1日目 1
《登場人物》
安田 将吾 大学生 20歳
この物語はフィクションです。
―――― 1日目 1――――
【俺は、目を覚ました。周りを見てみるとどうやら外で寝ていたみたいだ。痛ぇ。頭が痛ぇ。何かで殴られたような痛みが響く】
痛みをこらえながら目を開くと、街の光景が何かおかしい。
【周りを見渡したが、人っ子一人いねぇ】
俺は腕時計を見た。
《AM10:43》。昼になろうとしている。
この時間帯なら大量の車が通っているはずの大道路なのに車が動いていない。よく見てみると、何台も車が乗り捨てられているみたいで、ドアが開きっぱなしの車ばっかりだった。
「何で、誰もいねぇの? 俺は一体、誰なんだ? いや、それは思い出せるな。そうだ。鞄がねぇ。探さないと」
俺は、鞄を探しに、さっきまで倒れていた周りの道を探した。
「あ、あった」
探して数十秒でリュックを見つけた中には、本と筆箱、財布が入っていた。
すぐさま財布の中を確認して、自分の顔が写った免許証を取り出す。
免許証に、自分の顔と名前、生年月日などが書かれていた。
《安田 将吾》
将吾は近くのカーブミラーで自分の顔を確認してみた。
【怪我はしていない。体の一部から痛みが起きているわけではない。大丈夫だな。しかし、一体何があったんだ? 人っ子一人いないな】
将吾はそう感じながら辺りを見渡す。そのまま誰もいない大きな国道の真ん中を歩きながら……
「そうだ! 携帯を確認したらいいじゃねぇか。誰か電話してきてるかもしれねぇな」
将吾は携帯を開き、電源をつけた。 しかし……
【電池残量 5%以下になっています。自動的に終了します】
「えっ!? おいおい、冗談だろ! ふざけんなよ」
将吾は携帯の電源ボタンを押し続けようとしたが、携帯の電源は無情にも切れた。
「おいおい、俺の文明が~~~~、と、とにかくここにいるのも不気味だな。自宅に戻るか」
将吾は自宅に戻る事にした。さっきまで倒れていた歩道から数分の所に自宅はある。
《安田将吾 近くの地方大学の法学部の大学生であり、自宅生である》
将吾は無心で歩き続けて、自宅にたどり着いた。自宅に向かうまで町の異変は変わっていた。乗り捨てられた車、まわり落ちているバッグや自転車に靴、極めつきは塀の瓦礫があちこちに落ちているときた。
自宅に向かっている時には将吾の頭痛はすでに治まっていた。自宅に入る前に車庫を確認した。両親は共働きであり、2人とも自動車を使用している為、仕事に行っているなら車は2台ともない。だが、将悟が見た時には車庫に2台とも車が置いてあった。
「あれ、車がある。親父、仕事休みなのかな?」
少し疑問に思いながらも玄関に再び戻る。
【一体、このド田舎であるこの街で何があったんだ? 両親は仕事にも行ってねぇし、それに俺は何であんな道で倒れてたんだ? さっぱり分からねぇ?】
将吾はそんな事を思いながら玄関のドアを開いて自宅へ入る。
「ただいま」
将吾はいつも通りの自宅への入り方をした。ドアを開けて、中に入り、いつも帰宅したら必ず言う四文字の言葉を発した。
しかし、将吾の「ただいま」に誰も反応はしてくれなかった。
「あれ? 誰もいねぇのか?」
将吾は、靴を脱ぎ、自分のスリッパに履き替えてフローリングの床を歩いていく。
最初にリビングに向かうが、誰もいない。次にダイニングキッチン、誰もいない。お風呂場にトイレここにも誰もいない。
将吾は、焦りながら二階の寝室へ向かうために階段を一段飛ばして駆け上がって行く。両親の寝室、弟の寝室。しかし、誰もいない。
【えっ? どういう事なの? なんなの?】
将吾は自室に行って、携帯の充電をする。電気は使えるらしく携帯電話のバッテリー充電器のコンセントをさした時、携帯の充電サインが赤く浮かび上がる。
将吾は混乱しそうな精神を落ち着かせる為に、急いで階段を下りてキッチンに向かった。
冷蔵庫を開けて、中を見る。冷蔵庫の中には、水やお茶などが置かれ、冷えている。将吾はお茶を取り出してコップに注いだ。
コップのお茶は綺麗な茶色を映し出している。
将吾はコップのお茶を流し込んだ。
「どうしようか? 戻ってくるまで待ってみるか。でも皆はどこへ行っちまったんだろうか? 親父も母さんも車だけ置いて家にはいねぇし、俊哉(弟の事)のやつもいない」
将吾は鞄をリビングのソファーに置いて、自身も長いソファーに寝転んだ。
将吾は仰向けになりながらふと考えてみる。
【乗り捨てられた車、道に落ちていた鞄や靴に塀の瓦礫。何が起きているんだ……?】
「まぁ、いいや。寝よう。大学はサボっちゃえ」
将吾は、少しの間だけ仮眠をとる事にした。ゆっくりと目をつぶった。
月1連載投稿作品です。
毎月6日~10日の間に投稿します。
第1話です。
下手くそです。拙い文章が多々ある事をお許しください。
では、宜しくお願いします