エミリアの技
聖騎士達は竜巻へ巻き込まれ、吹き飛ばされた。聖騎士を吹き飛ばした後に、竜巻は淡く消えた。
「…これは…【テンペスト】……!?」
「………まさかそんな魔法も使えるとはな…」
エミリアは、吹き飛ばされた聖騎士達を見た。幸い、聖騎士達はエミリアの声を聞いて全員防御しており、無事だった。
「…………確かに…強くなってるね……それは認めよう…」
「……そうか」
すると聖騎士達は、エミリアの目の前へ立ってアリアへ言った。
「…『だけど僕達が勝つ』……ですよね?」
「……そうだね…」
エミリアは聖騎士達の間へ入ると、聖騎士達へ言った。
「よし!…それじゃあ…ちゃっちゃとこの仕事を終わらせようか!」
「「「はい!!」」」
アリアは剣に炎と雷を付与し、身体強化の付与をするとエミリアと聖騎士達へ言った。
「…いや……勝つのは私だ……」
「……そうかい」
「お前達を倒して…魔族の世界を創る…!」
そう言って、アリアはエミリアと聖騎士達との間合いを詰めて斬りかかった。
「軽く屠ってやる…!」
「ハヤッ!」
「………フンッ!!」
その時、バラドがアリアへ向かっていき、槍を振り回した。するとアリアが止まった。
「…くぅッ!!」
「……良いねぇ…バラド!」
「イテッ!…踏むな!」
そしてカオルがバラドの頭を蹴って飛び上がり、空中でアリアを連続で斬った。
「ぐぉ…ッ……くッ…図に乗るなよ人間!!」
「図に乗らせてもらおう!」
そのままトライとロダンが素早く間合いを詰めて、アリアへ追撃を食らわせた。
「……ッ…」
「ナイス!…コンビネーション!」
エミリアがアリアへ斬りかかった時、アリアはエミリアを魔法で吹き飛ばした。
「…【ハイウィンド】!」
「うわ!…今日はよく吹き飛ばされるね!」
「…舐めるなよ!…人間!!」
そしてそのまま聖騎士達へ連続斬りを食らわせた。その嵐のような連続斬りで、聖騎士達は防戦一方だった。
「クソ…何という斬撃だ…」
「一撃一撃の威力が大きい…にもかかわらずこの速度…!!」
すると上空から降ってきた黒い影が、落下しながらアリアを斬った。
「ぐおッ!?」
「……暴れ過ぎだよ!」
「エミリア…!」
その影はエミリアだった、エミリアはアリアを斬って着地し、そのままアリアの足を蹴飛ばした。
「…ッ!」
「フンッ!!」
その場で体勢を崩したアリアを、バラドが連続で突いた。そしてバラドに続いて聖騎士達がアリアへ攻撃していった。
「……うぉらぁ!!」
「…ぐうッ!!」
アリアは聖騎士達を吹き飛ばした後に、エミリアの方を睨んだ。
「この身が亡びようとも…お前を必ず斬る…ッ!!」
「あっそ!」
エミリアは、アリアが自分の方へ向いた瞬間に思い切り殴った。その拳は鎧越しでも脳を揺らす程だった。
「つぅ…!」
「…効くでしょう…僕のパンチ!」
そしてエミリアは、すぐさま剣を頭に向かって突いたが、アリアは間一髪かわした。
「……ありゃ!」
『エミリアだ……エミリアを何とかしないと…聖騎士は何とかなる…』
その時、カオルが聖騎士達の間から揺らめきながら近付いてきて、斬りかかった。
「…くッ!」
「……この太刀筋が見切られるなんてねぇ…」
『…コイツ……先程から思ってはいたが…読みづらい太刀筋しているな…」
アリアがカオルの太刀を防いだ瞬間、バラドが頭を狙って突いてきた。
「うおッと!」
「…その体勢から避けるか…」
しかし直ぐに、トライとロダンが同時に斬りかかった。アリアはそれさえも避けていった。
「フン…残念だっ…」
「これで…避けられないねぇ…!」
「…ッ!?」
その時、アリアは強い殺気を感じ取り、右へ視線を寄せた。
「そういえば…君にはまだ見せてない技が沢山あったね!」
「…エミリ…ッ!」
「……例えば…この【乂文字】とか…!」
エミリアの【乂文字】を食らうと、アリアの鎧にはバツ印の傷が出来た。
「ぐぉぉ!?…な…んという…ワザ…だ……」
「…アレ?…君にはまだ見せたことが無かったかな?」
そして【乂文字】を食らったアリアは、地面に跪いているアダンの隣へ吹き飛び、倒れた。
「…ア……アリア…」
「おお!…コレ食らって意識あるなんて…やっぱ強くなってるね!…ほんのちょっとだけだけど…!」
「くッ……エミリア…!」
傷だらけのアリアは、エミリアを睨んでいた。
「……ムサシさん…そっちも終わったようだね!」
「…………………いや…核を破壊した筈だが…何故魔素にならないんだ…?」
「…分からないけど…アダンは……特別な希少種だから…核が破壊されても動けるんじゃない?」
そしてエミリア達とムサシ達は、アリアとアダンをジッと見た。




