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2日目  7

《登場人物》


 安田 将吾  大学生 20歳

 鬼頭 美津音

 河内  源  刑事  59歳

 木村 賢介  刑事  24歳

 安田 恵理

―― 2日目 7 ――



 将吾と美津音はコンビニに向かって歩いていた。移動しながら考えてみる。




【美津音は一体、誰なんだろう? 俺の夢に出てきたって事は、以前にも関わりが? でも俺は事故をしてこの体は少なくとも偽者……】




「ねぇ、コンビニ着いたけど……」

「えっ!? あ、ああ」

 将吾が美津音の言葉で、もうコンビニの前に着いたことを知った。

 2人はコンビニに入り、欲しい物をかごの中に入れて、レンタルビデオ店でやった行動を行って、コンビニ店を後にするが、

やはり、商品は変わらず、一日目の状態だった。

 美津音はその異変にもなんとも感じることなく、商品をかごに入れていた。

 将吾は美津音の事が更に気になった。

 恋? いや違う。そんな軽いものではない。もっと重い物だ。より重い物だ。

 将吾は思い切って、美津音の事を訊いた。

「なぁ、お前は、なんでこの世界に……?」

 美津音は聞こえていないふりしたのか、ただなにも一言返すこともなく、黙ったまま歩いていく。

 将吾は返答を待ちながら歩いているが、なにも返答してこなかった。

 微妙な距離が空いた。

「あれ? 聞いてなかったのか?」

「えっ? 何?」

 美津音は将吾に答えてた。



【訊いてなかったのか? 何故に……この質問が駄目だったのだろう】



 将吾は別の質問で美津音を見てみる。

「そういや、お前、家族と友達を探してるんじゃなかったのか?」

 すると今度の答えと反応は素早かった。

「まぁね。結局、誰も見つからないまま……今、ここであんたといるわけ」

「なるほどね」

「黒い光に怯えてたけどあれは、何だ?」

「あれは闇。この世界で言うと致命的な物になるあれに吸収されたら、地獄に落ちる」

「え、待って。闇? で、え、地獄!?」

 将吾にとってはとんでもない事だった。



 地獄。「地獄」という言葉は最近の社会問題での苦労とかで単語を用いられるのをよく目にする。



 将吾は気を元に戻して話す。

「おまえは何を言っているんだ? それだったらなんで俺達は地獄に落ちてないんだ? 一回俺たちは黒い光にあったじゃないか」

「あの時は、まだ部屋の中にいたから大丈夫だったの。今、この状態で闇の光に包まれたら、おしまい」

 外と中の違いなんて将吾には到底、理解不能であった。

 そもそも論として、何故、こんな会話になったのだろうか? 自分が問題提起として、黒い光の事を美津音に訊いたことが間違いだった。

「早く帰って、飯食おうぜ。腹ペコだ」

「そうだね。でも、私、夕食、食べたら、出て行くわ。流石に迷惑を帰るわけにもいかないし……」

 美津音は言って、空を見上げる深い藍色の空の中綺麗な満月が光を照らす。

 将吾はそんな美津音に言った。

「一人で出歩くのは危険だ。闇に吸い込まれちまう可能性があるだろう! 俺んとこ泊まってけよ。それなら安心だろう?」

「え、いいの?」

 美津音は、将吾の言葉に大きく反応し、笑顔になった。

「寝る時、俺の部屋を使えよ。俺、下のソファーで寝るからさ」

 将吾も軽く笑い、自宅につながる道を歩いていく。買い物袋を左手に持ちながら。

 2人は自宅に戻って買い物袋をテーブルに置いて、コンビニ弁当を袋から出して、レンジのドアを開けて弁当をレンジに入れた。

 レンジの温めボタンを押し、出来上がるまでの間、将吾は少し考えてみる。

「俺は、いま夢の中にいる。この世界が仮に夢だとすれば? 覚ます方法は一体なんだ? それに美津音の正体がわからない。何故、彼女が黒い光について知っているのか? 地獄とか言ってたな……」


 チーン! 

 

 レンジの音。将吾は弁当の温めが終わった事を音で知り、レンジを開けて、弁当を取り出した。ちょうどいい出来具合。

「レンジ空いたよ。美津音さん~」

 美津音はまたピアノのある部屋で、弾いている。小さい時に音楽の先生がかけていた曲と似ている。

 将吾は美津音を呼びに部屋に向かった。

「お~い、美津音さん……」

 将吾が部屋に入ろうとした時、美津音はピアノを弾きながら、瞳から綺麗な水滴を落とした。

 ピアノの音も同じように将吾は泣いている様に聞こえた。何も言うまいと将吾はリビングに戻って弁当の蓋を開け、割り箸を割った。


月一投稿企画 「孤独都市 2日目 7」 を投稿しました。


今回は将吾さん、だいぶ悩んでますなぁ。美津音は一体何なんでしょうね。次回期待ですな。

では、次回をお楽しみに……!!


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