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神の使いやあらへんで!



「…梅岡さん…何でこんな所にいるのですか?」

「何でドア越しで分かるんだよ…」


俺は扉を開けた、そこには子供と十郎が立っていた。


「…アンタ…悪神について何か知ってるらしいな…俺にも聞かせてくれ」

「この子供がウメオカ?」

「はい」


この子供って…アンタの方が子供だろ……そう思ったが俺はツッコミができなかった。


「…改めて…悪神の情報を聞かせてもらいます」

「ああ…」



……



「…これより…神の使いやあらへんで…チキチキ!世界会議をしよう!第384回目を開始します!」

「…そのタイトルいい加減変えないか?」


一年に一度ある国家間の会議…という名目で世界について話し合う会があった。


「…別に話し合う事なんて無いような気がするな…いつもお前しか話してないし」

「………ああ」

「…確かにな」

「ええー!?」


話し合うと言っても進行をするエリアス国を統治する女王のエミリアがくだらない事を話すだけだった。そんな時にエミリアが珍しく奇妙な事を話した。


「…今日はとても凄い話題を持ってきたのになぁ〜」

「……期待しないでおくよ」

「…実はね……魔王軍に動きがあったんだ…!」

「「「……なに!?」」」


余と、他の二国の王がその場で立った。魔王に動きがあったなんて夢にも思わなかったからな。


「…まぁまぁ…落ち着いてよぉ…」

「魔王に動きがあった!?…いつの事だ!?」


エミリアは陰陽連邦を統治するスカーレットの剣幕に圧倒されたのか少しビクビクしながら答えた。


「つい先日…悪神を名乗る青年が魔王に会っていたという連絡を諜報員から受け取ってね」

「…悪神……」

「…………俺たちをこの世界へ送った張本人か」


王の中で一際目立つ男……ハイランド王国の王ムサシが呟いた。


「…うんその悪神……というかヘルムのせいで声がこもってるよ」

「……それで悪神はどうした?」

「あぁ……どこかへ消えちゃったんだ…だけど魔王に聞けば多分だけど分かるよ」


するとエミリアは懐から巻物を取り出して、机の上へ広げた、その瞬間に立体映像が現れた。


「…再現魔術か」

「そっ!」


エミリアが巻物に触れると映像は声を出しながら動き始めた。


[…悪神とやら……我に何用か…]

[お前にあるものを渡しに来た]


悪神はポケットから蠢く闇のような炎を取り出した、炎は不気味に揺れている。


[これは…]

[俺の力の一部……お前は人間を恨んでいるようだな………俺の言いたい事は分かるか?]

[…その力をやるから人間を根絶やしにしてこいと…?]

[分かってるのなら話は早いな]


魔王は差し出された炎を受け取った。その瞬間に魔王の雰囲気が変わった。人に近かった姿も、もはや完全な化け物になった。


[…うおお…身体に力が流れ込んでくる…]

[だろ?……これなら人間に勝てるよな?…まだ沢山あるし]

[……ふふ…何故そのようなものを我等に渡すのかは知らぬが…感謝するぞ…]


そこで映像は止まった。その場では沈黙が続いたが、ムサシが沈黙を破った。


「………強くなろうが同じこと…攻めてくるのなら…切り結ぶ…」

「……そうだな…」

「僕は血が流れるのはヤだよ〜」


戦い慣れしているムサシとスカーレットは覚悟ができているようだが、エミリアは怯えている。


「悪神を捕まえるのが我等の目的なんだ。こちらとしては悪神を捕まえるチャンスだ」

「…それでは…まず魔王を倒したあとに情報を聞き出して悪神を捕まえる…そうしようか」

「そうだな」


余と他の王は作戦を立てていく、そんな時にエミリアが叫んだ。


「なんで戦争をやる前提で話してるんだよぉ〜!…普通に説得すればいいじゃん!」

「…最初の戦争で魔王軍の兵士を一番多く倒すほどの戦闘狂のお前がよくそんな事言えたな…」

「それは昔の事だよぉ!」



……



「…余と他の王達は心の奥底では魔王とも和解したいが……おそらく無駄だろうな」

「……アンタらも悪神を追っていたんだな…」


この世界の王達も悪神を追っているらしい。それに魔王ってのもいるとはな。戦争になったらヤバいな……だが…魔王軍は未だに動きが無いらしい。


「…あなた達は何故悪神を探しているのですか?」


俺が尋ねようとした事を十郎がレクスさんに尋ねた。


「…元の世界へ帰るため……」

「さっきの回想聞いてて思ったけど、アンタらも別世界の人間だったんだな…名前は?」

「…今はレクスだが……昔の名はオダ・ノブナガだ」

「………ん!?」


オダ・ノブナガ…!?……嘘だろ!?……歴史人物も異世界に転移してるのかよ!?


「…へぇ……有名人ですね」

「……らしいな…他の転移者にも聞いたが…余は本に載っているらしい……それを聞いて尚更元の世界に戻ってみたくなった…アルトリアと離れるのは寂しいがな」


ノブナガ様は窓の外から見える街並みを見ながら言った。










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