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アロンの兵士




「………【ステルスゾーン】を使いながら行こうか…!」

「…ステルスゾーン?…さっきバレなかったのもその魔法の効力なのか?」

「うん!……半径2m内に…外からだと何も見えないドームを作り出す魔法さ……まぁ…ドームから離れたら透明化が解除されるし…ドームに触られたらバレるけど…」


ミユキさんは【ステルスゾーン】について説明した。俺達自体が透明になる魔法は無いのかな?


「…俺達自体を透明にする事は出来るのか?」

「……あー……自分を透明化する事は出来るけど……他人は出来ないなぁ…僕の魔法って…自分自身に付与する魔法と攻撃魔法が多いからさ…!」

「あー…そうなのか…」


その後、俺達は兵士が来たらミユキさんの作った【ステルスゾーン】へ隠れる、やり過ごせば進むといったふうに進んでいった。


「……倒したりして…騒ぎになれば面倒だからね………倒さず…このまま行こう…!」

「…ああ」



……



そして進んでいくうちに、アロンが見えてきた。アロンはとても広く、大きな城壁に囲まれていた。


「……この坂を下れば…アロンの入り口がある…」

「…魔族に扮して入るんだよな…?」

「うん!」


その時、ミユキさんは自身に魔法を付与し始めた。すると、ミユキさんの身体が光に包まれた。そして、光が消えるとミユキさんは魔族のような姿になっていた。


「…外見を変える魔法…【身体変化】を僕が強化した…【身体変化2.0】さ…!」

「うお…スゲ…」

「魔法強化…そんな事も出来るのですね…」


ミユキさんの姿は、何処からどう見ても魔族にしか見えなかった。


「……強化前よりも精巧に…外見を変化させる事が出来るようになった…!」

「へぇ……」

「…そして…僕以外にも付与出来るようになった!」

「…え?」


俺と十郎が自身の身体を見ると、魔族のようになっていた。


「……ツノ生えてる!」

「…これなら人間だと気付かれませんね」

「でしょ?…それじゃあ…アロンに入ろっか!……あっ…あと十郎君…武器はしまってね!」

「はい」


魔族の姿となった俺達は、アロンへ入る為に門へと歩いていった。


「……………」


門の前には、屈強な魔族の兵士が立っていた。ゆっくり門の中へ入る俺達を、兵士達はジッと見ていた。


「………バレてるのか…?」

「……いや…それは無いと思うけど…」


門の兵士達には何も言われなかった。そうして、俺達はアロンの中へ入った。アロンは、まぁまぁ現代的な街並みだった。


しかし、広い割に歩いている人が少なかった。するとそんな時、前から歩いてきた二人の兵士の一人が、俺達へ話しかけてきた。


「…君達……」

「あ…はい…」

「………そこの二人はアンタの弟か何かなのかな?」


魔族は、ミユキさんと十郎を見ながら俺に尋ねてきた。


「あ…あぁ……はい…僕の弟です…こっちが次男で…こっちが三男…」

「そうなのか…年は?……まだ10歳程だろう?」

「そうですね…今年で10歳ですね…」

「10歳でーす!」


俺は魔族のしてくる問いに対して、適当に答えて言った。


「数年前から…年の終わりに大勢の子供が行方不明になるんだ…君達も気を付けてね」

「あぁ…はい…!」


そして、魔族はハッとして門を見ながら俺達へ言った。


「……それと最後に…外に出てると…人間が攻めてきた時に襲われるかもしれないから……家に入っていなさい……戸締りも忘れずに…」

「あぁ…分かりました…」

「………それじゃあね」

「バイバーイ!」


兵士は、十郎とミユキさんを見て別れを告げた後、門の方へと歩いていった。


「………子供を見る事が少なくなった…か…」


門の方へ歩いていく魔族の兵士を見ながら、ミユキさんは呟いた。


「…実験で子供を使ってるんだよ……魔王は…」

「……だから…見なくなった……」

「子供を全て奪ったら不審に思われる…だから……その年に生まれた子供を半分…さらってるんだよ…」

「…魔王……」


すると、ミユキさんは思い出したように俺達に言った。


「一旦休憩しない?…この近くに良いカフェがあるってエミリアが言ってた!…実際に行ったけど良かったよ!」

「……そうだな」


ミユキさんと十郎は、そこまで疲れてなさそうだが、俺はあのダッシュで疲れているからな。そうして、俺達はカフェへと歩いていった。



……



少し歩くと[ジプ・ソフィア]という名前のカフェがあった、そこがミユキさんの言う、良いカフェらしい。


「おぉ…スゲ…」


内装は東京のカフェみたいだった、異世界に来てる事を忘れそうだな。


「……やっぱ客はいないか…」

「…まぁ…戦争の真っ最中だからね…」


俺達はひとまず、カウンターに座る事にした。すると店長らしき老人が俺達の方を見た。


「………こんな時にお客様が来るとは…おや?」

「……どうもマスター…!」

「ミユキさんでしたか……魔族の姿をしていたので…入ってきた時は気付きませんでしたよ…」

「ゑ?」
















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