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トゥルーエンド



「……そうか…」


ミノルとエミリアはこれまでの経緯を説明した、王達は眉にしわを寄せて聞いていた。


「…しかし…災神か……」

「…………殺さなければならない神が一人増えたな…」


結局のところ、ミノル達は元の世界に戻れなかった。


「………ミノル…ありがとう…世界を救ってくれて…」

「……だが…神は殺せなかった…」


ミノルは不満そうに呟いた。そんなミノルに、桜郎と王達が言った。


「世界が救われたのだ……そう嘆くな…」

「……うむ…お主が世界を救ったのは事実だ」

「……………まぁ…そうだな…」


王達や桜郎にそう言われ、ミノルは心にある不満が少しだけなくなった。すると、ミノルは気になっていた事を尋ねた。


「……それで…エミリアの事なんだけど…」

「…身体が二つの事?」

「ああ」


ミノルはエミリアに身体の事を尋ねた。すると、エミリアは話し始めた。


「………【オートマタ】…ホワイトから貰ったものなのだけど………なんと命令すれば忠実に実行してくれるんだ…!」

「…………本体の言うことを何でも聞くよ!」


二人のエミリアが俺に説明した。なんだか同じ人間が二人いるのって気味が悪いな。


「……命令している間は動くけど…何も無い時は全く動かない…ほら…」


黒いTシャツを着たエミリアが、王の格好をしたエミリアの頬をツンツンとつついた、しかし王の格好をしたエミリアは真顔で反応しない。


「………普段は『エミリア王として活動しろ』…って命令してる……君が話している時もそうだったね」

「あの時…俺が話していたのは……オートマタだったのか…」

「まぁそうだね」


ミノル達は塔でそんな事を話していた。神は消え、世界は束の間の休息を手にする事ができたのだった。


そうして、神殺しの物語は幕を閉じた。だが、少しして悪神は復活し、再びこの異世界へ舞い戻ってきた。前よりも強く、凶悪に、そして以前よりも巨大な野望を持って。


ミノルは「桜郎を悪神から守りたいが、ギルドの依頼があるから」と言い残し、姿を消した。


桜郎は王達が連れてきた、アサダという騎士(サムライ)が守護する事となった。


そして時は経過し、現在に至る。



……



「…何度聞いても感動するなぁ……」

「これで終わりか……何か変化はあるか?」

「………何が起きるのか以前に…尋ねたい事が結構あるな…」


その時、外から鳥の鳴き声が聞こえた、無数に。俺達は何かを感じて外へ出た。


「…何だよこれ……すげぇ……綺麗じゃねぇか…!」

「綺麗ですね」

「………いつのまにか夜が明けていたようだな…」


俺達の目の前には朝日と、それを囲むように虹があった。何という絶景だ……


「これが百物語を終えた後に起きる何か…か?」

「……さぁ…」



……



「それで…絶景はいいんだけど!」

「……?」


俺は塔の中で王達を見ながら言った、王達はキョトンとしている。


「質問させてくれ!……桜郎の話を聞いてた時に…気になってしょうがなかったんだ!」

「ど…どうぞ…」

「まずはエミリアさん!…アンタに冠する事だ!」


エミリアさんを見ながら、俺は【オートマタ】の事を尋ねた。


「……今のアンタは…オートマタなのか?」

「そうだよ」

「即答が良いね」


俺の問いに対して、エミリアさんは即答で答えた。


「…本体は…君達が行く場所にいるよ」

「……ギルド…ですか…?」

「うん」


そして、俺はもう一つ気になる事をエミリアさんに尋ねた。


「…自我は…あるのか?」

「………それ聞いちゃう?」

「……ああ…」


するとエミリアさんは無表情になり、少しの沈黙の後に答えた。


「……()は言われた事を実行するだけ…何か言われたら…本体の僕が言うであろう言葉で返す………要するに…意識…自我は存在しないね…」

「…哲学的ゾンビ……というものですか…」

「まさにソレだね」


それじゃあ今、俺達が話しているエミリアさんはオートマタだから意識、自我を持たない、いわば機械なのか。


「…ありがとう……気になっていた事の一つ目が分かった…」

「良かったね!」

「……一つ目が分かった…という事は…二つ目があるのか?」

「ああ…」


二つ目の質問を、俺はこの場にいる王様全員に尋ねた。


「……アンタ達って…数十年前の戦争の時から…この異世界にいたんだよな?」

「ああ」

「…それじゃあ少なくとも戦争の時は十歳以上の筈だ…なのに何故…エミリアさんとか…レクスさんは外見がそんな若々しいんだ?」

「若作りしてるからだよ!」


エミリアさんは冗談でそう言ったが、その後にスカーレットさんが真面目に答えた。


「……時が進まないのは神が関係している…ホワイトに聞くといいだろう」

「…はいはーい!……僕が話します!」


ホワイトがハイテンションで叫んで、何故歳をとらないのかの説明を始めた。


















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