第二話
「まじでどうしよ」
あの後どうやって家に帰ったのかもわからないくらい今の俺は魂が抜けたかのように呆然としている。
固有スキルはその人の才能。たとえFランクでもこれからの努力次第では上位の探索者になれるかもしれない。ただ、
「Cランク以上じゃないと探索者支援を受けられないんだよなぁ」
正直一番ネックなのはそこだ。ダンジョン内を探索するには莫大なお金がかかる。
それこそ一般家庭では逆立ちしたって届きようのないお金が必要になる。
Cランク以上の固有スキル持ちはランクが高ければ高いほど装備や探索に必要な道具の提供を受けることができるがDランク以下はそういった支援が受けれないため最初に自前の装備を整える必要がある。
「あまりにも高すぎる。初心者の装備だけで1千万必要って嘘だろ」
ダンジョンの魔物からのドロップとしては魔石、魔物特有の素材、魔物固有の装備の3種類が落ちることが知られている。
魔物固有の装備がドロップする確率は非常に低くさらに性能も生産職が作った装備に比べ性能が格段に低くい。
鍛冶師などの生産職が魔石と素材から作った初心者用の装備のステータスはこんな感じだ。
駆け出しの短剣 攻撃力 +5
駆け出しの鎧 生命力+3 防御力 +2
上の二つはゴブリンとスライムからドロップする魔石と素材を用いて作ることができ、製作にかかるコストはそこまで高くない。
なのにこの二つを購入しようと思ったら少なくとも1千万以上の値段が張る。
これは現在のダンジョンは競合を減らすため装備の独占が行われているせいだ。有名企業がこぞって参戦し、生産職を抱え込んだせいで過度な価格の高騰が起こってしまった。
だから高校生から探索者になれるとはいえその実情は金持ちと才能のあるやつにしかその道が開かれていないというシビアな世界だ。
「現状俺がとれる選択肢は生産職を目指すかギルドで貸出のできる魔物から落ちる装備を使って地道に努力するしていくしかない」
魔物から落ちる装備は探索者たちの中でははずれ扱いされている。生産職が作った装備に性能が大きく劣るからだ。
ゴブリンの短剣 攻撃力+2
ゴブリンの鎧 生命力+2 防御力+1
ステータス値の合計がどちらももとは同じ魔物のはずなのに2倍の開きがある。
このステータス差のせいで企業が生産職を独占すると飛びぬけた才能を持たない限り一般人が探索者として大成するのはいばらの道だ。
とりあえずうだうだしていても事はよくならんと思い直しギルドのホームページから貸出可能な装備を予約してダンジョンに向かうことにした。
主人公の現在のステータス
川瀬優斗 レベル1
HP 100
MP 100
攻撃力 11
生命力 12
防御力 11
敏捷 13
幸運 8
固有スキル
装備の心得
装備の名前を決めるのに苦戦しています
かっこいい名前があればぜひ感想欄にお願いします。