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大猿撃退




「…あの男は何者なんだ…?」

「さぁ……最近ギルドへ加入したと聞くが…」

「素手じゃねぇか…」


ギルド戦士達は、何も持たない素手の伍城を不思議そうに見ている。


「………来たか…」


伍城が呟くと、モンスターの大群が押し寄せてきた、大群は人くらいの大きさの猿のようなモンスターだった。ギルド戦士達はそれを見て構える。


「ジャンの群れか…」

「…来たぞ…!」

「全員構えろォ…!!」

「……ッ!?…待て…アレは!!」


[ジャンパルス]


危険度SS

獣系のモンスター。魔素を取り込み巨大化した猿のモンスターで知能は低いが、魔法さえも無効化する強靭な肉体と岩を粉々にする程の怪力を持っている。格下のジャンを引き連れて行動する。


「…ただ単にとんでもない身体能力を持っているモンスターだが……だからこそ強い…!」

「……数で倒せる敵ではないな…」

「トップランカーが来るまで耐えるんだ!」


ギルド戦士達はジャンに向かって行ったが、呆気なく散らされてしまった。


「………大猿か…」


その光景を見て、伍城はギルド戦士達に向かって叫んだ。


「下がれぃ!!」

「「…ッ!?」」


ギルド戦士達とジャンパルスは、その声を聞いて静止した。


「な…なんだよアンタ…」

「いきなり大声出しやがって…」

「俺がこの大猿を屠る……皆は下がっておれ」


目の前のギルド戦士達を押し退けて、伍城はジャンパルスの目の前へ立った。


「……素手で挑むつもりか…!?」

「ああ」

「…自殺なら他所でやってくれ…」

「…………まぁ見ていろ」


伍城はその場で構えた、するとジャンパルスが思い切り腕を振り下ろした。


「……噴ッ!!」


腕が当たる刹那、伍城はジャンパルスの腹に掌底を打ち込んでいた。ジャンパルスはそれで怯んだのか地面に手をついた。


「ウッソだろ…!?」

「ジャンパルスを素手で…」


しかしジャンパルスは負けじと、伍城に向かってタックルをした。だが伍城はジャンパルスのタックルを避けずに立っていた。


「……むんッ!」


伍城はタックルをしてきたジャンパルスの手を掴んだ。しかし、伍城は地面を足で削りながら押されていた。


「うぉぉ…地面が…」

「裸足だというのに…傷一つ付いていないぜ…」


だが、タックルは途中で止まった、伍城が止めたのだ。タックルを止めると伍城はジャンパルスの顔面に向かって正拳突きを食らわせた。


牙王がおう


するとジャンパルスは大きく怯み、少し後退りして倒れた。


「…ふむ……耐えるか…」


そして、ジャンパルスは起き上がると思い切り咆哮した。咆哮した後にジャンパルスは前を向いた、その時にギルド戦士は思わず息を飲んだ。


「なんて…顔だ…」


起き上がったジャンパルスの顔は血塗(ちまみ)れで、鬼の様な形相だった。それを見てギルド戦士達は思わず息を飲んだ。


「……ハッ!」


伍城は掴みかかってきたジャンパルスの両腕に【牙王】を食らわせて、飛び上がった。


「…むんッ!!」


そして、ジャンパルスに向かって右足を思い切り振り下ろした。


鬼砕(おにくだき)


鬼砕はジャンパルスの目の前の地面を破壊した。大地には大きな亀裂が走った。


「……なんて威力だよ…人間か…!?」


すると、ジャンパルスはその場で止まった。ギルド戦士達が不思議そうに見ていると、だんだんとジャンパルスの身体は小刻みに震え始めた。


「…………ビビッてる…!?」

「あの…ジャンパルスが…!?」


伍城が近付くと、ジャンは震え出した。そして、伍城がジャンの目の前に立った瞬間、ジャンは焦った様子で後退りして、背を向けて去っていった。ジャンパルスの仲間のジャンも、伍城の気迫に圧倒されたのか、少しずつ逃げていった。


「……逃げやがった…」

「……………」


逃げるジャンパルスを深追いせず、伍城はモンスターの大群を深追いせずに見ていた。


「…まぁ…防衛成功…?」

「あのおっさんスゲェな…」

「ナイスだぜ!…おっさん!」

「よし…情報通りなら…もうこの場所からモンスターは来ない…俺たちは他の防衛場所へ行くぞ!」


ギルド戦士達は、伍城を賞賛しながら他の防衛場所へ走っていった。伍城はギルド戦士達が行った後も、一人立っていた。


「甘いな…」

「…!」

「甘々だよぉ!!」


伍城の後ろには、ミユキが立っていた。ミユキは伍城の隣に立ち、逃げるジャンの群れを見た。


「……防衛はどうした…?」

「終わったよ?……ほら!」


ミユキはスマコの画面を伍城に見せた。画面には倉庫に保管しているものが表示されており、魔素の数が150と表示されていた。


「…死神めが」

「……僕を殺そうとしてくるから殺した…それだけさ」


光無き眼差しでミユキは呟いた。伍城はそれを聞いて、ギルドへ歩いていった。そして、立ち止まるとミユキに言った。


「…………ミユキ……」

「…なに?」

「………いや…()()()は後で聞こう…その前にあの者達に聞きたい事があるしな…」

「何それ…超気になる……!」


そう言い残し、伍城は他の防衛場所へ歩いていった。ミユキも伍城の後を追っていった。




















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