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精霊使いと精霊と!  作者: ちょめのすけ
序章 天使が舞い降りた日
2/9

精霊との出会い

主人公である天地龍牙は興味本位で幼馴染を追跡していると、

幼馴染の一糸纏わぬ姿を目撃してしまい、気絶させられました。





「……う、うぅ……」


目を覚ますと、俺は泉の近くの木に凭れかかっていた。

あれ? 俺なにしてたんだっけ?

とりあえず近くに泉があったので顔を洗うことにする。

1月なので水はとても冷たいが、それがかえって目を覚ますは丁度いい。

水面に映る俺の顔。

まだ幼さの抜けない顔立ちに、蒼の髪。

瞳の色は髪とは対照的に赤だ。

額の両端には髪から少し顔を覗かせる程度の突起物が2つ。

これは俺のトレードマークともいえる角。

いや、実際問題角じゃなくて骨がなんらかに理由で出っ張ってるだけらしいがどうみても角に見えるので俺は角だと思い込んでいる。

角でも骨でも大差ないって? 気分の問題だよ、気分の。

さて、顔も洗ってすっきりした所で、なにしてたんだっけ?


……あ、そうか、俺火燐に顔面蹴られたんだっけ。

あいつが移動させてくれたんだな。


とりあえず周りを見渡したり、目を瞑って気配を探ってみるが、近くに火燐はいない。

もう一度辺りを見回し進む道、戻る道を探すがさっぱり分からない。

まぁ、殆ど目を瞑って歩いてきたんだから当然か。


しかし困ったな。

これでは進むことも戻ることも出来ぬ。

このまま火燐が帰ってくるまで此処で待つか?

いや、流石にここまで来てタダで帰るわけにはいかんよな。

……火燐のあの姿を拝めたからタダって訳ではないが……これはこれ、それはそれ。

と、脳裏に焼きついたあの姿を思い浮かべると、なんだか体の奥が少し熱くなった気がした。

いや、変な意味でじゃないぞ。断じて違う。

なんか、こう……情熱? 湧き上がる力? みたいな何かだ。


ってそんな事より先に進もうぜ俺!

まずは泉の周りをまわって人が通った形跡とかを分かる範囲で探してみる。

泉は半径20mはありそうなもので、探すのはとても苦労しそうだった。

が、探してみると意外すぐ見つかった。


水に接している地面に一部が崩れ落ちている。

しかも靴の跡までついているものだ。

これは確実に人が通った跡だろうと思うが……よくよく考えればこれ、俺が落ちたときの跡じゃないか?

あー、そうだな。そんな感じがしてきた。

これで帰りの道は分かった訳だ。

しかし俺は先へ進むのだ。

俺は先ほど見つけた跡の反対方向へと向かう。

すると、草木に掻き分けられたような癖があった。

……ここをいけば火燐の所まで辿り着けるわけだな。

ならば俺は進むぞ!


といって進み続けてること30分ほど。

前方に草木に隠れて何かの様子を伺っている火燐を発見。

俺も気付かれないよう様子を伺おうとするが……。


「流石にもうばれてるわよ」


火燐が振りかって笑顔のままこちらを威圧する。

うわぁ! あの方まだ怒ってらっしゃる! 当たり前か!


「とりあえず静かにしてくれる?」

「お、おう」


隠れていても仕方が無いので火燐の横まで移動。

火燐と同じ方向に視線を向けると、そこには額にルビーがはまっているリスみたいな小動物がいた。


ドクンッ――


俺の中で心臓が大きく脈を打つ。

久々に受ける衝撃、この世にこんな生き物がいただなんて。

これが、精霊か……。



「あれがルビーカーバンクルよ」


ルビーカーバンクル。

見た目はリスと大差は無い。

ただ、少し大きくて、額にルビーがはまっているだけ。

そんな説明されると余り感動しないかもしれないが、十分すぎるほどに神秘的な存在だった。


「今から契約を持ち掛けてみるからここで静かに待っていてね?」


そういって火燐が立ち上がった瞬間、ルビーカーバンクルがいきなり走り去った。

火燐から逃げた?

でも、さっきの焔姉の話を聞く限りじゃ契約を持ちかけられる精霊側には余りデメリットはないんじゃないか?

とか思ったが、多分支配下に置かれるっていうのが嫌なのだろう。

人間だって「飯食わせてやるから俺の家で住み込みで働け!」とか言われたら嫌だ。


「あ、待ってっ!」


それを火燐が追いかける。

あ、と思ったときにはもう遅い。

ルビーカーバンクルの逃げ足は意外に速く、火燐もそれに追いつこうとしたため俺はあっという間に取り残されてしまった。

が、ルビーカーバンクルを見たときに衝撃が未だに収まらない。

火燐も見失なっちまったし。どうするかねぇ。

一応の目的は達成した。

俺は精霊が見たかっただけで契約とかそこらへんはあまり興味が無いからな。

さて、これからどうしようねぇ。


俺はとりあえず地面に座り込む。

帰りの道なら分かるが、ここで火燐が帰ってくるのを待っていよう。

1月なので少し寒いが風は気持ちいいし日の当たりも丁度いい……って、俺の服なんで乾いてるんだ?

俺が気を失っていたのは長く見積もっても1時間も無いと思う。

1月のような寒い時期に泉に落ちた奴の服が一時間で自然に乾くか?

そんなの乾くわけが無い。

火燐が気を利かせて乾かしてくれた……はと考えにくい。

俺が起きたときには服は完全に着たままの状態だったし、人が着た状態の服を乾かすなんて、いったいどうやるんだ?

一度全部脱がせて乾かすって言うのもありえない。

下着まで完全に乾いていたんだ。どう考えたって……ねぇ。

ありえるわけがない。


なら……どうして?

そんな疑問が俺の中に生まれた。

思えば火燐も1月に泉で水浴びなんて……という疑問も生まれてきた。

相手が精霊使いなら、精霊の力を借りた魔法で何とかなったという答えでこの2つの疑問は解決される。

魔法には熱や炎に関するものもたくさんあるからだ。

まぁ、火燐の水浴びは身を清めるとかそんな理由だろうが、俺の服の話は完全におかしい。

……うーん。

俺の御馬鹿な頭では答えを導き出せない……。


ふと、顔を上げると辺りが暗くなっている事に気が付く。

一瞬、「やっべぇ! もうこんな時間!」となるところだったがそんなことはあるはずが無い。

時計を見れば時間はまだ3時にもなっていない。

ならなんでこうも暗い?

理由は簡単だった。

空を見上げれば黒く分厚い雲が空を覆っていたのだ。


「これ……やばいんじゃね?」


思わずそんな独り言が漏れる。

黒くて分厚い雲が空を覆っている。

これは完全に大雨になるやつだ。

傘も持たずにこんな遠くで大雨に合うなんて冗談じゃないぞ。


俺は慌てて立ち上がる。

今すぐ帰ろうか! と思うがルビーカーバンクルを追いかけていった火燐を思うと帰れぬ。

仕方が無いのでとりあえず火燐を探そうと一歩を踏み出す。

――――嫌な予感がした。

なんとなくではあるが、やばい気がする。

この一歩は踏み出してはいけなかったのではないか?


「何処に行くのかなー?」


後ろから知らない声が聞こえてきた。

若い、少女のような声。

だが、振り返れない。

振り返ったら絶対やばい気がするから、振り返っちゃいけないと本能が告げるから。


「おや? 動けないの? やっと私の存在を認知したみたいね」


動けないのが当たり前、みたいな反応だ。

振り返ったらやばいっていうのは分かるが、振り返れないのが当たり前だなんて、金縛りか何かか?

いや、そうではないな。体は動かそうと思えば動くような気がする。

ただ、体が動くということを完全に拒否している感じだ。


「まぁ、私の前では誰だってそうなるわ」


一体こいつは何なんだ?

間違いなく思うのは人間じゃない。

とすると、こいつも精霊なのか?


「へぇー、ご名答。私は人間じゃないわ。お察しの通り精霊よ」


やはり精霊か……。

しかも、なんとなくだが超大物って感じだ。


「あなた、さっきから観察してたけど面白いわね」


面白い? 俺が?

いやまぁ確かに俺は学校でも割と有名でとある部活の部長を務めていたりするけれども!

なんか精霊の大物さんみないな方に気に入られるような特徴は全く持ち合わせておりませんよ!


「んー、あなたはまだ気が付いてないかもしれないけれど。相当面白い特徴を持っているわよ?」


ん? 今もしかして心を読まれた?

これはまじで大物っぽいぞ。心を読む精霊だなんて……。

いや、俺は精霊について詳しくないからなんとも言えんが、精霊はデフォで心が読めるのかもしれん。


「そんなこと無いわ。心を読めるのはある一定の精霊だけ」


やっぱり読まれてるな。


「まぁ、お遊びはこれぐらいにして。そろそろ離してあげましょう。それじゃあまたね♪」


その瞬間体の緊張が解かれ、自由に動くようになった。

黒い雲も消え去り空は晴れ渡っている。

……もしかしてさっきの精霊があの雲を作り出していたのか?

天候まで操作する精霊とか……精霊って結構恐ろしいものなのかも。

それにしても……


「またね……か」


その言葉に、俺はため息をつくしかなかった。


……空が晴れたから帰る必要はなくなっちゃったけど、とりあえず火燐を探そうか。

なんだが一人でいるのが怖くなった俺は、心強い幼馴染を探して歩き出すのであった。






はい、皆様こんにちは。

ちょめのすけです。

まずはここまで読んでくださってありがとうございます。

たった一日でお気に入り小説に登録してくださった方、ありがとうございます。

かなり嬉しかったです。


なんとか一日で更新出来たのはいいのですが、サブタイトルが変更となりました。申し訳ありません。

えっと、当初の予定ではルビーカーバンクルとの出会いをもっと掘り下げる筈だったのですが、色々な都合上、この話掘り下げると少し不味いかな?

っていう感じになってしまったので、ルビーカーバンクルは登場するも早々に退場……あとから出てきた謎の精霊の方が出番多いじゃないですかーって感じになってしまいました。

しかし、ルビーカーバンクルは勿論次回も出ます。

後に出てきた謎の精霊についても後々確り出てきます。

謎の精霊の正体を……予想できた人はすごいと思います。

まだ全く情報が出てきていないので、ぴったり当てることが出来る人がいれば驚愕ですね。

それと前の方に出てきた疑問についても(相当後で)しっかり分かります。


話がなかなか上手く展開できないかもしれませんが、どうかこれからもお付き合い願います。


さて、次回のお話。

今回は更新が早く出来たのですが、この小説は不定期更新です。

次の更新は何時になるか分かりませんが、速めにやりたいと思っています

できれば今週中……が目標ですね。

次回のタイトルは『蜘蛛の精霊・襲来』です。

このタイトルは(多分)変更は無いと思います。

前置きが長くならない限りは……。


それでは皆様また次回の更新でお会いしましょう!



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