表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
153/457

午後6時30分の賭け




「ガァァァ!!」

「…佐々木の【神眼】で…何処を攻撃すれば亀裂を効率的に広がる事が出来るか分かる……佐々木がやられてなくて良かった…ウグッ!?」

「馬鹿!!」


膝蹴りを食らい真風は怯み、阿笠とアリスは吹き飛ばされた。


「うおッ!」

「うわッ!」


二人を吹き飛ばした瞬間、ミノルはその場で呼吸が荒くなり、動かなくなった。


「……どうやら疲労が溜まったようだな…」

「今がチャンスだ!……全員で外殻を破壊するぞ!」


先陣切るように、梅岡と小鳥遊は佐々木の指示に従って思い切りミノルを殴った。


「グロォォォオオ!!」

「……俺たちのも…食らいな!!」


そして真風、阿笠、アリスが三人同時に攻撃した。佐々木も遠距離から魔法で攻撃した。


「ゴロロロォ……」

「…これでも破壊まではいかないか……」

「真風君の【神溜】で外殻を破壊する程のダメージを溜めるんだ!!」


ミノルは苦しそうにその場で前屈みになり、息を切らしていた。


「………みんなどんどん攻撃しまくれ!!」


戦士達は、真風の生み出した【神溜】の渦へ攻撃していった。


「そろそろか!?」

「もうちょい!」


渦は凄まじいスピードで大きくなり、やがて直径28m程になった。


「……よし…これくらいでいいだろう!」

「ミノル!…今……その外殻の中から助けてやるからな!!」


真風は渦を、ミノルに向かって飛ばした。渦はミノルに激突した瞬間、大きな爆発を起こした。


「うお!!」

「みんな!…伏せろ!!」


戦士達が伏せた後も、爆発は続いた。その爆風はギルドを揺らし、戦士達も飛ばされそうになった。


「なんて威力だよ!!」

「……ミノル死んでないよな!?」

「…おそらく……」


数分後に爆発は収まり、煙が辺りに立ち込めた。


「………油断するなよ…」

「……ミノルさん…」

「ミノル…!!」


その場にいた者達が、煙の奥を凝視した。そして数秒後に煙が無くなった。


「…!」


そこには、黒い外殻を纏ったミノルの姿があった。


「……クソ…」

「なんつー硬さだよ…」

「今ので駄目なら……」

「…!?……待て!…よく見ろ!」


桜郎の声を聞いて、戦士達が目を凝らしてミノルを見ると、胸に大きな亀裂が入っている。そしてそれは、段々と広がっていった。


「……グ…グロロロロォォォ!」

「外殻が!!」

「…割れた!!」


黒い外殻は音を立てて割れていき、中からミノルが出てきた。


「「「ミノル!!」」」


小鳥遊を先頭に、戦士達が倒れたミノルへ近付こうとした刹那、背後から大きな音がした。


「………え…?」


背後を見ると、ギルドに激突した小鳥遊の姿があった。戦士達がすぐさま前を見ると、拳を突き出すミノルの姿があった。


「…嘘だろ……」

「そ…そんな…」

「そんな…クソォ!!」

「ミノル!!」


ミノルの髪は逆立っており、身体には謎の紋章と、漆黒の翼があった。


「………お前らを…殲滅する…」


そこからは速かった、ミノルは戦士達でさえ目に捉えられぬ程のスピードで、戦士達との間合いを詰めて殴りかかった。


「…あ゛!?」

「がッ!?」


戦士達は自分が殴られた事に気付く事なく、殴り飛ばされた。


「真風!!…阿笠!!…ぐッ!?」

「……女か…」


ミノルはアリスの首を掴んで持ち上げた。


「俺は女には弱くてな…男だったら内臓引き摺り回して殺してやるところだが……1発で楽にしてやろう…」

「…ミノル!!…やめろ!!」


桜郎がミノルに体当たりした、ミノルは桜郎を見て少し動揺してアリスを落とした。


「……ゴホッ…ケホッ…」

「…やめろ……」

「………桜郎…か…」


するとミノルは桜郎を掴んで倒れている戦士達へ言った。


「お前ら!…起き上がって戦え!!……このガキをブチ殺すぞ!!」

「…くッ……この…」

「ミノル…どう…しちまったん…だよ」


ミノルの声を聞いて、戦士達はフラフラと立ち上がった。そして、立ち上がった真風を蹴り飛ばし、阿笠を張り倒した。


「スキル持ちが聞いて呆れるぜ……まさかここまでしょーもない奴等だったとはな…」

「……オラァ!!」


その時だった、梅岡がミノルの頭蓋めがけて思い切りブン殴った。


「…ラァァァ!!」


そして右腕で何度も殴った、ミノルは桜郎を落とすと思い切り梅岡の腹をブン殴った。


「ゴラァ!!」

「ぐっふッ!!」

「舐ァめてェんじゃねぇぞおお!!」


ミノルはボロボロの梅岡を何度も両腕で殴った、血だらけで顔が見えなくなっていた。


[……これは酷い…]

『…………』

[梅岡……君の持ってる熊のぬいぐるみ(テディベア)を天空へ掲げるんだ]


倒れている梅岡の脳内に、中性的な声が響いた。


『………あ…?』

[そうすれば…君達はあの修羅に破壊されずに済む…!]

『修羅…?……ミノルさんの事か…?』


梅岡は血を滝のように流し、フラフラしながら立つとオリジンの洞窟で拾った熊のぬいぐるみを掲げた。


「梅岡…何を……」

「…こ…んな……時に…」

「……もう…コレに賭けるしか…ねぇ!!」


















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ