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「う~ん、本当に美味しいです!」

「うん、ピアの再現能力はホント凄いよ。っていうか、氷も冷蔵庫も無しでアイスを作っちゃうその能力は本当に感動だよ」

「お嬢様ってば疑ってたんですか?」

「疑うって言うより不思議って感じ。本当は別の物を食べてるのに、実はピアの能力で見せられてる幻術って言われた方が納得できる」

「私はそんなことしませんよ?」

「分かってる」


ピアにはそんな人を騙すようなことはできないよね。


「お嬢様、今後の牛乳の為に是非牛を一頭確保しましょう!」


よっぽど気に入ったんだね。でもしばらくは困らないくらいに搾乳できたと思うよ。


「牛を連れて旅する気?」

「フッ、フッ、フ~。私は生き物も収納できるんですよ。忘れてました?」

「収納空間の中で飼うって事?」

「収納空間の中は時間が停止するんです。だからただの収納です!」


ただの収納って、なんかそれちょっと怖いよ? 無理矢理時間停止されて自分だけ年をとらないって事だよね。私は絶対に収納されたくないわ。

でもぴあって性格はとっても人間くさいのに能力だけ見たらホント凄いよね。さすが見習い神様というか神様の眷属かなんだか知らないけどやっぱり天使なんだと思い知らされるよ。到底まねできない。


「でもピア。搾乳するには餌も必要だし時間の経過も必要だと思うよ」

「そ、それはほら、こういう場所を見つけたら外に出して時間を経過させれば・・・」


まぁ気持ちは分かるよ。地球みたいにいつでも何でも手に入る環境じゃないからいずれ無くなっちゃう心配をしてるんだよね。そう思うと地球での生活って本当に便利だったんだな。なくしてから分かるっていうやつだ。今頃そのありがたさを感じても遅いんだけど・・・。でも一応私たちは目的のある旅をしている訳だからなぁ。


「ヴィオ、どう思う?」

「よろしいのではないですか。どうせなら山羊も一頭お願いします。牛の乳と山羊の乳の違いも知りたいですし」


もしかしてヴィオも実はこのアイスクリーム気に入ったの? 無表情で食べてたけど。少しは食に関心がわいてきたのかな。それともみんなで食べる楽しさを知ったのかな。


「それは良いわね!」


驚いた。ピアがヴィオの話を肯定したよ。もう怖い顔で睨むのは止めたの? やっぱり美味しい物は種族共通平和の架け橋なんだね。まあ、牛乳がいつでも手に入るとなれば私も遠慮無くリクエストできるし、私たちの関係が平和で居られるのが一番だ。


葵はピアが確保する牛と山羊を選ぶ為に草原を駆け回る姿を穏やかな気持ちで眺めていた。

こればっかりは手伝えないからね。



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