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八咫烏と獄虎




「…………あなたですか?……このノートを書いたのは…?」


するとミユキさんは目は笑ってないが、笑みを浮かべて答えた。


「そだよ、ソレは僕が今まで師匠や()()()()に教えてもらった技をメモしておいたノートだよ」

「……川畑先生?」

「…ヤタガラスと呼ばれ…裏社会で恐れられた何でも屋であり…日本の治安維持に貢献している自警団…」


まったく分からない、まるで俺の知らないアニメの話をしているようだ。


「……そこまで知ってるんだ…まぁ…あの社会で生きてきたのなら知ってるか…」

「なぁ、ヤタガラスについて軽く教えてくれないか?」


すると裏社会の事を何も分からない俺に、十郎が軽く説明してくれた。


「…川畑さん…宇川さん……そしてユウトさんの三人で構成されています…」


なんとあのユウトさんが、三人のヤタガラスの内の一人だったようだ。


「……そして一人一人が神と対等な立場と言われています……そして…ミユキさんは…」

「そのヤタガラスの…まぁ…見習いかな?」

「そのような者がいるとはな…」

「…なるほど……」


よし、ヤタガラスがヤベー奴等だということは分かったぞ!


「それで…このノートの事なのですが……」

「それは初耳だな」


俺たちが話していると、若い男が歩いてきた。背中には剣を背負っている。


「お…お主は……!」

「ああ!…ミノル君!」

「え!…この人がミノル!?」


その若い男はあの神を殺した、伝説のミノルさんだった。


「…ミユキ…お前…そんなヤベー奴等の仲間だったんだな…」

「あはは!」

「ミ…ミノル…」

「………久しぶりだな…桜郎…」


桜郎は、驚きながら真っ直ぐな眼差しでミノルを見た。


「…また…会えるとはな…」

「まさか…あの悪神を一度倒したミノッ!?」

「馬鹿!…そんな事ここで言うな!」


俺はミノルさん達に口を塞がれた。そういえば、ここは悪神の仲間ばかりだ、ミノルさんが悪神を倒した事を言えばミノルさんが襲われるかも……


「…ここの奴等はその事を知らないんだ……だがもし耳に入れば……とんでもない事になるぞ…俺が…」

「…すんません……」


ひとまず俺達は場所を移す事にした。誰にも聞かれないような場所に。



……



「……悪神を探してる…ねぇ…」

「だが…手がかりが無い……」


俺たちはミノルさんに、今までの経緯を説明した。


「…悪神がまた悪さをしてんのは…俺があの時に殺せなかったからだ…」

「……………」


ミノルさんは少し悔しそうな口調で言った。


「……だから協力のうちに入らないかもしれないが…桜郎は俺に任せておけ……お前達も神殺しに集中しろ…桜郎も…ここ(ギルド)にいた方が安全だと思うしな」

「まぁ…悪神の手がかりを探す為に歩き回るよりかは…ここにいた方がいいしな」

「…そうですね」

「………それでは…また世話になるな…ミノル…」


桜郎はミノルを見て言った、その顔には少し笑みが溢れていた。するとそんな時、十郎が続けて言った。


「あの…すいません……それで…さっきの続きなのですけど」

「ああ…さっきなんか話してたな……割り込んですまん…」

「いえ……ミユキさん…」

「ん?」


十郎は改まって、ミユキさんの目を真っ直ぐ見ながら言った。


「…僕は復讐の為に…このノートに書かれている裏社会の生き抜き方を勉強して……仇を殺していました…」

「うん」

「……しかし…まだノートに書かれている事を…全て会得できていません……」


ミユキさんは、無機質な無表情で十郎の話を聞いていた。


「…最後の仇は強大な力を持つ組織……このノートに書かれている事を完全に会得しなければ…復讐は完遂できない……だから…」

「la?」

「………僕に…殺しを教えてください!!」


十郎はミユキさんにそう叫んだ、するとミユキさんは即答した。


「……いいよ!」

「ッ!」

「ただし…その前に少しの間…君がどんな人か見させてもらうけど…いい?」

「…そんな事で良ければ…!」


殺しの技を教えてもらおうと弟子入りか、そんな事しなくても十郎の強さなら完遂できそうなものだけどな。まぁ、俺がいる限り何が何でも復讐を辞めさせるけど。



「…弟子入りか……」

「……Oh!…伍城さん!」


俺たちが話していると、初老だが筋肉が凄いおっさんが歩いてきた。ここでパーティでもあんのか?


「…おっさん…なんか用か?」

「……俺がここに来たのはお前に会う為だ…梅岡」

「え?…俺?」


おっさんは野太い声でそう言った。何か俺したっけ?……また何かやっちゃいました?


「………知り合いですか?」

「いや…」

「荒我…と言えば分かるか…?」

「ッ!?…何故……()()()()()の事を…」


荒我(あらが)、俺に格闘技を教えてくれて師匠の名だ、何故このおっさんが……


「…俺は荒我の兄の伍城だ……俺がこの世界へ来たのは…荒我から頼まれたからだ…」

「え?…何を?」


伍城さんは、懐からボロボロの巻物を取り出して言った。その巻物には人が正拳突きをしており、その周りに風が漂っている、まぁ、そんな絵が描かれている。


「……俺と荒我の格闘術…【獄虎】の秘技を…お前に会得させてほしいとな…」

「ええ!?…秘技……そんなもんをなんで?」

「…………この手紙を読め」


そう言って伍城さんは俺に手紙を手渡してきた。俺は手紙を受け取り、中の文章を読んだ。
















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