どうやら今日でさよなららしい
そんなこんなで婚約破棄はゆるっと終わって、今はお姉ちゃんのお部屋でのんびりくつろぎ中。でも何故かシャツサさんも一緒の部屋にいたりする。
どうしたのかな、帰らないのかな。王子へお見舞いしたあのパンチもう1回見せてくれないかな。わくわく。
「これで、お嬢も望みであった婚約破棄に踏み切ることができましたし、本日お休みになられたら元のお体に戻れることでしょう。どこのどなたかは存じませんが、ありがとうございました。」
「え!!!シャツサさん知ってたの?」
「あの失礼ですが、シャツサさんとは?」
「アン・シャツサさんだから、シャツサさんでしょう?あれ、もしかしてアンさんの方が良かったのかな?」
そう言うとシャツサさんはなんだか微妙な顔をしたけれど、間違いないですと言ってなぜ気づいたらお姉ちゃんの身体に私がいたの説明してくれた。
それがなんとお姉ちゃんは類まれなる霊媒体質というものらしく、悩んだり困ったりするとそれを解決できるような人がお姉ちゃんの身体の中に入ってしまうそう。この力のせいで、王家に入ることが内々に決まってるんだって。問題が解決したらその中に入った人は、寝ると元の場所に戻れるんだって。
今回はポンコツ王子のせいで悩んでたけど、お姉ちゃんはどうしても婚約破棄に踏み切ることができなかったらしい。
理由はよく分からないけど、深い深い大人の事情なんだって、大人って難しいね。
その夜、あの王子様みたいにお話を聞かない人にも、俺様で友達がいない人になるのも嫌だから、ママと先生に嘘ついてごめんなさいって、ゆうくんに好きになって貰えるように少しは勉強して、まるちゃんには謝って遊びに誘おうかなって考えながらこの世界にバイバイした。