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2日目 3-2

《登場人物》


 安田 将吾  大学生 20歳

 鬼頭 美津音

 河内  源  刑事  59歳

 木村 賢介  刑事  24歳

 ――― 2日目 3―2 ―――



 将吾と美津音は気を失ったまま、床で寝ていた。

 黒い光は既になく、暖かい壁の色、レンタルビデオ店内を照らす白い照明の光が二人を優しく包んでいる。

「……うん? ここは?」

 将吾は目を覚まし、上半身を起こして周りを見渡した。

 そこは、さっき倒れた時と変わらず、レンタルショップの中であり、すぐ隣で美津音が寝息を立てている。

 将吾は左手の人差し指で何が起きたのかを考えるが、覚えているのは、美津音と出会ってすぐ黒い光が二人を包んだ事と、やはり頭痛で倒れた時の人達の事だけだった。



【なんだったんだ? 今の?】




「……ふぁあ……」

 美津音が軽い欠伸をしながら目を覚ました。

「起きたか……」

「ここは?」

「レンタルビデオ店」と将吾はつぶやき、立ち上がる。

 美津音も背伸びをしてから、立ち上がる。

「これからどうするんだ?」

「う~ん。まだ考えてないの……」と彼女は首を横に振った。

 将吾はそれを聞いて、一つ提案をした。

「とにかく、一人で行動するのは、あれだから一緒に歩くか?」

 美津音は彼の提案を聞いて少しの間、悩んだ。レンタルビデオ店内で美津音の「う~ん」という悩む声が響く。

 将吾は、悩む美津音の姿を置いて、見たい映画のDVDを捜しに陳列棚の迷路を歩く。

その間に彼女が決断した。

「いいわ! 決めました! ついていくわ! でも、何か変なこと企んでいるならすぐに殺すから……って、あれ? 聞いてるの?」

 美津音の隣にいた将吾がいないことが分かったが陳列棚の奥から将吾の声が聞こえた。

「ああ、聞いてるって~ おお、これ、良いな~」

「ちょっと!」と美津音は、将吾の声がする方へ向かってみるとDVDを大量に、手に取って見ていた。

「これ見てみ。え~~っと」

「美津音でいいよ」

「美津音さん。これ、面白そうじゃないか?」と将吾は三津音に一枚のDVDを見せる。



《映画 NO.4696》



 そのDVDはサスペンス映画とジャンルが記されていた。

「私、サスペンス苦手だわ」と美津音はアクション映画の陳列棚に視線を向けた。

「あっそ」と言いながら、将吾はそのDVDを籠の中に入れて、カウンターに持っていく。

 美津音は籠を運ぶ将吾の後ろ姿についていきながら、彼に言った。

「えっ、ちょっと何をする気? カウンターに行っても誰もいないの分かるでしょ!」

「でも、持ち逃げは、窃盗。そんな事できねぇよ。ちゃんと支払っておくんだよ。お金だけおいておけば、窃盗じゃないし」と将吾は、お金を置いて、DVDを店の袋に入れた。三津音はそれを見ながら溜め息をついて呆れていた。

 



 【これでいいのかしら……不安だわ】



 二人に流れる微妙な空気、それよりも美津音が感じたのは、将吾自身についてで、不思議な空気が彼女の頭の中に包んでいく。

 将吾は、一日目でコンビニでやった手順通りに、レジを駆使して、必要分のお金をレジにしまった。

「さぁ、これでこのあと店員さんが来ても心配はないよ!」と将吾は美津音に軽くウィンクする。




【いつか、殴ろう! もう一回。】




そう美津音は将吾の顔を見て感じていた。

2日目 3-2 です。


話は続きます。

月一企画の「孤独都市」です。

今回は、将吾と美津音が黒い光に包まれたあとです。

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