!」


外に出て俺とアランは、サランと向かい合った。















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