二話
なんだか久しぶりですっ(笑)
「それで、あなたはティナとどういう関係なのかしら?」
「……」
「ん、ゆっくり思い出しなさい。取り敢えず回復を速めるようにはしておいたわ。じゃぁね」
重たい瞼が下がってきて私の1日目は終わった。
-1週間後-
あれから1週間、寝る・起きる・食べるの繰り返しで体もダルくやる気も起きない日々を過ごしたがやっと元気が出てきた。
「随分と回復された様ですね、お嬢様」
「レミ、貴女のおかげよ。ありがとう」
レミは私の専属メイドらしい。何も分からない私に沢山の事を教えてくれた。知った事は下の通り。
1.私の名前はクリスティーナ・エンダバーン エンダバーン公爵家の娘
家族は当主である父ガゼイラン・エンダバーン
母ヘナレリーズ・エンダバーン
次期当主の兄ハイルラッド・エンダバーン
魔道士の兄アグレライ・エンダバーン
2.私は家族にたいへん嫌われているらしい
我儘・横暴・人使いが荒い・癇癪を起こす・動く事が嫌い
3.この世界は剣や魔法、貴族に平民、王に騎士。街並みまでも中世の様なファンタジー設定がある
職業に《魔道士》《冒険者》など様々なファンタジー要素があるらしく魔物と呼ばれる凶暴な生き物もいるそうだ
4.私を早く回復させてくれたのは父の妹の旦那さんの兄弟の子供の婚約者のお祖父さんの姪に当たるグラネット・スカバリーさん。私はグーラと呼んで慕っていたらしい。(遠過ぎ!!)
私は食べまくっていたらしく少し太っている。だけど病気がちでガリガリだった前世に比べればこっちの方が嬉しい。
今日は屋敷を抜け出しグーラさんに会いに行くつもりだ。
「レミ、お願いしていた物はあるかしら?」
「ええ、ご用意は出来ておりますがどうされるのですか?」
ズボンとくたびれたシャツだ
ニヤリと笑って私は答えた
「もちろん私が着ますわ」
「えぇ!? お、お嬢様がですか? 本気なのですか?」
「当たり前よ!」
「……止めても止まってくれなそうです。でも、私は嬉しく思っております。お嬢様がちゃんと動いてくれる様になりましたし優しくなられましたしキラキラ輝いております」
「そ、そうかなっ!? じゃ、私は行きますわ」
茶色のキャスケットをかぶって窓から飛び降りる
「わぁっ!!」
「お、お嬢様〜〜〜!?」
「シー、静かに。行ってくるね!」
初めて無茶して初めて走って初めて自然をめいっっっっっぱい感じてグーラさんの家に着いた
「こんにちは」
「あらま、いらっしゃい。本当に来るとは驚いたよ、ティナ。ま、入って」
ウッドハウスと呼ばれる家だろうか? とても素敵な家だ。
「グーラさんってなんだか屋敷で会った時と雰囲気が違いますね」
「貴女もよ。あんたはここでは砕けてたもの」
「そ、そうだったかな、じゃなくてそうだったけ?」
「無理しなくていいよ。あんたはティナとは似ても似つかない別人だもん」
「分かりますか……、聞いてくれますか?」
「いいよ。聞いてやる。ここで吐き出しちまえ!」
私は体が弱かった事も本当のティナに会ったことも話した。