ボクと温泉
「わたしはドレイ? でした……。
おにいちゃんも、おかあさんも、おとうさんも、もういません
でも、いもうとはいます
わたしもまだ、いきています
でも、おなかがすきました……いもうとは、おなかがすいてうごけません
……だからわたしはモリにたべものをさがしにいきます。
あぶないといわれたけど、もうじきわたしもうごけなくなりますから……そのまえになんとかしないとダメなんです」
-元・二等臣民“フラーチェ”-
いよいよを持って、ボクの服がヤバくなってきた。
焦げ目やほつれはしょうがないけど……匂いがヤバイ。
……そこで用意したのがコレだ!
雄大な山脈っぽいけど、ボク的には出っ張った丘でしかない場所に、丁度良さげな窪地を見つけたので、そこに川を引き込んで、溜池……ダムを作ってみた。
これで洗濯ができるけど、水源にもなるだろう水を汚すのは良くない。
そこでボクは、海で洗った後。塩を落とすための濯ぎとして使うことにした……これなら、水質汚染は最小限で済むと思う。
水を溜めたり、服洗ったり、干したりしてる内に3日ほど経ってしまった……。
その間、姫様は完全に放置してた。
一応、食料なんかはイカとかトカゲの残りがあるんで大丈夫だとは思うけど、それでもやっぱり心配だったので、生乾きの服を着込んで戻ることにする。
―――そしたらなんか、人が増えていた。
ボクを唖然と見上げて立ちすくむ見知らぬ人々。
姫様に誰? とジェスチャーで聞いてみると……子猫を拾った子供が親に飼って良い? ねぇ? ねぇ? ……ってな感じで返された。
ちゃんと自分で世話をするなら……って、相手は人間なんでペットとは違うだろ?! ……と、心の中でセルフつっこみしながらも、ボクは頷いた。
二人っきりじゃなくなるのは少し惜しい気もするけど、寂しいより賑やかな方が良いよね?
それじゃさっそく住処を作ろうと、ブチブチと木を適当に引っこ抜いて広場を造り。
余ってた木をカッタ―で削って木材にする。
一度作った経験を活かしてログハウスを次々と組み上げていく。
そうやってしばらく黙々と作業してたら、いつの間にかに小さな集落が出来てた。
どうやらボクが作ってる間に、彼らも自分たちで余った端材を使って建物とかを建てていたらしい。
ふと呼ばれた気がして、そっちを見ると姫様と目があった。
姫様は川のある方の森を指して、水を飲むような仕草の後、広場を指さした。
ああ、水源が欲しいのかな? でも川から水引くのって結構手間かかるんだよね……うーん、井戸でも造るかな?
でも掘ったからってそう簡単には出るかな? ……まあいいや、とりあえず手の届く範囲を適当に掘ってみよう。
土は柔らかいので掘るのは簡単だった。
地面に横たわって、片手を伸ばすようにして穴を深く深く掘っていく。
アチッ!?
なんか湿ってきたので当たりかな? とか思ってたら……温泉を引き当てちゃった。
いきなり吹き出した温水にボクだけでなく、みんなも驚いてたけど、いち早く立ち直った姫様が、腕を輪っかにして地面を指して、何か伝えようとしてきた……うん。わかるよ!
温泉と言ったら露天風呂だよね~。
湯量的にボクが入るのは無理だけど……まあいいや。
そこらから石を集めて、土を盛って、ああ垣根と脱衣所も作らないと……。
しばらくそんな感じで作業したらた、日本庭園風の立派な温泉が出来た。
ふと見ると姫様がなにかすごく期待してる目でボク見てきたので、頷いて完成を告げると脱衣所に入って着替え始めた。
えーと、やっぱ覗いたら拙いよね?
露天風呂だから囲いはあっても、上から見下ろせるボクからは丸見えなんだ……うん。ちょっと離れておこう。
あ、そうか! 川から水を引っ張ってこないと駄目じゃん!?
井戸が温泉になっちゃったから仕方ないか……それに温水の排水処理もやっとかないと……うん、あとひと頑張りしたら、ボクも水浴びしてくるかな?
アチッっと言ってますが、ダメージは0です。いきなりだったので驚いだけです。
ちなみに本人は気がついてませんが、溶岩を素手でかき混ぜても、特殊能力的に平気だったりします。