表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
186/457

スタッフ達の手助け




「ところで……皆様は何故アロンへ…?」

「……マスターには話そうか…」


ミユキさんは、何故俺達が魔族に扮してアロンへやって来たのか、これまでの経緯を話した。



……



「……ふむ…」

「…まぁ……そういう事で…ここに来たんだ…」


するとアザミさんは、ミユキさんが話し終わった後に言った。


「良ければ…お手伝いしましょうか…?」

「…え?……ホント?」

「はい」


アザミさんは、笑みを浮かべて答えた。するとミユキさんは、再びアザミさんへ尋ねた。


「……マスターの友達なんでしょ?……友達を地に堕とす様な事していいの?」

「…はい……どんな理由であれ…彼はとんでもない罪を犯してしまいましたからね……私と同じ様に…」


そう呟いた後にアザミさんは、ミユキさんに尋ねた。


「人数は多い方がよろしいでしょう……」

「まぁ…そうだね…」

「…では…うちのスタッフを呼びますね…」


アザミさんは、固定電話の受話器を取って電話をし始めた。


「………あの子達は家なの?」

「はい…出来る限り外出するなと国から言われておりまして…」


アザミさんは、電話番号を入力しながら答えた。ミユキさんはそれを聞いて、申し訳なさそうに言った。


「…そんな時に…ごめんね……」

「いえいえ…ミユキさんの頼みと聞けばすぐに……駆けつけてきますよ…」


電話を鳴らしながら、アザミさんは笑みを浮かべて言った。



……



約三分後



「ミユキさん…!」


大学生くらいの人が、ジプ・ソフィアの中へ勢いよく入ってきた。そしてその人に続くようにして、五人の魔族が入ってきた。


「久しぶり〜!」

「この子達がうちのスタッフです……すまないね…突然呼び出して…」

「…………いえ…」

「……お得意様であるミユキさんの頼みなら断れないっスよ!……あッ!…ミユキさんの知り合いっスよね!」


スタッフのみんなは、俺達を見てハッとすると会釈した。そして、会釈した後に自己紹介を始めた。


「…俺はマルコン……よろしく!」

「マルコン君…肩にバナナが乗ってるよ…」

「あ!…ホントだ!」

「……家で何をしていたんだね…」


マルコン、勢いよく入ってきた大学生くらいの人だ。金色の髪に赤目という、外国人のような見た目で、とても美形だ。


「……スグルです…」

「スグル君…身体の方は大丈夫なのかい?……無理しなくてもいいよ」

「いえ…ミユキさんの頼みなので……」


スグル、この人も見た目は大学生くらいの年齢だ、そして目元まで前髪がある。見た目で判断するのはよくないが、口数が少なそうだ。


「初めまして!ウチはマコっていいます!」

「相変わらず元気が良いね…マコちゃん」

「えへへ…!」


マコさん、怒られるかもしれないから声に出しては言えないが、背が小さくて可愛らしい女の子だ。ちなみに、俺はロリコンではない。


「私はアキ…一応……この中では最古参です…」

「アキさん…外の様子はどうでしたか?」

「……多くの兵士達が慌てていました…もしかすると……外出()()令が発令されるかもしれません…」

「…そうですか……」


アキさん、とてもお淑やかで、清楚を絵に描いたような人だ。それに十郎や、ミユキさんに負けない程の色気がある。というか、俺は何故十郎やミユキさんと比べているんだ。


「…名前はアラン……よろしく…」

「……アランちゃん…私の用意した家はどうかな?」

「…良い感じです………()()()()()は…」


アランさん、俺よりほんの少し歳上で、男装が似合いそうな女の人だ。とても綺麗な目をしている。最初見た時は男性かと思ったが、声が完全に女性だったので気付いた。


「………自己紹介は終わったかな?」

「はい!」


マルコンが答えると、アザミさんはニッコリと微笑んでミユキさんへ尋ねた。


「…この件は何時頃……行うのですか?」

「……今から30分後…お互いに準備があると思うし…どうやって新聞をばらまくかも話さないといけないからね!」

「そうですね…」


それを聞いて、アザミさんは奥へ歩いていった。俺は時間になるまで、スタッフのみんなと話すことにした。


「…なぁ……」

「んー?」


上着を脱いで武器を手入れしたり、魔法を生み出したりしているスタッフに、俺は質問した。


「……少し聞きたいことがあるんだけど…」

「何かな…?」



……



「…!」

「………リヴァイアサン…どうした…」


魔王の自室に俯いて立っているリヴァイアサンが、突如顔を上げた。その目線は街に向いている。すると、リヴァイアサンは囁くように魔王へ言った。


「…………臭いがする……これは…敵の臭いだ…」

「……フン…人間共か………リヴァイアサン…軽く屠ってこい…」

「…御意」


リヴァイアサンは魔王の命令を聞くと、その場で跪いて消えた。その数時間後に、白衣の魔族が扉を開けた。


「………失礼します…」

「…あぁ…実験の報告か……」

「はい」


白衣の魔族は、実験の報告を魔王に話していった。しかし、魔王は実験の報告が耳に入らなかった。


『おかしい……【予知】が…使えない…』

「魔王様…どうかなさいました?」

「…いや……何でもない…」


魔王の能力である【予知】が、使えない事に気が付いた魔王は、不審に思いながらも、白衣の魔族の報告を聞いていた。
















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ