表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
105/457

レッドゾーンへようこそ!




「……そろそろ…行くか…」


俺はスマコで時間を確認して立ち上がった。


「…俺達が向かってるギルドは…ここからまぁまぁ歩いた先くらいか……」

「…………………ギルドへ行くのか?」


ムサシさんが俺達の目を見て尋ねた。俺達が「ああ」と答えるとムサシさんは言った。


「……………気を付けろ……奴等は異能の力を手にして…溺れてしまった戦闘狂だ…」

「……警告ありがとう…ムサシさん!」

「それでは!」


俺達は桜郎と共に、王達に別れを告げた。


「…悪神の事はこちらで探っておくが……そちらも何か分かれば連絡してくれ…」

「ゴッドカンパニーにも連絡してね!」

「分かった」

「……桜郎君の事は任せてください」


すると桜郎が、俺達全員へ言った。


「………みなの者…悪神を必ず止めるという事を決意しよう…!」


そして桜郎は俺達の前へ手を伸ばした。俺達はその桜郎の意図を理解して、手を重ねた。


「…必ず…悪神を止めよう!!」

「「「ああ!!」」」


俺達はこの時、悪神を絶対に止めると決意した。



……



「そういえば…ギルドに行って何するんだっけ?」

「……悪神の情報を探ります…王達に隠しているだけで…悪神の事を何か知っているかもしれないので…」

「……………」


俺達はギルドへ向かいながら話していた、塔からギルドまでなら数時間くらいで着く。


「……ギルド…ミノルはいるのだろうか…」

「ミノルさん…か……俺も会ってみたいな……ギルドへいると良いが…」


すると、十郎がついてきている桜郎の様子を見て尋ねた。


「桜郎君…大丈夫ですか?」

「……え…?」

「いえ…疲れていないかと思いまして…」


十郎が心配して尋ねると、桜郎は自信満々に答えた。


「……………ミノルの旅で散々歩かされたからな……体力には自信がある…心配無用だ…」

「そうですか…それなら良かった…」


桜郎はミノルさんとの旅で、必要以上に歩いたからか体力があるようだ。


「…おっと……なぁ…十郎…確かこの先って…」

「この先の平原から、危険なモンスターが多くなりますね」


俺達がいまいる平原の草の色が、少し赤色になりつつあった。


「……[レッドゾーン]…危険度BからSモンスターが大量に巣喰う危険な土地……常にモンスター同士が争っており…血が飛んでいた……そして草木がその血を吸い取り…いつしか赤い大地と化した…」

「………桜郎…そういうことだが…大丈夫か?」

「…大丈夫だ」


そして青い草が無くなり、赤い草木しか見えなくなった時、俺達は立ち止まった。


「……前から来ます」

「ああ……桜郎…俺の後ろへ…」

「…うむ……」


すると、前から車程の大きさの鳥がこちらへ突っ込んできた。


[メガバード]


危険度A

鳥系のモンスター。他のモンスターを喰らい続けた結果、爪やクチバシなどが鋭利になり、体も一回り大きくなった鷲。危険度S以上のモンスターも襲う。


「……よッ…!」


十郎が背中の刀を持ち、鳥が俺達にぶつかるギリギリの瞬間に刀を振り下ろした。鳥はクチバシから、尾にかけて真っ二つになっていた。


「……バカ切れ味良いじゃねぇか…」


静止状態から繰り出す攻撃は抜群の切れ味を誇る。だが抜群ってレベルじゃねぇぞ、おい。


「………危険度Aの魔素……いります?」

「貰っとく」


俺は十郎が投げた魔素を受け取った、これでメリケンサックでも作ろうかな。


「……強いな…十郎殿…」

「十郎で良いですよ」


そして俺達は再び歩き始めた。十郎は、モンスターとの戦闘はもう慣れているようだった。


「…十郎…」

「何ですか?」

「……その刀…浮いていないか?」


十郎の背負う刀は、透明な鞘があるかのように浮いていた。実は俺も気になってたんだよな。


「……エミライトさんから頂いた磁力石(マグネストーン)の影響でしょう…この石があれば磁力で武器が浮くので武器を取りやすくなります」


磁力石(マグネストーン)]そんな便利なものがあるとは、まるでゲームだな。


「………ッ!?」


歩いていると、目の前に灰色の竜が佇んでいた、しかしピクリとも動かない。


「なんだ…?」

「……動かない…?」


十郎が灰色の竜へ近付いた。それでも竜は動かない。すると、十郎が竜に触れて言った。


「…この竜……石化してます…」

「……石化…だと…?」

「石になっているのか…!?」


俺達が戸惑っているその瞬間、竜の頭上から美形の青年が飛び降りてきて、着地した。


「やぁ」

「……あなたは……アリス…」


アリス、確か十郎が騎士の入団試験に行った時に凄い実力を見せた青年、と百物語で十郎が話していたのを聞いたが。


「…この人がアリス?」

「……百物語で話していた人物か…」

「はい、この人がアリスさんです」


するとアリスは、俺達の方を見ると手を広げて言った。


「ようこそ!…血濡れの大地『レッドゾーン』へ!!」















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ