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精霊使いと精霊と!  作者: ちょめのすけ
第一章 精霊の居る日々
7/9

中学校最後の学期のはじまり

ついに始まった三学期。

登校中に友人と立ち話をしていて遅刻ギリギリになってしまう。

こんな調子で大丈夫なのか?


今までとは違った龍牙の日常が始まる。






「……ふぅ、やっと解放されたなぁ」


始業式が終わって教室へ戻る途中、並んで歩く優斗、凪ちゃんに話題を振る。

俺と優斗は移動教室などのときは殆ど共に移動している。

凪ちゃんとは体育館を出るときに会ったのでそのまま一緒に移動することになった。


「うちの校長は話が長いからね」

「小学校の頃もそうだったけど、なんで校長の話ってこう長いんだろうなぁ……」

「なんででしょうねぇ……」


なんて事を話しながら歩いていると、前方に瑞樹を発見した。


「あ、瑞樹だ」

「瑞樹君……今日は部活に来るかな?」


そういえばあいつは週に一度部活に出るか出ないかの屈指のサボり魔だったな。

……部活の活動内容がちょっとあれだからそこまで文句も言えないが。


「少し言ってくるわ……おーい、瑞樹ー」


俺は優斗達に一言言うと、瑞樹に声をかけながら隣まで小走りする。


「お? どうした?」


俺に気がついて瑞樹がこちらを向く。

少しボサボサの茶髪に同じく茶色の瞳。

スポーツが得意で足の速さは校内でもトップクラス。

筋肉質な体をしており身長も170cm程もある。

ただ登校してくるのはいつも時間ギリギリ。

俺と同じ部活なのだがあまり顔を出さない困った奴だ。


「あー……大丈夫大丈夫。今日も行かないから」

「そうか、大丈夫か……うん、大丈夫じゃないね。来いよっ!」

「いやだって今日始業式だけだから終わるの早いんだぜ? 家でゴロゴロさせてくれよー。寝不足なんだよ」

「ゴロゴロするなら部室ですればいいだろう? とにかく今日は絶対来いよ?」


俺はそれだけ言って優斗達の所まで戻った。


「瑞樹君、今日は来てくれるといいね」

「来なくて困るのはあいつなんだけどなぁ。まぁ我らが生徒会長の白ちゃんに連絡しておくわ」

「それなら私が伝えておきますね。クラスも同じですし」

「お、それじゃあ頼んだ」





担任の先生からの連絡も終わり、下校時刻となる。

全員が荷物を纏め、クラス委員長である五十嵐が帰りの号令をかける。


帰りの号令が終わると一斉に生徒達が動き出す。


「瑞樹は!?」


俺は振り向いて教室の一番廊下側の最後尾の席を見る。


「残念ながら……」


優斗が首を横に振る。

その席の主は既に姿を消していたのだ。

俺や優斗の席は校庭側の前の方だからどうやったってあいつより先には教室を出られない。


「あとは白ちゃんに任せるしか……」

(龍牙、追いかけないのですか?)


俺が諦めて部室に向かおうとするとずっと俺の後ろにいたウリエルが念話で話しかけてきた。

登校以来ずっと黙って学校を観察していたので話しかけられたときに少し驚いてしまった。


(無理だ。瑞樹は校内でもトップクラスの足の速さを誇ってる。もうどうがんばっても追いつけない)

(では……私は少し興味がありますので見てきますね?)

(あぁ……)


ウリエルはそういって教室の窓をすり抜けて飛んでいった。





教室を出て上空から瑞樹という男子生徒を捜します。

すると案外すぐに見つけることが出来ました。。

龍牙達の教室は校舎の三階左端。階段から少し離れた場所にあるというのに、既に靴を履き替え門へと続く渡り廊下を走っていたのです。

まだ解散となってから20秒ぐらいしか経過していないというのにあそこまで移動するとは、中々に速い人間ですね。



私は男子生徒が見やすい位置まで移動しました。

すると渡り廊下の先に女子生徒が立ちはだかっているのが見えました。

彼女が龍牙達の言う白ちゃんという人でしょうか。


「ここは通しませんよ!」


女子生徒は男子生徒にそう言い放ちます。

男子生徒の方は女子生徒の事など全く気にしていない様子です。


「じゃあ上通るからええわ!」


男子生徒は女子生徒に言うと渡り廊下の手摺にジャンプして乗りました。


「え?」


女子生徒が驚いて見上げると男子生徒は素早く渡り廊下の屋根に登りました。

そして渡り廊下の屋根の上を当然のように走って行きます。


「会長!」


女子生徒が門の方を向いてそう呼びかけました。

どうやら生徒会長とは、この女子生徒ではないようです。

門の前に立っている生徒こそが白ちゃんでしょう。


「任せて、副会長!」


門の方からそう答える声が聞こえました。

どうやらこの女子生徒は副会長のようです。



男子生徒が門へと進んでいくのでそれにあわせて私も門の上空辺りまで移動します。

閉められた門の前には会長と呼ばれた女子生徒が待ち構えていました。

クセの強そうな白いセミショート。髪が何本かはねています。

瞳は黄色で顔もまだ幼い。身長は凪という子よりも低いようです。

一見中学生には見られないかも知れません。


その白髪の少女が男子生徒の接近を確認して構えます。


「さぁ、大人しく私に捕まってください! 五月雨先輩!」


男子生徒は渡り廊下の終わりが近づいているのにも構わずスピードを緩めません。

このまま走って門の上を跳び越えるつもりでしょうか。

しかし渡り廊下の終わりから門までは7m程の距離があります。

地上4m程の屋根の高さから跳んだとしても2m程の高さがある門を越えるのはただの中学生では難しいでしょう。


「嫌だね!」


それだけ言うと男子生徒は屋根を思いっきり踏み蹴り高く跳びあがりました。

あの跳躍なら門を跳び越えるでしょう。あの者は陸上部等に入ったほうがいいのではないでしょうか?


「させませんよ!」


一方白髪の少女は門の上に乗り跳び上がります。

まさかあの男子生徒を空中で迎え撃つというのでしょうか。

その彼女の跳躍も男子生徒に負けないものでした。

そして二人は空中でぶつかります。


男子生徒は白髪の少女の肩に足を乗せ足場にしようとするも、少女はその足を掴んで下へ降ろします。

しかし男子生徒も負けずと今度は手を肩に乗せ、その手を軸に少女の身体を越えようとしました。

それにより掴まれている足が上にあがります。足と掴んでいる手が上へと引っぱられ、少女は足を離しそうになります。

が、少女は掴んだ足を離さずそのまま地面へと降りました。


この勝負は少女の勝ちのようです。

その少女は男子生徒の足を離して後ろ襟を掴みます。

そして男子生徒を引きずって行きます。


「さぁ五月雨先輩、部活に行きますよ!」

「俺の貴重な午後がぁー」


あの男子生徒がここまでして行きたくない部活とは……一体どんな部活なのでしょう?

一般的な中学校でそれほど辛い部活があるのでしょうか?

それにしてもこの二人……ただの中学生とは思えない身体能力を持っていますね。

男の方は朝見たときから薄々感付いてはいましたが……まさか年下の女の子まで。

龍牙の周りは既に……ということでしょうか。

おっと、そろそろ龍牙の元へ戻らなくては。

学校の構造は分かりませんから、気配で探しましょう。

……龍牙の教室があった校舎とは別の校舎の三階、左端……。

窓から覗くと、とても部室とは思えない空間が広がっていました。



窓側には保健室にあるような白いベッドが三つ並んでいます。

教室の後ろ側には本棚があり、小説から哲学書、ゲームの攻略本、宴会芸の指導書等、多種多様な本が並べられています。

本棚の横には大きな箱があり、中には沢山のテーブルゲームが入っているみたいです。

部屋の前側の黒板には大きな文字で『遊部、次回計画者決定、人生ゲーム大会』と書かれています。

そして部屋の中央には10人程が囲めそうな大きな白いテーブル。

そのテーブルには今、人生ゲームが広げられています。


ここは一体、何をする部活なのでしょうか……?





部室で瑞樹と白ちゃんを待っていると、ウリエルが戻ってきた。

どうやらあの二人の身体能力の高さに驚いたようだ。

瑞樹の方は見た目がそうだから分かるが、あの小さな白ちゃんまで高い身体能力を持ってるからな。

白ちゃんの身体能力の高さが露見したのは今年の初めぐらいだったか。俺も最初に見たときは相当驚いたからな。


ウリエルは部室の窓の前まで来ると、この部室を見回して戸惑っている様子だ。

まぁ無理もないと思う。この部室を見る限りじゃ何をしている部活なのか分からないだろうからな。


ウリエルが戸惑いながら窓をすり抜け部室に入ってくると、丁度部室の扉が叩かれた。


「遅れました。五月雨先輩連れてきましたよー」


白ちゃんが瑞樹を引きずって入ってきた。

部室中央のテーブルの前まで来ると、引きずってきた瑞樹を窓辺にある白いベットへと放る。

テーブルを挟んで窓辺のベッドまでは約5m、とても女子中学生が人間一人を投げれるような距離じゃない。

が、瑞樹はしっかりベッドへと着地する。


そう、白ちゃんは怪力でもあるのだ。

足も速く力も強いため校則違反者がいれば直ちに捕まえて連行する。

記憶能力も良く、この学校に通うすべての生徒の顔とクラスを把握している為一度見つかれば逃げ切ることは出来ない。

そんなこの子が生徒会長になってから、校則違反者はみるみる減っていったのだ。

まぁ、この学校の校則はかなり緩い方でもあるんだけどね。


俺は周りを見渡す。

俺、優斗、瑞樹、凪ちゃん、白ちゃん……一年生以外の部員は全員揃った。

本当は一年生に女子生徒の中野、男子生徒の佐藤と向井の計八人なのだが、今日は行事の準備で一年生は部活に出られないらしい。

まぁ、今からやる企画者決定は一年生は含まれないからな。

流石に一年生が部活の行事の企画者をやるっていうのは無理な話だし、企画者決定は二三年生のみだと部の設立当初からの決まりごとがある。


俺は手を叩いてみんなの注目を集める。



「さて、じゃあ全員揃ったことだし、遊部(あそぶ)の今学期最初の活動を始めようか!」





ギリギリセーフ!ギリギリセーフだよ!


皆様こんにちは。

ちょめのすけです。

投稿がギリギリになってしまい申し訳ありません。

やることが意外に多くて中々筆を進められませんでした。


さて、今回も新キャラクターが出てきましたね。

白ちゃんです。


クセの強い白のセミショート。

黄色い瞳のロリ中学生です。

見た目は小学生に見えるとか。


序章からの引き続きで龍牙、ウリエル。

第一章から登場の優斗、瑞樹、凪ちゃん、白ちゃん。

これで第一章の主要キャラクターが一応出揃いました。

あ、副会長は主要キャラクターじゃないです、モブです。

一年生徒もモブです。


第一章はこの6名が中心となって物語が進んでいきます。

舞台の中心となるのが今回出てきた龍牙達の属する部活、遊部(あそぶ)です。

文字からして良くあるような部活ではないことが分かりますね。

まぁこの部活は、自分がこんな部活があったらいいなぁと思うような部活なんですけどね。



という訳でここらで第一章の登場キャラクターの紹介にいきたいと思います。

メインとなるのは前述した通り龍牙、ウリエル、優斗、瑞樹、凪ちゃん、白ちゃんの6名。

他にも、謎のキャラクター達も出てきますがそれは置いといて、一人ずつ紹介していきましょう。

第一章からの新キャラクターから紹介していきたいと思います。


まずは五十嵐 優斗(いがらし ゆうと)

金髪サラサラヘアのイケメンさん。

龍牙とは小学校からの付き合いで、出席番号の関係もあり学校では結構時間を共にしています。

身長は龍牙より微妙に高いぐらいで、運動能力は高い。

ですが、龍牙の方がに少し上。という所でしょうか。

しかし、勉強の方では優斗の圧勝。

龍牙の成績は中の上ぐらいで悪くはないのですが、優斗は成績上位、学年一位を争うような位置にいます。

二年生の頃には生徒会長を務めていました。

が、三年生は生徒会に入ることが出来ないため、今の会長が誕生したわけです。


さて、長くなってしまいましたね。

これで一応優斗の紹介は終わりです。

これからも読者様がすんなり物語を読み進められるよう色々と補完していこうと思っています。

他三名の紹介も順次やっていく予定です。


最後に、自分は3月29日から4月3日まで、用事で出かけることになりました。

なので、その間は執筆が出来ません。


次回の更新は帰ってきてからになると思います。

少し時間が空いてしまいますが、どうか今度ともせいととをよろしくお願いいたします。

それでは皆様また次回の更新でお会いしましょう。



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