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未確認モンスター




十郎は笑顔でミユキさんとの間合いを詰めて斬りかかった。


「なるほど…君のその幻影は13体までしか出せないんだ…!」


よく見ると、13人の十郎がミユキさんに襲いかかっていた。一斉に攻撃する気か。


「……ぐ…アッ……」

「…惜しいね……あとほんの少し…速く振っていれば……僕をズタズタにできたのに…」


空中に飛び上がっている十郎の腹には、ミユキさんの木刀がめり込んでおり、地面には投げナイフが突き刺さっていた。そして、十郎は刀を落として落下した。


「……まず…召喚できる限りの幻影を召喚して僕を攻撃し……そのスキに本体の君は上から投げナイフとともに攻撃する…僕じゃなかったら喰らってたね…!」


馬鹿な…十郎の動きを全て読んでいたというのか!?


「…ッ!」

「おっと!」


十郎は倒れていたが、すぐさまミユキさんの足に向かって刀を振った。ミユキさんは飛び上がって避ける。


「……らァッ!!」

「…あ〜あ……駄目だよ…」


そして十郎は立ち上がり、飛び上がったミユキさんに向かって踏み込みから、かち上げるように斬りかかった。


「…!?」


ミユキさんは十郎の目の前にはいなかった。なぜならミユキさんは十郎の振った刀の上に立っていたからだ。


「……がッ!?」

「…君の強さは分かった……もう動かなくていいよ」


振り向いた十郎は、ミユキさんの足蹴りを食らって倒れた。そんな…あの十郎が……!?


「………勝負あったな…」


俺は十郎を担いで、歩いてきたミユキさんに質問した。


「……十郎は…弱かったのか…?」

「いや?……この子は強いよ…正直…僕が殺し方とかを教えなくても良い程にね…!」

「…そうか……」


すると伍城さんがおもむろに立ち上がって、俺に言った。


「それじゃあ…秘技会得の修行を始めようか……梅岡…」

「あぁ……そういえば…そうだったな……」

「…頑張ってねぇ〜……僕達は中にいるからサ!」


ミユキさんは俺たちを見て笑顔で言った。


「……殺しの技を教えたりはしないのか?…中だとできないだろ?」

「できるよ?……ギルドには体育館があるからね」

「…そんなもんまであんのかよ……」

「そんじゃあ!…ファイトだよ梅岡君!……チャオ…!」


そう言い残してミユキさんは歩いていった。それにしても、ここ(異世界)で修行するハメになるとはな。まぁ、悪神殺しは王達がしてくれてるからいいんだけど。


「……体育館があるのか…梅岡…俺たちもそこへ向かうぞ」

「…了解…」


俺たちもギルドの体育館へ歩いていった。そしてギルドの入り口が見えた時だった。十郎とミユキさん、その他にもギルド戦士達がみんな、同じ方向を見ていた。


「十郎…お前もう復活したのかよ…」

「はい」

「……ところで…どうした?」

「…なんか…正体不明のモンスターがいるらしくてね」


ギルド戦士達をかき分けて、俺達は何かあったのか上位戦士達に尋ねた。


「どうしたんだ?」

「…あれ……」


上位戦士は目の前を指差した。そこには体操座りしている絵文字のような顔の人がいた。


「……アレはなんだ…」

「…モンスターだということ以外は分からない……」


そう言いながら上位戦士は俺たちにスマホの画面を見せた。


[不明]


危険度不明

このモンスターはまだ登録されていません、新種の可能性があります。新種を見つけた場合は、国へ報告してください(見つけた新種が登録された場合、第一報告者には10万Gの報酬が支払われます)


「…新種じゃね?……電話かなんかで国へ連絡したら?」

「あぁ…だが……もしかしたら危険度が高いかもしれない……だから動けんのだ…」


まぁ、確かに下手に動いて襲われたりしたら面倒だからな。危険度SSSの可能性もあるし。


「上位戦士ともあろう者共が…何を怖じける…?」


ギルド戦士達をかき分けて、軽そうな鎧をした奴が歩いてきた。


「…トップランカーで…トラベラーの若林君か…」

「………どう見ても弱いだろ…さっさと倒して魔素を国へ出せ」

「…いや……危険度が高い…かも…」


若林とやらは耳を貸さず絵文字へ近付き、剣を振りかぶった。


「…うおッ!!」


剣を振り下ろした瞬間、轟音と共に土が舞い上がった。なんて力だ!


「……ぽぃ…?」


若林の剣を絵文字は掴んでいた、若林は驚いていた。そのまま、絵文字は剣をへし折った。


「……これは…危険度Sはあるぞ…」

「ほぅ…まぁまぁ強いな…」


しかし若林は眉一つ動かさずに距離を取ると、折れた剣を空振りした。すると、刃が新品同様、折れる前のように()()()()()


「あ!…あの魔法…僕も持ってる!」

「……【物質回帰(マテリアルヒール)】…傷付いた武器や防具を新品同様に戻す魔法だ…残念だったな」


そして若林は突然、その場で腕を空へ突き上げた、すると腕が輝き始めた。


「…【神腕(しんわん)】……俺は神の腕力を持つ……コレ(神腕)を発動してる時に俺の攻撃を食らったら一発で粉々だぜ…!」


若林は絵文字に向かって突っ込んでいった。
















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